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母国凱旋ロバンペラ&ラッピがクラッシュ、タナクも戦列去る。勝田は3番手/WRCフィンランド デイ2

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母国凱旋ロバンペラ&ラッピがクラッシュ、タナクも戦列去る。勝田は3番手/WRCフィンランド デイ2

 8月4日(金)、競技2日目を迎えたWRC世界ラリー選手権第9戦『ラリー・フィンランド』はアクシデントが続出。優勝候補がひとり、またひとりと脱落していくなかTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が新しいラリーリーダーとなった。チームメイトの日本人ラリードライバー、勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)も表彰台圏内の総合3番手に順位を上げている。

 北欧のフィンランドはユバスキュラを中心に、2日(木)から開催されているラリー・フィンランド。雨が降ったり止んだりと不安定な天候となった一日は、サービスパークの北東エリアで4本のステージを各2回走行し、前日と同様に20時過ぎからユバスキュラの中心部でスーパーSSの“ハルユ”を再走。SS2~10の計9ステージで争われた。

首位から一転…「非常に不運なクラッシュ」とロバンペラ/2023年WRCフィンランド デイ2後コメント

 この日ラリーの大部分を支配していたのは、地元ユバスキュラ出身の現シリーズチャンピオン、カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)だった。22歳の“フライング・フィン”は、僚友の勝田がステージ優勝を飾ったオープニングステージ“ラウカー1”で3番手タイムを記録すると、総合順位では3番手から首位に浮上する。

 その後、ランカマー、ミヒンパー、ハルトゥーラという伝統的なステージを連続で制していったロバンペラは、各SSで少しずつではあるものの今朝のSS2から2番手タイムを刻み続けるエバンスに対するリードを着実に拡げていく。

 ミッドデイサービスを挟んで迎えた午後の再走ステージでもその勢いは止まらず。SS6“ラウカー2”に続きSS7“ランカマー2”で今大会5度目のステージウインを飾った時点で、その差を5.7秒に。ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)をかわして総合3番手に浮上してきた勝田とのギャップは18.1秒となっており、2日後に待つ勝利の美酒に向けて何もかもが順調に進んでいると思われた。

 しかし、母国の雨が染み込んだグラベル(未舗装路)がチャンピオンの足元をすくった。ロバンペラは首位で迎えたSS8の11.1km地点で車両右側を側溝内の障害物にヒット。その衝撃でクルマは縦方向にロールし、車両の下面が上を向いた状態で停止した。

 幸いロバンペラとコドライバーのヨンネ・ハルットゥネンは無事だったが、GRヤリス・ラリー1はリヤを中心に大破しデイリタイアを余儀なくされた。なお、その後の調べでマシンのダメージがシャシーにまで及んでいることが判明。そのためTGR-WRTはロバンペラ/ハルットゥネン組がリタイアすることになると明らかにしている。

■勝田貴元の今季初表彰台に期待が高まる

 ラリーリーダーの脱落によって首位に立ったのは、前述のとおりトヨタのエバンスだ。しかしSS8を制し総合4番手から2番手に順位を上げたヌービルが2021年のラリー・フィンランドウイナーにチャージをかける。彼は続くSS9でもステージベストを記録し、首位エバンスとのギャップを9.7秒に縮め、さらにSS10ではライバルのタイムを2.8秒上回る全体ベストをマーク。首位との差6.9秒としてデイ2を走破している。

 ヌービルに再逆転を許した勝田も、SS9でこの日2度目の2番手タイムを記録するなど力強い走りでトップ2に食らいつく。SS10を終えた時点での首位とのギャップは16.4秒だ。4番手につけるテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)とは12.4秒差。

 今大会へのスポット参戦によって2020年以来、3年ぶりのWRCドライバー復帰を叶えたヤリ-マティ・ラトバラは、2022年型のトヨタGRヤリス・ラリー1で母国ラリーの走行を楽しんでいる。38歳のフィンランド人は現在総合5番手。その後ろにはWRC2クラス首位につけているヤリ・フッツネンを先頭に、同クラスを戦うサミ・パヤリ、ニコライ・グリアジン、オリバー・ソルベルグのシュコダ・ファビアRSラリー2勢が続く。トップ10最後のスロットにはMスポーツのアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2)が入った。

 総合6番手以下がこのような状況となっている要因は、ロバンペラを含むフィンランド人ドライバー2名のクラッシュと、Mスポーツ勢のリタイアに他ならない。

 ラリー1クラスのリタイア第1号は、前戦エストニアに続き運に見放されているオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)だった。彼のマシンはSS3の走行中に強い衝撃を受け、これによってエンジンが停止してしまう。直後から電気モーターを使用したEVモードで走行を続けたタナクだったが、その後エンジンの損傷が確認されたため、2日目午前のループの段階でラリーからリタイアすることとなった。

 チームメイトのピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)は、同じくSS3の右コーナーでアウト側に膨らみ左リヤを岩のようなものにヒット。足回りを壊してしまいデイリタイアに。母国凱旋のエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)は午前中最後のSS5で、左・右と続くS字コーナーの後半でコースオフし、ステージ脇の立ち木にフロントからクラッシュしてしまった。ラッピは再出走が叶わずリタイアとなっている。

 計3台がリタイア、さらに1台がデイリタイアを喫した競技2日目を終えてWRC第9戦『ラリー・フィンランド』は5日(土)にデイ3を迎える。その競技3日目はSS11~18が予定され合計160.68kmで争われる。これは4日間で最長。リエゾン(ロードセクション)を含めた一日の総走行距離は641.06kmだ。

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