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初試乗アウディA6 2018年型 先進装備、5シリーズに軍配 洗練性は高評価

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初試乗アウディA6 2018年型 先進装備、5シリーズに軍配 洗練性は高評価

もくじ

どんなクルマ?
ー 全車マイルドハイブリッド 新たな方向性
ー V6+48Vのマイルドハイブリッド

VWトゥアレグ2018年型 3.0 V6 TDIディーゼルに試乗 慎み深さが魅力

どんな感じ?
ー 素晴らしいルックス 洗練のキャビン
ー デジタルインストゥルメントは魅力的 十分な動力性能
ー 先進のエアロダイナミクス 四輪操舵も設定
ー 数多くの電子制御 その評価は?

「買い」か?
ー ベースモデルも好ましい

スペック
ー アウディA6のスペック

どんなクルマ?

全車マイルドハイブリッド 新たな方向性

多才さが新型アウディA6の真骨頂だ。アウディはA6について、保守的な欧州ユーザーにはこの上ない快適さを提供しつつ、米国ユーザーに「スポーティ・セダン」として評価される必要があると話す。

さらに、巨大な中国市場では、A6は洗練の技術をもつステータス・シンボルとして、既に激戦となっている、BMW 5シリーズやメルセデス・ベンツEクラスなどとの闘いに向かうことになる。

新型A6は、最近改良を受けたラグジュアリー・セダンのA8と、スポーティなA7スポーツバック同様、すべてのモデルがマイルドハイブリッド化される。

そのボディは、さらに強度を増した複合アルミニウムシャシーに、5リンク・サスペンションがフロントにはリジッドマウントされ、リアはサブフレームに油圧マウントとなる。パッシブダンパーにも、アクティブダンパーにも、コイルスプリングを組み合わせることも可能だが、エアスプリングとのセットアップでは車高を20mm下げることができるとともに、時速121km/h以上では空気抵抗を削減するため、さらに車高が10mm低くなる。

明らかに、新型A6には新たな方向性が与えられているようだ。

いつものように、アウディ・スポーツからS6とRS6が登場するまでは、この3.0 V6 TFSIがエンジンラインナップのトップに君臨することになる。90°のバンク角をもつシリンダーの間には、2基のターボチャージャーが積まれ、エグゾースト・マニフォールドは、暖気時間短縮のためシリンダーヘッドと一体化されている。ギアボックスは7速デュアルクラッチとなり、最も売れ筋となるだろう出力207psの2.0ℓ40 TDIモデルも同じ組み合わせだ。

V6+48Vのマイルドハイブリッド

英国での発売時には、284psの3.0 V6 TDIと、新たなディーゼルのエントリーモデルとして、45 TDIと呼ばれるV6ディーゼルがラインナップされるだろう。両モデルとも、標準の8速オートマティック・ギアボックスにセルフロック式センターデフを搭載する。

一方、ツインクラッチ仕様のS-トロニックを積んだモデルには、リアにもトルクを伝達するためのクラッチ機構をもつクワトロ「ウルトラ」四輪駆動技術が組み合わされるが、日常使用における経済性は、FFモデルの方が上だろう。

もし、このクルマがそれほどスポーティに見えなくても仕方がない。実際そうではないのだから。6気筒エンジン向けマイルドハイブリッドは48Vシステムの組み合わせとなるが、その他は12Vのままだ。

このシステムでは、ベルト駆動のオルタネーター/スターターをクランクシャフトに繋いで、減速時のエネルギーを回収するとともに、回収したエネルギーはトランクに積んだリチウムイオン・バッテリーに貯めることができる。

55km/hから159km/hでエンジン停止状態でのコースティング(惰性走行)を40秒間続けた場合、このスターターがエンジンを再起動させ、低速走行時にはスタートストップシステムとして機能する。より効果的なシステムであれば、燃費を1.4km/ℓ改善する事ができるとアウディでは話している。

どんな感じ?

素晴らしいルックス 洗練のキャビン

このクルマはA8やA7に似ているかも知れないが、そのルックスは見事で、A8やA7よりもかなり魅力的に見える。

ボディラインのシャープさと、滑らかさのバランスが素晴らしく、ところどころクロームで装飾されたボディに、テスト車両にはオプションのHD マトリックスLEDヘッドライトが装着されていた。ゼロから創り上げられた新たなウエストラインが、隆起したホイールアーチを際立たせ、オーバーハングを短く見せるとともに、クルマ全体の雰囲気を引き立てている。


一部がアルカンターラ仕上げとなるオプションのスポーツシートは十分なサイズをもち、低くセットされたその座り心地も、見た目どおりの素晴らしさである。アルミニウム製のドアを閉めた時の感触は、ライバルモデルをはるかに凌ぐ出来栄えで、単にもう一度ドアを閉めるためだけに、ドアを開けたくなるほどの驚くべきものだ。

キャビンに目を転じれば、ふたつのタッチスクリーン(空調コントロール用8.6インチ・スクリーンと、その他すべてのコントロールを行う10.1インチ・スクリーン)をもつ、アウディ独自のMMIデジタルアーキテクチャがドライバーを迎える。アウディ自慢のこのシステムは、タッチスクリーンに積もった埃などものともしない、高級感溢れるものだ。

デジタルインストゥルメントは魅力的 十分な動力性能

多くのメニューや、スイッチがないことで最初は戸惑うかも知れないが、システム全体としては、おおむね素晴らしい出来だといえるだろう。しかし、操作に対するタッチスクリーンからの反応と、実際の動作に遅れがあったことは指摘しておこう。

空調コントロール用スクリーンが常に気になるかも知れないが、操作に慣れればMMIを徐々に好きになるだろう。一方、バーチャル・コックピットと呼ばれる、アウディのデジタルインストゥルメントはこれまで同様、使い勝手がよく、その見た目も魅力的である。

走り出せば、7速Sトロニック・ギアボックスは変速もスムースで、加速中でも滑るようにまわりのクルマからリードを奪うことができる。一方、燃費と洗練性には優れているが、スロットルの反応には遅れが感じられる。

但し、正しいギアさえ選択されていれば、その豊かなトルクで追い越しは自由自在だ。ドライビングモードに関しては、インディビジュアル・モードで、パワートレインはダイナミック、シャシーはコンフォートを選ぶのが良いだろう。

V6ガソリンエンジンはそれなりのサウンドを発するものの、回転を上げても多少の唸りを発するだけで、それもタービンブレードのわずかな回転音でかき消される。0-100km/h加速を5.1秒でこなすパフォーマンスは、BMW 540i xドライブにやや遅れをとるが、十分といえるだろう。両車とも、そのピークトルクをわずか2000rpmという低回転から発生させており、A6はまさに粛々と前へと進んでいく。

複合燃費は14.9km/ℓと、BMWよりも優れており、計算上の航続距離は約966kmとなる。

先進のエアロダイナミクス 四輪操舵も設定

乗り心地に関しては、オプションのエアサスペンションが細かな振動を抑え込むが、荒れた路面の感触は、やや過剰ともいえるほどの鮮やかさでドライバーの下半身に伝わってくる。それでも、スムースな路面でのA6の乗り心地は素晴らしいといえるが、最終的な評価は英国の舗装路で試してみるまで保留しておこう。

何の疑いもなく評価できるのは、特にドアミラーに代表される、アウディのエアロダイナミクスに対する努力だ。高速走行中に目を閉じれば、フラッグシップ・モデルのA8に乗っているのかと錯覚してしまうほどで、ウインドノイズは信じられないほど小さく、1020ワットの出力をもつ「3D」バング&オルフセンのサウンドシステムを十分に楽しむことができる。


A6として初めて本物のドライバーズカーを名乗るこのモデルのステアリングはどうだろう。テスト車両には、アウディのダイナミック四輪操舵システムが搭載されていたが、オプションとして購入を検討する価値はあるだろう。

時速60km/h以下では、フロントとは逆向きに、リアに最大5°の舵角を与えることで、それなりのボディの大きさにもかかわらずA6は十分に機敏な動きをみせ、回転半径も1mほど小さくなっている。これであれば、都心部でもそれほど持て余す事はない。

数多くの電子制御 その評価は?

しかし、空いた道での挙動には首を傾げざるを得ない。問題というほどではないものの、安定性を増すためにリアがフロントに追従すると、一瞬フロントがステアリングと切り離されたように感じられ、クルマが勝手にややタイトなコーナリングラインを選択するのだ。

こうした動きを見せる四輪操舵システムは経験したことがない。A6を驚くほど機敏にさせるという意味では、間違いなく効果的であり、その動作も滑らかだが、突然ステアリングのレシオが速くなるのだ。

標準仕様のステアリングには速度感応式可変レシオが採用されているが、例えステアリングフィールの希薄さは何も変わらないとしても、その感触はより自然で、クルマの挙動もつかみやすい。フィールが乏しいことに変わりはないが、許容範囲と言える。


例え、コーナーに突っ込んでいったとしても、ノーズヘビーの重量バランスをものともしない、A6のボディコントロールは一級品といえるだろう。その動きは多くの制御が作り出しているはずだが、むしろ自然に感じられるほどだ。

最後に、ドライバーアシストにも触れておこう。39ものアシストシステムが、A6を長距離移動や、カンパニーカーに適したクルマにしている。レーンキープアシストがその代表的なものであり、単独でも効果を発揮するが、コーナーでペースを上げようとすると、常に舵角を修正しようとするために、このシステムは役に立たないばかりか、邪魔者にすら感じられる。

このシステムをオフにするのは簡単だが、問題は、オフにした場合、アウディがNCAPテストで獲得した評価のうち、星半分が減るということだろう。

「買い」か?

ベースモデルも好ましい

A6には購入するに値する多くの魅力が備わっている。あるひとびとにとっては、そのほとんど冷徹といっていいほどのレベルにまで洗練を極めた高級なキャビンは、大きな魅力だろうし、インフォテインメント機能は他のライバルを寄せ付けない。このクルマは、間違いなく時代を先取りしている。

このクラスでは乗り心地も重要な要素となるが、エアサスペンションが神経質すぎるところはあるものの、20インチホイールを履いたモデルでも、クルージング時の洗練性は特筆すべきものだ。もちろん、英国の路上でテストしてみれば、違った面が見えるかも知れないが、その機会は数カ月のうちに訪れるだろう。


残念ながらBMW 5シリーズの方が依然として魅力的ではあるものの、洗練という点ではA6の方が上だ。それでも、それぞれの評価とクルマに何を望むかということさえ明確であれば、選択はより簡単だろう。

一方で、Eクラスとの比較はより難しい。どちらも、非常に優れた長距離移動の手段であり、例え品質とテクノロジーの面で、メルセデスがアウディの後塵を拝したとしても、路上ではその劣勢を覆すことになるのだ。

全体としてみれば、例え今回のテスト車両と同じ最も強力なエンジンを搭載していなくても、新型A6はよくできた素晴らしいクルマだ。実際、最も売れ筋となるだろう2.0 TDI「40」に対して、ダイナミック・ステアリングやエアサスペンションといったオプションは、少なければ少ないほど良いという声まであるのだから。

アウディA6のスペック

■価格 –
■全長×全幅×全高 –
■最高速度 249km/h
0-100km/h加速 5.1秒
■燃費 14.9km/ℓ
■CO2排出量 151g/km
■乾燥重量 1760kg
■パワートレイン V型6気筒2995ccツインターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 340ps/5000-6400rpm
■最大トルク 51.0kg-m/1370-4500rpm
■ギアボックス 7速デュアルクラッチ

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