現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > アナログな513psのスーパーカー ノーブルM500へ試乗 スペースフレームに6速MT 前編

ここから本文です

アナログな513psのスーパーカー ノーブルM500へ試乗 スペースフレームに6速MT 前編

掲載
アナログな513psのスーパーカー ノーブルM500へ試乗 スペースフレームに6速MT 前編

M600を少量生産してきたノーブル

英国のノーブルは活気づくだろうか。グレートブリテン島の中部、レスターシャー州に拠点を置く小さなスーパーカー・メーカーは、これまで一度もその息を止めたことはない。

【画像】シンプルでアナログ ノーブルM500 先代のM600 競合のミドシップ・モデルと比較 全122枚

たくさんの話題を集め、少なくない購入希望者が出現したものの、生産工場の扉は閉ざされたまま量産車が現れないTVRとは違う。こちらの動向も気がかりではあるが。

一方のノーブルは、M600という名のミドシップ・スーパーカーを、2010年から少量生産し続けてきた。希望すれば、ガレージへ迎え入れることは可能だった。話題にのぼりにくいのは、単に購入を考える人が少なかったというだけだろう。

M600は素晴らしいドライビング体験を与えてくれるモデルなだけに、筆者は少々残念な事実だと思う。当初からヤマハとボルボ、ジャッドが共同開発した4.4L V8ツインターボエンジンを搭載し、659psというハイパワーを誇っていたのだ。

ただし、トランスミッションは乗り手を選ぶ6速マニュアル。乗りやすくするアンチロックブレーキも搭載されておらず、少々時代遅れ感がなかったわけではない。それでも、魅力を欠いていたわけではなかった。

フォードの3.5L V6から513ps+6速MT

最新のフェラーリは素晴らしい。だが、エンジンは電子制御されるハイブリッドで、トランスミッションも電子制御のオートマティック。リミテッドスリップ・デフやトラクションコントロールなども、見えないところでクルマを操っている。

ロータス・エキシージの生産が終了し、嘆いているのは一部のシリアスなドライバーだけかもしれないが、市場が消滅したわけではない。比較的シンプルな新しいエミーラの好調な売れ行きが、それを証明している。

ノーブルが発表した新しいM500の属する市場は、従来どおり大きなものではないだろう。だが、今まで以上に門戸は広い。M600より最高出力は劣るものの、能力は引き出しやすい。

今回ノーブルが選んだパワーユニットは、フォードのエコブースト。3.5L V型6気筒から513psを引き出すのは、難しい仕事ではないらしい。V8エンジンを輸入し、多くのチューニングを加える必要がないため、製造コストも落とせる。

組み合わされるトランスミッションは、イタリアのグラツィアーノ社が供給する6速マニュアル。アウディR8も搭載していたものだという。

もちろんミドシップのリアドライブで、試乗車にはオープンデフが組まれていた。希望すれば、機械式のリミテッドスリップ・デフを搭載できる。

アンチロック機構はM500にも採用されなかったが、恐ろしく重かったM600よりブレーキペダルは軽くなり、アシスト量も大きい。パワーステアリングとトラクションコントロールは付く。

目立った装備はこの程度。残りは操るドライバーへ任される。

スチール製スペースフレームで目標1200kg台

M500の骨格をなすのは、M600に似たスチール製スペースフレーム。同社の責任者によれば70%はM600と共通しているらしいが、乗降性を良くするためサイドシルの位置は低められ、安定性を高めるためトレッドは広げられている。

ボディパネルはカーボンファイバーではなく、重量が増えるものの安価なグラスファイバーが選ばれた。フロントのボンネットを開くと、意外と大きい荷室が用意されている。

コクピットのシートは2脚。メーターはモニター式で、エアコンとバックカメラも備わる。これだけあれば充分だろう。

筆者が運転できたM500はプロトタイプで、金型の仕上がりが完璧ではなく、ボディは量産版より重いらしい。それでも、パネルのフィット感や表面の仕上がりに気になる点はなかった。

ノーブルの技術者は開発を進めている途中で、車重は確定していないという。試乗車は約1400kgあるということだったが、1200kg台に留めたいと考えているそうだ。

ちなみに4.4L V8エンジンを積んだM600は、AUTOCARで計測したところ、ガソリンを満タンにしても1305kgしかなかった。恐らく実現は可能だろう。

インテリアはアルカンターラで隅々まで覆われている。包まれるように落ち着いた空間が好ましい。

小ぶりなステアリングホイールは、ドライバーの正面で真円。3枚のペダルは若干左側に寄っているが、丁度良い間隔で並んでいる。サーボが強化され、M600より軽いといっても、ブレーキペダルはまだ重い。

この続きは後編にて。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
AUTOSPORT web
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
くるまのニュース
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
AUTOSPORT web
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
AUTOCAR JAPAN
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
Auto Messe Web
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

990.01760.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

638.01268.0万円

中古車を検索
エキシージの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

990.01760.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

638.01268.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村