ニューモデルの開発エピソードや、レースの話題によく登場する名称「ニュルブルクリンク」。そこはいったいどんな場所なのか。知っていそうで実はよくわからない、通称“ニュル”を改めて紹介しよう。
世界一タフなサーキットとも言われる「ニュルブルクリンク北コース」
世界で一番タフなサーキットと言われているのが、ドイツのニュルブルクリンクのノルドシュライフェだ。ニュルブルク(ニュル城)にあるリンク(サーキット)なのでニュルブルクリンクと呼ぶ。
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「ノルドシュライフェ」は北コースという意味で、現在は20.832kmだが、1927年にオープンしたころは22.8kmだった。南コースもあったが1984年に安全性を高めるために改修され、F1も開催できるグランプリコースになった。
有名なニュルブルクリンク24時間耐久レースは、このグランプリコースの一部とノルドシュライフェのフルコースを使って開催される。昔は大規模な草レースだったが、いまや世界の自動車メーカーが凌ぎを削るビッグレースとなっている。
300mもの高低差がある
ニュルブルクリンク ノルドシュライフェがなぜタフなコースなのかというと、高低差が約300mもあること。道路の最大勾配は17%と一般的なサーキットとは別次元のキツさだ。レーシングスピードでその高低差を走り抜けるので、クルマがジャンプするシーンも見られる。レースでGT-Rが宙を舞って事故になったため、2015年には勾配の終わりをなだらかにする工事が行われた。
エスケープゾーンは狭く、横だけでなく縦方向もブラインドとなるコーナーがたくさんあるので、走るにはコースを熟知していないと危険だ。また雨が降るとレコードラインはまるで雪道のように滑りやすくなる。
一般人もレンタカーで走行できる
ウイークデイの昼間の時間帯はインダストリアルプールといって、自動車メーカーやタイヤメーカーなどが走行テストを行っている。それが終わった夕方以降と土日は、一般のドライバーも走行できる。ニュルブルクリンクには、走行するための専用のレンタカー店もあるのだ。
過去には破産した経歴もあるが、その理由はハコモノを作り過ぎた当時の社長による経営の失敗。コース運営だけを見れば立派に成立しているのだ。
クルマ好きであれば一度は行ってみたいと思う、まさに聖地と言える「ニュルブルクリンク ノルドシュライフェ」。遠い存在のようで実は近い、その気になれば行くことができるとお伝えしておきたい。(文:こもだきよし)
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