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スパイダーでPHEVのスーパーカー マクラーレン新時代 アルトゥーラMY25発表でオープンモデル追加

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スパイダーでPHEVのスーパーカー マクラーレン新時代 アルトゥーラMY25発表でオープンモデル追加

マクラーレン MY25のアルトゥーラ発表

マクラーレンは、ハイパフォーマンス・ハイブリッド・パワートレインを搭載する初のコンバーチブルである、アルトゥーラ・スパイダーを第2のアルトゥーラ・モデルとして発表した。

【画像】マクラーレン MY25アルトゥーラ/アルトゥーラ・スパイダーとアルトゥーラの写真をみる 全119枚

新型アルトゥーラ・スパイダーは、パワー/パフォーマンス/ドライバーとの一体感が大幅にアップグレードされており、さらに五感を刺激するオープントップ・ドライビングの楽しさが組み合わされた次世代スーパーカーだとマクラーレンは表現している。

アルトゥーラのパフォーマンスをさらに引き上げるため、スパイダーのために考案された最新のアップグレードは、クーペへも同様に組み込まれ、新モデルとして同時に導入される。

新型スパイダーと新型クーペは、いずれも最高レベルのダイナミクス・パフォーマンスを誇り、卓越したサーキット走行性能まで備えるという。それだけでなく、日常的なドライビングの必須要件も満たし、都市環境で非常に役立つほぼ無音のEV走行も可能だ。

新型アルトゥーラ・スパイダーと新型アルトゥーラ・クーペは、いずれも2025年モデル(「MY25」)に指定されており、注文を受付中だ。

MY25アルトゥーラのホイールは、新しい15本スポークのシルバー仕上げが標準仕様で、新たにゴールドの「オールム」仕上げが加わり「ダイナモ」と「スター」の両デザインで選択可能となったことに加え「スター」のデザインはすべての仕上げ方法で選択可能になった。

オプションのホイールには、キャリバー・10スポーク・スーパーライトウェイトが加わり、これはシルバー/ダークステルス/グロスブラックから仕上げ方法を選ぶことができる。すべてのホイールは、オプションでチタン製ホイールボルトを指定でき、それによりバネ下重量を約0.4kg削減できる。

新型スパイダーでは、アルトゥーラに初めて採用されたカラーも含めエクステリア・カラーの選択肢が拡大し、標準の5色に加えて「エリート」の20色が用意され、さらに18色のMSOカラーからも選ぶことが可能となった。

マクラーレン・オートモーティブCEO、マイケル・ライターズ

「新しいアルトゥーラは、まさに完全なる次世代スーパーカーです。パワートレインとシャシー・システムをアップグレードしており、パワーとパフォーマンスの向上、さらに高いレベルでのドライバーとの一体感を実現しました。同時に、日常的なドライビングについても一切妥協していません。今回は、アルトゥーラ・クーペと並びアルトゥーラ・スパイダーも誕生しました。特にこの新型コンバーチブルは、オープンエアでの高揚感を新たな次元にまで高めたニューモデルなのです」と語っている。

多彩なドライビング・モード

新型アルトゥーラ・スパイダーは、すべてにおいて野心的な目標を達成するために設計/開発された。とくに重点を置いたのが、ドライバーとの一体感/パフォーマンス/アジリティ/洗練性/効率性/上質さだという。

さらには、わずか11秒で開閉する電動式リトラクタブル・ハードトップによって、コンバーチブルならではのエクスペリエンスを満喫でき、再設計されたエグゾーストシステムも含めスーパーカーの刺激的な高揚感を味わえるという魅力が加わっている。

Eモード/コンフォート/スポーツ/トラックという4つの多彩なドライビング・モードが、それぞれ新型アルトゥーラ・スパイダーのポテンシャルを発揮する。

マクラーレン・オートモーティブ APAC・中国担当 マネージング・ディレクター ポール・ハリス

「新しいアルトゥーラ・スパイダーは、マクラーレンの先駆的なエンジニアリングの粋を結集させ、これまでで最も魅力的なハイパフォーマンス・ハイブリッドとして誕生しました。

コッツウォルズのなだらかな丘陵地帯をクルージングするときも、ビクトリア州のグレート・オーシャン・ロードのカーブを駆け抜けるときも、ひとたびアルトゥーラ・スパイダーのルーフをオープンにすれば、ドライバーとパッセンジャーの双方にとってエキサイティングなオープンエアの環境とダイレクトにつながる刺激がドライビングエンゲージメントを高め、まさに最高の体験となるでしょう。

またアルトゥーラ・スパイダーのEモードによる、まるでステルスのような静寂は、市街地を楽しむ際には、心強いパートナーとなるはずです。もちろんサーキットでは妥協することのない、純粋なスーパーカーのパフォーマンスと圧倒的な爽快感をご提供します」

超軽量、信じられないほどの走り

新型アルトゥーラ・スパイダーは、最軽量の乾燥重量が1457kg、DIN車両重量が1560kgで、アルトゥーラ・クーペからの重量増加は62kgに留まる。そのため、新型スパイダーはコンバーチブルの競合モデルに大差をつけて最軽量で、そのアドバンテージは最大83kgにも及ぶとしている。

さらに重要なのは、ハイパフォーマンス・ハイブリッド・パワートレインの最高出力700psと組み合わせると、最軽量の乾燥重量におけるパワーウェイトレシオが480ps/tに達する点です。そのためアルトゥーラ・スパイダーは、スーパーカーが誇るハイパフォーマンスのあらゆる側面を最適化する完璧な条件が整っているといえるとマクラーレンは語る。

エンジンをミッドマウントする後輪駆動というシャシー・レイアウトを最大限に生かしたこともそのひとつとなっている。

アルトゥーラのコアは、マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)という安全なプラットフォームで構成されるため、固定ルーフを排除しても剛性がまったく損なわれず、スパイダーとクーペの重量差62kgの大半は、電動式リトラクタブル・ハードトップ(RHT)の作動メカニズムによるものだという。

MCLAには、コアを成すカーボン・ファイバー製モノコックだけでなく、アルミニウム製の衝突吸収ストラクチャーと、ハイブリッド・パワートレインを搭載するリア・ストラクチャーも組み込まれており、またMCLAには革新的なイーサネット・エレクトリカル・アーキテクチャーも組み込まれており、これによってケーブルが25%減少し、その分の重量が削減された。

エレクトリカル・アーキテクチャーは、新型スパイダーの開発過程で最適化が進み、データ容量と転送速度が増加した。

サウンドとパフォーマンスの力強いクレッシェンド

マクラーレンのハイパフォーマンス・ハイブリッド・パワートレインはキャリブレーションが変更された。

MY25アルトゥーラではV6内燃エンジンの最高出力が20ps向上して、総最高出力は700psに高まった。増大した出力は4000rpmからレッドラインの8500rpmの間に集中しており、パフォーマンスに明らかな「クレッシェンド」をもたらしたという。

最大トルクは強大な73.42kg-mで変わらないが、トルクデリバリーは電子的なマッピングをわずかに変更して最適化されたという。ドライサンプ式、アルミニウム製3L M630型ガソリンエンジンは、今や比出力が200ps/Lを超え、極めてコンパクトかつ軽量だ。同時に重量160kgとマクラーレンV8より50kg軽く、大幅に短くなってパッケージングの効率性が高まっている。

こうしたサイズが実現したのは、バンク角を120°としたため、これは低重心化にも貢献している。この設計によって、排気システムでの圧力ロスが低減されると共に、高強度クランクシャフトの採用や、8500rpmというレブリミットが可能となった。加えてV6エンジンの吹け上がりの鋭さは、ツイン・ターボチャージャーを「ホットV」に配置したことで実現した。この配置によってターボチャージャーの回転上昇が速まり、スロットル・レスポンスが向上している。

エンジンサウンドも強化された。バルブを改良した排気システムに、調整を施したレゾネーターを組み込み、テールパイプを上向きの円錐形とすることで、中~高回転域のエンジンノートがさらに洗練されているという。その結果「よりクリーン」なサウンドが乗員を包み込むとマクラーレンは表現する。

オプションにはスポーツ・エグゾースト・システムもあり、全体に強化されたさらにクリーンな音色を提供する。また、テールパイプからキャビンへ本物のサウンドを送り込むエグゾースト・シンポーザーによって、ドライバーとの一体感がいっそう強まっているという。

アルトゥーラのV6が誇るレスポンスとパワーを補うのが、極めてコンパクトなアキシャル・フラックス型Eモーターだ。Eモーターはトランスミッションのベルハウジング内に位置し、最高出力95ps/最大トルク22.94kg-mを発生。1kgあたりの出力密度は、アイコニックなハイパーカーであるマクラーレンはP1のシステムを33%も上回る。

Eモーターに電力を供給するバッテリーパックは、5個のリチウムイオン・モジュールで構成され、実効容量は7.4kWhで、EV航続距離は33kmに伸びた。バッテリーは冷却レールを使った冷媒冷却方式であり、バッテリー電力を車両後方からフロントの補機類に伝送する配電ユニットも含めたアッセンブリーは、構造の一部を成すカーボン・ファイバー製フロアにマウントされることでアッセンブリーをモノコックのリア底部にボルト付けし、剛性や重量配分、衝突保護性能を最適化している。

こうして、アルトゥーラのコンパクトなハイブリッド・コンポーネントは、88kgのバッテリーパックと15.4kgのEモーターを含め、総重量130kgとなった。これも、スパイダーが誇るクラス最軽量の車重に貢献しているという。

Eモーターによる瞬時のトルクデリバリーとツインターボV6エンジンが発生する605psのパワーによって、同一ギアでも複数のギアでも同様に、極めて鋭いスロットル・レスポンスと加速が実現している。

アルトゥーラ・スパイダーの公式な加速時間は、0-100km/hが3.0秒、0-200km/hが8.4秒、0-300km/hが21.6秒。330km/hに制限された最高速に至るまで、いかにハイレベルなスーパーカー・パフォーマンスが秘められているかをよく示していると彼らは述べた。

サーキットでのパフォーマンスを最適化するローンチコントロール・システムに加え、新たな「スピニング・ホイール・プルアウェイ」(ホイールスピンさせる発進)機能も標準で装備し、この機能はドライバー・ビナクルのESCボタンを押してエレクトロニック・スタビリティコントロールを解除することで作動し、静止状態からスロットルを大きく踏み込んだ際にドラマチックなホイールスピンを許容すると付け加えた。

新たなダイナミクスとタイヤ

MY25アルトゥーラでは、新たなパワートレイン・マウントが開発され、ダイナミクス特性に明らかなメリットをもたらした。

新マウントは、パワートレインのシャシー内制御を向上するように調整されており、とくに荷重がかかった際にパワートレインの動きが制限されるため、安定性やステアリング・フィール、車両全体のアジリティが向上し、いっそう精密でドライバーが強い一体感を味わえる走りを実現するという。

こうしたダイナミクス上のメリットに加えて、新マウントによって剛性も高まり、結果ドライバーは、自身が経験している全体的な一体感にパワートレインが重要な役割を果たしていることをより強く実感でき、一貫してドラマチックな感動が上乗せされると述べた。

アルトゥーラのリア・サスペンションは、上部のアッパー・ウィッシュボーンと、2本のロワーリンク、ホイールセンター前方のタイロッドが組み合わされている。これによって車両安定性と正確性が最大化され、アンダーステアが低減された。

このリア・サスペンションと組み合わされているのが、オフィシャル・インテリジェント・サスペンション・パートナーのモンローが提供する、専用バージョンのマクラーレン・プロアクティブ・ダンピング・コントロールシステムで、これも比類ない乗り心地とハンドリング特性を支えている。

新型MY25アルトゥーラでは、乗り心地とハンドリングが見直され、ダンパーバルブの改良によって応答性が高まった。イーサネット・アーキテクチャーのドメイン・コントロール・ユニット(DCU)の性能も強化された。これにより減衰とハンドリングの反応をサポートし、その速度が最大で90%高まったため、ドライバー・インプットや路面変化へのレスポンスが向上している。

ハンドリング・モードは3種類あり、作動させるとダンパー調整によってボディ制御のレベルが高まる。「コンフォート」はデフォルトのモードで「スポーツ」と「トラック」はサポートが強まるセッティングである。各モードは、インストゥルメント・ビナクル上部にある2個のロッカースイッチのひとつで選択が可能となる。

エレクトロニック・スタビリティコントロール(ESC)の介入の程度も調整可能で、ドライバーの好みや天候、路面コンディションに合わせられる。操作はハンドリング・モード・コントロールにあるボタンで行い、選択可能なセッティングをすべてオンにするか、ESC DYNで自由な範囲を広げ、バリアブル・ドリフト・コントロールを選択可能にするか、オフにして電子制御の介入を排除するかを選ぶことができる。

もうひとつ、ダイナミクスの正確性を強化しているのがピレリのサイバータイヤテクノロジーだという。サイバータイヤは、アルトゥーラの電子制御システムと統合されたハードウェアとソフトウェアで構成される。

各タイヤ内部の電子センサーがリアルタイムでデータを生成するため、タイヤの空気圧のリミットをドライバーが調整でき、装着したタイヤのポテンシャルをフルに引き出すことができ、またタイヤウォール内部のノイズ吸収材が振動とノイズを低減するピレリ・ノイズキャンセリングシステム(PNCS)も装備する。

標準仕様で装着するPゼロタイヤは、左右非対称のトレッドパターンを備え、これがブレーキングを向上させるほか、とくにウェットでのパフォーマンスを重点に、幅広い路面コンディションでハンドリングと制御性を強化する。

オプションのPゼロ・コルサは、公道とサーキットの両方で使用できる設計であり、レースタイプのコンパウンドとユニークなトレッドパターンによって、より高いグリップレベルを誇り、ブレーキングとトラクションも向上する。更にはPゼロ・ウィンタータイヤも選択可能だ。

ブレーキとミッション

ブレーキのパフォーマンス

MY25アルトゥーラは、カーボン・セラミック・ディスクと、強化された軽量アルミニウム製キャリパー、新たなブレーキ冷却ダクトを擁す。

このブレーキ・システムは、リア・アクスルのキネマティクス/改良されたエンジン/速まった減衰反応と連携して働き、高速走行時の制動力と安定性をいっそう高めると共に、サーキット走行でのディスクとパッドの寿命も伸ばすという。ABSのキャリブレーションが変更され、スパイダーと新型クーペは100km/hから静止するまでの制動距離が31m、200km/hからの制動距離は短縮されて124mを記録した。

先進的な8速トランスミッション

アルトゥーラのハイパフォーマンス・ハイブリッド・パワートレインのため特別に設計されたもので、Eモーターを内蔵しながら非常にコンパクトである。マクラーレンのV8モデルに搭載する7速トランスミッションより1速多いにもかかわらず、2個のクラッチを並べるのではなく入れ子構造としたことで、ギアクラスターの全長が40mm短縮されている。

MY25アルトゥーラでは、ギアボックスのキャリブレーションも変更された。クロスレシオの8速ギアボックスは、さらに速いギアチェンジを可能とするプレフィル機能が新たに備わり、変速スピードが25%高まったと発表している。

これは、ギアボックス内部の油圧の圧力を変速に必要な閾値(いわゆる「キスポイント」)まで高めておき、ドライバーがギアを選択した(あるいは自動で変速する必要が生じた)際に最短で変速されるようにすることで可能となったという。

リアタイヤへパワーを伝達するのは、軽量・コンパクトな電子制御式ディファレンシャル(Eデフ)だ。Eデフはトランスミッション内部に位置し、ディファレンシャルのプリロードを変動させて、安定性とアジリティを最適化する。

アルトゥーラ 4つのパワートレイン・モード

コンフォート/スポーツ/トラック/電力のみを使う排出量ゼロのEモード。

コンフォート・モードEV走行とハイブリッド走行を組み合わせ、ストップ&スタートの使用を拡大し、低速では内燃エンジンを停止して、スピードや加速が求められると再稼働させる。

スポーツおよびトラック・モード電力をよりアグレッシブに利用して、低回転域のレスポンスと加速を補い(「トルク・インフィル」)より鋭く反応する変速ストラテジーを使用する。

トラック・モード高電圧バッテリーの充電速度が最大になる。

Eモードデフォルトの「スタート」モードで、これがさらに洗練されたことで、排出量ゼロの航続距離が伸びた。

MY25アルトゥーラでは、Eモードからコンフォート、あるいはスポーツ、トラックへのモード変更の過程が改善された。内燃エンジンを稼動させる前に触媒コンバーターを温めて排出量を減らすエンジン・コンディショニングの過程が、ドライバーの利便性を優先した再キャリブレーションによって、始動後最初に選択した際に最大90%速まっていると述べている。

魅惑的なシルエット

新型スパイダーは、リトラクタブル・ハードトップ(RHT)の導入とそれによる変更にもかかわらず、ひと目でアルトゥーラだと分かる視覚的デザインとアーキテクチャーだ。

「シュリンクラップド」を思わせるボディワークの造形/トレードマークの「ハンマーヘッド」ノーズ/フロント・フェンダーと一体化したルーバー/ヘッドライトのエア・インテークなど、すべて見覚えがあると同時に目を引く特徴であるとマクラーレンは述べる。

ディヘドラル・ドアも同様で、狭い駐車スペースでも乗り降りしやすいよう、ボディに沿って開く。とはいえコンバーチブルである新型スパイダーのビジュアルには、疑問の余地なくスーパーカーであると分かる完全に独自の個性があるとマクラーレンは強調した。

その中心となるのがRHTシステムであり、まったく新しいバットレスには、ロールオーバー構造が組み込まれている。ガラス張りの部分もあり、後方視野を向上させると共に、エンジンベイ周辺へ気流を導く役割も同時に果たすという。

両バットレスの間に位置するヒーターガラスのリア・スクリーンは、ボタンひとつで昇降するので、ルーフ開放時に快適性を最適化することも、ルーフ閉鎖時にエグゾースト・サウンドをキャビンに響かせてドライバーとの一体感を高めることもできる。

「ホットV」からのチムニーを含むパワートレインの冷却ベントは、クーペに比べて後方に位置しており、これは、RHTメカニズムとトノカバーを収めるためである。ルーフを開閉する際に持ち上がって位置を変えるトノカバーは、軽量なカーボン・コンポジット製ストラクチャーを持ち、希望があれば追加料金でグロス・カーボン・ファイバー仕上げにも変更が可能だ。

リトラクタブル・ハードトップ自体は、カーボン・ファイバー・コンポジットの1枚パネルだが、代わりにエレクトロクロミック・ガラスパネルも選択可能となる。その場合、ボタンひとつでキャビンを明るくすることも、日光を最大99%さえぎることもできる。

マクラーレンは、アルトゥーラ・スパイダーのエレクトロクロミック・ガラスに先進的な懸濁粒子デバイス(SPD)技術を採用し、最も暗くした際にキャビンへの熱伝導がさらに抑えられ、太陽のエネルギーを96%以上さえぎるので、車内は最大限涼しい状態に保たれるとしている。

RHTシステムは、8個のモーターを使ってほとんど無音で作動する。2個のモーターがルーフパネルを折り畳み、2個がリア・トノカバーを昇降、2個がトノー・バットレス先端のエアロカバーを制御。さらに1個がリア・ウィンドウの昇降を、残る1個がRHTのラッチ機構を担うという。ルーフの開閉は、キャビン内の頭上にあるコントロール・パネルに加え、静止中なら車両のキーでも操作できるため、車外にいても開閉が可能となった。

新型アルトゥーラ・スパイダーでは、パワートレイン冷却のための空気熱冷却システムが新たにデビューしている。これには、RHTのパッケージングを可能とし、乗員に当たる風を低減する効果もあり、新たな空気熱コンセプトは、4つに分割されたダクトシステムを利用する。

クーペとの違いは、2個のリア・デッキ吸気口がある点で、熱間プレス成形の一体型リア・アッパーボディの外寄りに位置するこのシステムは、パワートレイン冷却用の両吸気口と、RHTの格納エリア、高温の空気の排出口で構成される。

これらの間に、パワートレインからのチムニーと、気流マネージメント用の吸排気口があり、アルトゥーラ・スパイダーのバットレスは、モータースポーツで使用される透明のポリカーボネートが使われており、クーペより彫り込まれたビジュアルだ。これは、トノカバーに隠れたダクトへ冷たい空気を導くためである。

加えて、ルーフの形状も、位置が変更されたチムニーへ空気を導くよう設計されており、パワートレインからの熱い空気の流れを加速させる。さらにはウィンドスクリーン・サラウンドにまで手が加えられ、小型のガーニーフラップが組み込まれた。これは、ルーフを格納した際に車内の風を低減するよう精巧に造形され、この軽量な空力ソリューションは、アルトゥーラ・スパイダーに注がれた徹底的な細部へのこだわりを象徴しているとマクラーレンは語った。

キャビンは、クーペと同じ機能的なドライバー中心のデザインを受け継いでおり、内張りは、ドライバーの好みでパフォーマンス中心かラグジュアリー中心の素材から選ぶことが可能だ。ステアリング・ホイールは「クリーン」で、ボタンやスイッチが一切存在しない。あるのは造形されたシフトパドルだけで、ステアリングと一緒に動くため、人間工学的にドライバーにとって最適だ。

ドライバー・ディスプレイのビナクルは、前後と傾きを調整する際にコラムと一緒に動くので、すべての走行情報が常にドライバーの目線の先に表示され、また、ハンドリングとパワートレインのモードを選択するスイッチもここに配置されているため、EV走行とハイブリッド走行の簡単な切り替えなど、ステアリング・ホイールから手を離すことなく変更が可能となる。

ビナクルのディスプレイに表示する内容は、主要な情報に絞り込んで、ドライバーの注意を削ぐ要素を最小限にしている。さらに、不必要な内容を隠して注意散漫を抑え、前方の道路に完全に集中するよう促すステルスモードも存在する。

ほとんどの市場で、革新的なマクラーレン・クラブスポーツ・シートを標準で装備する。クラブスポーツ・シートは、楕円の弧を描いて調整され、背もたれが動くシートと同様の可動範囲に加えて、バケットシートの軽量さとサポート力も兼ね備えるため、公道とサーキットのどちらにも最適だという。

これには、調整可能なランバーサポートも追加可能で、もっと伝統的な形状でアルトゥーラにふさわしいスポーティーなシートを望む顧客は、メモリー機能とヒーターを備えた電動調整式の快適なシートを選択することも当然可能である。

アルトゥーラのパーソナライズ

アルトゥーラのインフォテインメントおよびインターネット接続システム(MIS II)は、2個の高解像度スクリーンを活用する。MIS IIは、スマートフォン並みの応答性を誇り、スマートフォンのミラーリングも可能だ。

また、対応するモバイルデバイスで使えるワイヤレス充電器がオプションに加わり。これは接触面がソフトで、携帯電話を縦向きに直立させるユニークなホルダーと一体型となる。MIS IIには、バリアブル・ドリフト・コントロールを含め、おなじみのマクラーレンのアプリも搭載されている。

またMIS IIではドライバーを支援するいくつものADASが利用できる。レーン・デパーチャー・ウォーニング (ビナクルのスイッチで設定) とロードサイン・レコグニションは、全アルトゥーラに標準装備となった。

オプションとして、切り替え可能なフォローモード付きインテリジェント・アダプティブ・クルーズコントロール/オート・ハイビーム・アシスト/ブラインドスポット・モニタリング/リア・クロス・トラフィック・ディテクションが用意される。

また、アルトゥーラはキーに低消費電力Bluetoothを備え、ドライバーが車両に近づいてくるのを検知すると、システムの電源を入れて乗員を出迎えるという。そのひとつがドアに装備された「点灯するまで見えない」アンビエント照明で、これがパドルランプの役割も果たす。

MY25アルトゥーラでは、オプションのラインアップとオプションパックも変更された。これには、エクステリアとインテリアのカーボン・ファイバー製コンポーネントや、より素早い新車両リフトシステムも含まる。シルバーのバッジはノンコストのオプションへと変更された。

新たな標準仕様はステルスバッジで、前後のバッジのほか、ホイールのセンターキャップに付いたマクラーレン・スピードマークもブラックだ。

また5スピーカーのマクラーレン・オーディオシステムが標準で装備される。アルトゥーラで高い評価を得たバウワース&ウィルキンスの12スピーカー・サラウンド・オーディオシステムも選択可能だが、これはテクノロジー・パックのみの仕様となる。

このシステムでは、バウワース&ウィルキンスのコンティニュアム・ミッドレンジ・スピーカーを採用し、声や楽器の音を正確に再現してキャビン全体に響かるという。加えてノーチラス・アルミニウム・ダブルドーム・トゥイーターによって、いっそうクリアな高音を楽しめる。さらにアルトゥーラ・スパイダーでは、コンバーチブル特有の音響条件に対して最適化するため、リア・センター・スピーカーが追加されている。

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