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商用車ベースの広い積載スペースと使い勝手のよさが魅力のホンダの軽バン「N-VAN」

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商用車ベースの広い積載スペースと使い勝手のよさが魅力のホンダの軽バン「N-VAN」

■石川真禧照のK-CAR徹底解剖

 ホンダがホンダらしい軽自動車を造る、という命題をあげて「Nシリーズ」を開発、発売したのは2011年の「N-BOX」からだった。燃料タンクを前席の下に収める独特構造のセンタータンクレイアウトの採用で、室内の低床化を実現した。

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「N-VAN」は2018年7月にデビューした「Nシリーズ」のニューフェイス。「N-BOX」のプラットフォームを活用しながら、軽バンに求められる広い積載スペースと積載作業の効率化を追求したことで、荷室の低床化で、室内高は1365mmを確保、さらに助手席にもスライドダウン機能を加えている。最大の特徴は、助手席ドアと左側の後席用スライドドアの間のBピラーをなくしたことが挙げられる。これは軽バンでは初めての採用だった。

商用車由来の使い勝手のよさ

 こうした使い勝手の良い室内は、商用車としての人気も高かったが、同時に、キャンピングやアウトドア派のユーザーの目にもとまった。商用車ということで、ナンバーは4ナンバー、税金も5ナンバーよりも安いことも魅力だった。メーカーもそのニーズに気づいたことで、2021年2月のマイナーチェンジでは、こうしたホビーユーザー向けの手直しを行なっている。



 グレード展開は、発売当初のG/L/+STYLE FUN(プラススタイルファン)に先進安全運転支援システム「HONDA SENSING」を標準装備とし、+STYLE FUNには新たに、明るい色調のボディカラー2色を加えている。パワーユニットは直列3気筒DOHC、0.66ℓで、+STYLE FUNのみターボが用意されている。ターボは64PS、104Nm。自然給気は53PS、64Nm。ターボの性能は「N-WGN」と同じだが、自然給気は5PS、1Nmだけ低い数値となっている。

さらに前輪駆動と4輪駆動が全モデルに設定されている以外に「N-VAN」としては、ターボ以外に6速MTも用意されている。この6速は、スポーツカーの「S660」用のミッションを改良して搭載している。もちろん、このクラスのハイト系ワゴン・バンに、マニュアルミッションが搭載されているのは、ホンダだけだ。



 試乗したのは+STYLE FUNターボのFF・CVTモデル。インパネシフトのミッションはP/R/N/D/Lの5ポジション。パドルシフトは装着されていない。メーターパネルも正面に140km/hまでのスピードメーター、その左に棒グラフ的な8000回転までのエンジン回転計(レッドゾーンは7000回転から)がレイアウトされているだけ。あとはECOボタンが備わっている。

スーパーハイトワゴンとしてはトップレベルの加速性能

 Dレンジでスタートし、加速する。3気筒ターボは2500回転あたりから、レスポンスがよくなってくる。街中の巡航で60km/hはDレンジで2000回転。高速道路に入り、80km/hは2500回転なので、このあたりからの高速加速は鋭い。100km/hは3000回転だ。しかし、エンジン音は3000回転あたりから高まり、室内に侵入してくるので、100km/hでの長時間巡航はキツい。80~90km/hの巡航が無難なところだろう。

 加速性能はCVTのスムーズな伸びで、軽快感がある。0→80km/hの加速も7秒台と、速い。ハンドリングはやや重めの操舵力。直進性も、高速になり路面のうねりに反応しやすいものの、この手のスーパーハイトワゴンとしてはトップレベルだ。ホンダは、たとえ軽のバンであっても、こういうところにお金をかけている。コーナリングもやや重めの操舵力で、ロールも抑えられているが、踏んばり感はイマイチ。タイヤはヨコハマ「JOB RY52 145/80R12」を装着していたが、個人的に使うなら、グレードアップしたタイヤを装着したい。13インチにサイズアップすれば、タイヤも性能のよいタイヤがある。

 そして「N-VAN」の魅力は室内の豊富なアレンジにもある。特に、シートの調節バリエーションは目を見張るものがある。特に気に入ったのは、助手席側左側のドア。助手席ドアが90度まで開くのは、乗り降りする時に便利。さらに助手席の後席スライドドアを開けると、助手席と後席の間のBピラーがないのだ。この開口部の大きさは、本当に開放感たっぷり。助手席ドアを閉めれば、そこにBピラーも内蔵されており、リアのスライドドアだけでも開閉できる。



 シートは助手席はヘッドレストを外し、折り畳むとスライドダウンして、水平になる。このときヘッドレストは助手席側ドア内側に収納することができる。後席もヘッドレスト(ピロー)は、荷室側に収納し、背もたれを倒せば、こちらもスライドダウンで、助手席と同一床面になる。床面の高さは、約530mmと低い。しかも開口部との段差がないので、重量物、自転車などの出し入れも簡単にできる。リアゲートはやや重め。開閉にはやや力を要した。

 直列3気筒ターボエンジンの燃費は12~21km/LとカタログWLTCモードの数値には及ばなかったが、かなりの好数値を記録した。商用バンというカテゴリーではあるが「Nシリーズ」の中では一番欲しいと思わせるクルマだ。

■関連情報
https://www.honda.co.jp/N-VAN/?from=auto_header

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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みんなのコメント

20件
  • 記事でもちょっと触れていたがタイヤのチョイスの幅が狭いことが、4ナンバーであることの枷か。
    商用で使うにはいいがホビーユースには物足りないかも。おひとりさま用と割り切らざるを得ない助手席が補助椅子なのも。
    5ナンバーで助手席の折りたたみ諦めたN-VAN ホビオでもあればなぁ、とはちょっと思った。実際N-BOXの助手席移植した人もいるらしい。
  • 商用車なんだから、商用車ベースなのは当たり前なのでは?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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