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【試乗】ルノー メガーヌ R.S. トロフィーは刺激的な走りを求める大人のスポーツカー

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【試乗】ルノー メガーヌ R.S. トロフィーは刺激的な走りを求める大人のスポーツカー

メガーヌR.S.史上最強となる300psのエンジンを搭載し、ニュルブルクリンクFF最速のDNAを持つメガーヌR.S.トロフィー。筑波サーキット2000でその全開パフォーマンスをテストしてきた。(Motor Magazine 2020年1月号より)

ニュルブルクリンクFF最速のDNAを受け継ぐ
世界の自動車メーカーがこぞって開発車両のテストを行い、その実力を誇示するためにラップタイム競争が行われているドイツのニュルブルクリンク北コース。ここでまたFFモデルによる新たな記録が生まれた。

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7分40秒10。このタイムはメガーヌR.S.トロフィーRが記録したもので、それまでFF最速を誇っていたホンダのシビック タイプRの7分43秒80から3秒以上のタイムを更新している。

そんな最速のDNAを受け継いだメガーヌR.S.トロフィーに筑波サーキットで試乗する機会を得た。ここは私がいつもレースで慣れ親しんだコースでもあるので、このクルマのパフォーマンスを知るには最適の場所だ。

今回用意された試乗車のトランスミッションは6速の「EDC(エフィシエントデュアルクラッチ)」。6速MTの設定もあるものの、イージードライブを実現したEDCはサーキットでどんな走りをみせてくれるのだろうか。

4輪操舵は自然な挙動でFFでも想像以上に曲がる
車両の説明を受けた後、ヘルメットを被りさっそくコースイン。身体慣らしも兼ねて、R.S.モードはノーマルで走ってみる(その他にスポーツとレースがある)。アクセルペダルをジワリと踏み込んでみるが、その加速は想像以上に力強い。

1.8L直4直噴ターボエンジンは、ベースモデルのR.S.に比べて21psアップの300psを発生。メガーヌR.S.史上もっとパワフルなものへと進化しているが、まだ攻め切る前にもかかわらず早くもその片鱗を見せ始めた。

乗り心地もチェックするために、紅白に塗られた縁石のオウトツを通過してみるが、タタンっという軽やかな感じで走り抜け、不快な突き上げは感じられない。これには4輪ハイドロリックコンプレッションコントロール(4HCC)と呼ばれるラリーで採り入れたダンパー制御技術が効いているようで、路面の突起を通過するときの上下動をダンパーがしつかりと吸収してくれていることがよくわかる。

2周目に入るところで、スポーツモードに切り替え、マニュアルモードでパドルシフトを駆使しながら若干ペースを上げてみる。限界ギリギリまで攻めているわけではないが、非常に気持ち良くコーナーを駆け抜けていく。なぜか、アンダーステアが出ないのだ。

これには「4コントロール」と呼ばれる4輪操舵システムが効いているものと思われる。そう、このクルマは後輪も操舵する。60km/h未満の低速走行時は後輪を前輪と逆位相に切り、旋回性を向上させてくれるのだ。4輪操舵は制御が複雑なために不自然な挙動が出て、逆に運転しにくいことも多いが、このモデルではそんな動きは皆無で、自然なフィーリングでスポーツドライビングを楽しめる。

そしていよいよ3周目からはレースモードにスイッチ。全開で攻め込んでみる。通常、FF車だと旋回初期からアクセルをオフして、クルマの向きが変わるまで待ってジワリとアクセルオンという流れにとなるが、あえてイジワルして早めのアクセルオンをしてみるが、グイグイ加速しながらも想像以上に曲がってくれる。

これにはトルセンLSDが功を奏しているようで、アクセルのオンオフをうまくコントロールすれば、ハイパワーなFF車とは思えないほど意のままのコーナリングを可能にしてくれる。たっぷり全開走行を堪能した後、パドックに戻ってきて、待ち構えていたカメラマンにひと言、「ヤバイ、久しぶりに欲しいクルマが出てきちゃったかも」。

このパフォーマンスで499万円という価格設定も、私をちょっとその気にさせてしまっている理由なのかもしれない。(文:加藤英昭)

■メガーヌ ルノー・スポール トロフィー EDC主要諸元
●全長×全幅×全高=4410×1875×1435mm
●ホイールベース=2670mm
●車両重量=1470kg
●エンジン= 直4DOHCターボ
●排気量=1798cc
●最高出力=300ps/6000rpm
●最大トルク=420Nm/3200rpm
●駆動方式=FF
●トランスミッション=6速DCT
●車両価格(税込)=499万円

[ アルバム : メガーヌ ルノー・スポール トロフィー はオリジナルサイトでご覧ください ]

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