MotoGP第11戦オーストリアGPのスプリントレースが、レッドブルリンクで行なわれた。スプリントレースを勝利したのは、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤだった。
KTMの母国戦となるオーストリアGPだが、予選ではドゥカティ勢がフロントロウを独占。ホルヘ・マルティン(プラマック)、フランチェスコ・バニャイヤ、マルク・マルケス(グレシーニ)が1列目に並んだ。KTM陣営で予選最上位となったのは、5番手のジャック・ミラー(KTM)だった。
■マルク・マルケス、ドゥカティ陣営でも転倒続く。シーズン折り返しで最多記録更新ペース
現地の気候は晴れ。気温30度、路面温度38度のコンディションでスプリントレース開始時刻を迎えた。
全14周のスプリントレースは、2番グリッドのバニャイヤが好スタートを切った。そのまま先頭を奪っていくかとも思われたが、ターン3でマルティンがポジションを奪い返した。
レースはオープニングラップを終えた段階から、マルティン、バニャイヤ、マルケスの3人が少し抜け出し、4番手以下にアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)、ミラー、フランコ・モルビデリ(プラマック)が続いた。
トップ争いは2周目序盤にバニャイヤが再びマルティンをパスしかけた。彼も反撃しようとしたが、ターン2のシケインで止まりきれずにオーバーランしてしまい、結局2番手に留まることになった。
先頭3人のバトルは3周目から落ち着きを見せた。トップを走るバニャイヤのペースが速く、それになんとか食らいつくマルティンに対して、3番手のマルケスは少し離されてしまった。
そして2番手を走るマルティンには厳しい展開が待っていた。2周目にターン2でオーバーランしてしまった行為が、ショートカットとして審議対象になり、ロングラップペナルティが科されたのだ。
マルティンは、8周目にこのペナルティを消化。これで約3秒ほどロスし、3番手に後退。トップまでは2.7秒差と優勝争いは厳しい状況だった。
一方で、2番手に上がったマルケスもトップのバニャイヤをこのまま追撃とは行かなかった。10周目にターン3で転倒してしまい、チャンスをふいにしてしまったためだ。マシンは再始動できたが、そのままマルケスはピットへ戻り、リタイアとなった。
その結果、バニャイヤは首位単独走行の状態になった。そして残り少ない周回をバニャイヤはあぶなげなく消化し、4秒以上の差をつけてトップチェッカー。スプリント勝利を挙げた。
2位はペナルティが大きく影響したマルティン。3位はマルケスの転倒という”棚ぼた”でポジションを上げたエスパルガロだった。
スプリントの結果、バニャイヤとマルティンの獲得ポイントは250点で並び、勝利数からバニャイヤがランキングトップでオーストリアGPの決勝レースに臨むこととなった。
中上貴晶(LCRホンダ)は、最終的に20位でフィニッシュ。ホンダは今回エンジンをアップデートしているが、ファクトリーチームを含めてポイントは獲得できなかった。
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