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商用車と一線を画す走り味 フォルクスワーゲン・マルチバン 長期テスト(2) 撮影車に最適

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商用車と一線を画す走り味 フォルクスワーゲン・マルチバン 長期テスト(2) 撮影車に最適

積算2万1468km 試乗車の撮影車として最適

先日は、フォルクスワーゲン・マルチバンに同僚とフォトグラファーを乗せ、沢山の機材を積んで、グレートブリテン島の西部、ウェールズ地方へ向かった。このクルマらしい使われ方だと思う。

【画像】ご先祖はタイプII VWマルチバン BEVのID.バズ メルセデス・ベンツVクラスとEQVも 全111枚

その後、南東へ下りバンベリーへ移動。山間での撮影を時間に追われながらこなした。最近までクルマから降ろしていた2列目と3列目のシートは戻していたから、スタッフの移動にも活躍してくれた。

シートを装備すると荷室として使える空間は狭まるものの、トノカバーを展開したり、座面下に押し込むことで、貴重な荷物を外から見えなくできる。バッグが広いフロアを滑りまわる心配もない。

この仕事をしていると、試乗車の走行シーンの撮影へ関わることが多い。マルチバンのリアシートは、後ろ向きに回転できる。フォトグラファーは普段通りにシートへ座り、シートベルトを締め、大きなテールゲートを開けば後ろを走る車両へカメラを向けられる。

車内は広いから、それ以外の荷物は別のシートに載せたままで大丈夫。筆者はこんな撮影を数え切れないくらいこなしてきたが、マルチバンほど好適だと感じたクルマは今までなかった。これ以外の仕事にも、きっと活躍するに違いない。

駆動用バッテリーの便利な電力

プラグイン・ハイブリッドであることも、このクルマにとってはメリットが大きい。移動中は駆動用バッテリーの利用を控えつつ、目的地の駐車場ではその電気で車内のエアコンを動かせる。サポート車両としてぴったりだ。

エアコンは強力で、早朝に防寒着を着たまま車内で過ごしていると、暑くて汗ばむほど。キーを抜く度にEVモードへ切り替わるため、都度ハイブリッド・モードへ戻す必要があるのは少々手間だが、極めて有能なワゴンであることは間違いない。

積算2万3480km 実用的な電動スライドドア

フォルクスワーゲン・マルチバンで、グレートブリテン島の西部、エブブ・ベールへ立ち寄った。ここには、復活を目指すスポーツカー・メーカー、TVRの工場がある(あった)ためだ。

約2年前に訪れた時は、間違いなく同社の新工場として活気があった。しかし今回はまったく人影がなく、放棄された状態に見えた。ゲート前の看板には、今後の計画は決まっておらず、新しい拠点も未定だと記されていた。施設は荒れていない様子だったが。

少し寂しい気持ちになっても、マルチバンの車内は広く快適。誰かが飲み残したミルクココアが残っていても、すぐには発見できないほど。

車内に甘い匂いがこもっていても、スライドドアは離れた場所からキーで開閉でき、換気は簡単。電動スライドドアは車重を増やしてしまう装備ながら、家族での利用が前提のミニバンとして高い実用性に繋がっている。

沢山の荷物を運ぶ時は、特に便利。両手に荷物を抱えたまま自宅へ入っても、室内からスライドドアを閉じられる。普段は、手で閉めた方が早いけれど。

商用車とは一線を画す走り味

最近は、大きなマルチバンに1人で乗ることが多い。空間はガランとしていても、快適で心地良い。運転席側には折りたたみ式のアームレストが用意され、ハーマン・カードンのステレオが最高の音質で音楽を楽しませてくれる。

ブルメスター社の技術者は、車内の環境が音質に大きな影響を与えると話していた。2シーター・クーペの車内は、ワンボックスのバンより音環境としては良くないという。

もちろん、本当の高音質で鑑賞するなら自宅のステレオが適しているし、筆者もその方が好きだ。とはいえ、マルチバンの内装素材やスクエアな空間は、音質へプラスに働いているように思う。

T7世代のマルチバンは、乗用車用プラットフォームをベースにしている。乗り心地の印象も乗用車に近く、背もたれが倒れ気味のドライビングポジションも快適だ。しかし、走行中には振動音や共鳴音が小さくない。

リアシートはスライド式で、取り外しも可能だから、避けられないことなのかもしれない。シートのハードウエアの一部が、エンジンの特定の周波数に共振する様子。それでも、商用車とは一線を画す走り味には、感心させられる。

235/55 R17という肉厚なブリヂストン・トゥランザは、しなやかに路面を掴む。長距離ドライブを安楽にこなせる、好ましいタイヤだ。重い荷物を後ろに積むと、揺れが落ち着き余計なノイズが抑えられ、一層快適になる。

セカンドオピニオン

気に入っているトコロ

スライドシート:レバーを1度引くとシートの固定が外れ、レールの上をスライドしたり、向きを回転できる。非常に便利。
ハイビーム:筆者は普段、オートハイビーム機能を頼ることはないが、マルチバンのそれは良く機能する。反応が遅れ、対向車からパッシングされたことはまだない。

気に入らないトコロ

シートヒーター:インフォテインメント・システムが起動するまで、シートヒーターをオンにできない。
デフロスター:フロントガラスのデフロスターは、視線の外にあるタッチセンサーで操作する。走行中は、オンにすることが難しい。

テスト車について

モデル名:フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド 218ps スタイル(T7/英国仕様)
新車価格:5万9545ポンド(約1071万円)
テスト車の価格:6万6619ポンド(約1191万円)

テストの記録

燃費:13.2km/L
故障:なし
出費:なし

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