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【電動車レポート】プジョーのBEV「e-208」はDS3 Eテンスと兄弟関係・・・でも少し違う。電動車の個性を探すレポートを開始【第1回】

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【電動車レポート】プジョーのBEV「e-208」はDS3 Eテンスと兄弟関係・・・でも少し違う。電動車の個性を探すレポートを開始【第1回】

電気自動車(BEV)DS3クロスバック Eテンスを1年ほど長期レポートしてきたが、そのなかで気になったのは、電動車の個性はどこにあるのかということ。ここからは少し嗜好を変えていくつかのモデルをレポートしていきたい。今回はプジョー e-208GTだ。(第1回/Motor Magazine 2023年3月号より)

2022年に大幅増殖した電動車モデルのラインナップ
これまでの長期レポートでは、1年ほどの期間でひとつのクルマの使い勝手や個性を探ってきたが、今回からコンセプトを少し変更。従来よりも1モデルあたりの期間を短縮して、数多くの電動化モデルの特徴をレポートしていきたい。第1回はプジョーの電気自動車で、2022年4月に仕様変更が行われたe-208 GTだ。

長期レポート初の電気自動車を導入。DS3クロスバック Eテンスが来る前に担当者が準備していたこと【第1回】

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エクステリアデザインやインテリアを構成する素材、加速やハンドル応答性など、クルマの個性を推し量る要素はさまざまあるが、その中でも搭載されるエンジンが発生するパワーや音などは多くのファンを魅了してきた。中でも名エンジンと呼ばれる個性豊かなユニットはいくつもあり、これを搭載したモデルの人気は電動化の進む現代においても高い。

翻ってモーターを駆動装置として採用するBEV(電気自動車)や、搭載するエンジンの駆動装置としての存在感が小さくなっているHEV(ハイブリッド車)など、電動車においては従来の音や振動による個性は薄くなってしまいがち。では、こうした電動車たちの個性とはどんなところにあるのだろうか。前回、長期レポート車として初めてのBEVであるDS3クロスバック Eテンスを担当しているときから、こんな疑問を思い浮かべていたりもした。

そこで今回からの長期レポートでは、多国籍の自動車ブランドをまとめるステランティスにフォーカス。シトロエンやフィアット、ジープなど、日本市場で展開される8つのブランドの中から、ラインナップされている電動車たちそれぞれの個性を探っていこう、というのがこのレポートの趣旨だ。

では最近登場した電動車にどんなモデルがあるのか・・・。HEVでいえばシトロエン C5Xやジープ ラングラー、DS4やDS9のPHEV、また発表されたばかりアルファロメオ トナーレにも追加されることが公表されている。BEVにおいてもシトロエン E-C4やフィアット 500eなどに加え、今後DS3 Eテンスの大幅改良モデルやジープのコンパクトSUVアベンジャーの発表も控えている。羅列してみただけだが、個性的な面々が揃っているようにも感じられる。

そうした電動車の中から、長期レポートのトップバッターとして登場願ったのが、プジョーのコンパクトモデルe-208である。

塊感ある外観とスポーツ志向の内装が、「走りに行こう」と誘ってくるよう
2020年7月に、1.2L直3ターボを搭載する「208」とともに登場したBEVで、フロントシートとリアシートの下に合計50kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載する。デビュー当初、一満充電での航続可能距離はWLTCモードで380kmとされていたのだが、2022年4月には車室内の空調や7.4kWh車載充電器の冷却などを行うヒートポンプの効率化、またギア比を変更することで395kmまで延ばす仕様変更を受けている。

この進化を「わずか15kmの差」と捉えることもできるが、登場からわずか2年も経たないうちに仕様変更で性能を向上させてきた事実は、まだまだ電動化技術の進歩や効率化に伸びしろがあり、大きな可能性を秘めていることを示唆しているのではないか。・・・という考えは期待しすぎだろうか。

いずれにしても、e-208をはじめとするBセグメントのBEVにおいては、大きくて重い大容量のバッテリーを搭載するのではなく、普通充電でもひと晩で充電を完了する程度のちょうどいいサイズのバッテリーを採用することで環境性能を高める、というのがプジョーによる電動化戦略なのだ。

DS3クロスバック Eテンスとは兄弟・・・でも関係性は少し違う
e-208はアリュールとGTの2グレード編成で、長期レポート車として導入したのは装備をより充実させた後者だ。両者を比較すると外観での違いは少なく、アルミホイールが1サイズ大きな17インチになっていること、ブラックルーフによる2トーンボディカラーを採用することくらい。

外装以上に差があるのは内装の装備で、中でもアルカンターラ素材のシートはコーナリングでも滑りにくく「GT」のスポーツ性を強調する大きな要素となっている。もうひとつ、寒い季節に嬉しかった装備がフロントシートヒーターだ。エンジン搭載車と違って、BEVの暖房は効き始めるまでに少し時間を要するため、オプション設定されているなら選択することをおすすめしたい装備である。

ちなみに、お察しの読者もいるかもしれないが、2023年1月号まで約1年間長期レポートしてきたDS3 Eテンスとe-208は、同じプラットフォームを採用して開発された兄弟モデルにあたる。ただし、その個性は大きく違って、どちらかといえば「いとこ」と表現したほうがしっくりくる。こうしたクルマの個性については次回にまとめていこうと思う。

第1回/2023年1月6日~1月23日(1カ月目)のデータ
・オドメーター:3188km
・当月の走行距離:1273km
・充電量:約226.5kWh(充電メーター換算値)
・電費:約5.62km/kWh
・充電回数:11回(内、200V普通充電を7回/急速充電を4回)

プジョー e-208 GT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4095×1745×1465mm
●ホイールベース:2540mm
●車両重量:1500kg
●モーター:交流同期電動機 ZK01型
●最高出力:100kW(136ps)/5500rpm
●最大トルク:260Nm/300-3674rpm
●バッテリー総電力量:50kWh
●WLTCモード航続距離:395km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:205/45R17
●車両価格:512万4000円(2023年5月現在)

[ アルバム : 長期レポートプジョー e-208 GT/1回目 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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