■2017年に話題になったトヨタのFCVコンセプトカー
2年おきに開催される「東京モーターショー」は、新型コロナウイルスの影響で開催を見合わせていましたが、名称を「JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー)」とし、2023年10月に再び開催されることになりました。
そこで、これまでの東京モーターショーで登場した話題のモデルを振り返り、今回は2017年の第45回東京モーターショーでトヨタが出展した「Fine-Comfort Ride(ファイン コンフォート ライド)」を紹介します。
【画像】低めの車高がまさにエスティマ!? トヨタ「ファイン コンフォート ライド」の画像を見る(25枚)
ファイン コンフォート ライドは、インホイールモーターの採用など電動車ならではの自由なレイアウトと水素をエネルギー源とする大電力量を活かした「プレミアムサルーンの新しいかたち」として提案されたコンセプトカーです。
ボディサイズは全長4830mm×全幅1950mm×全高1650mm。全長が長く、全幅も広いのに対し、全高が低めということもあり、当時は「ファイン コンフォート ライドが次期エスティマなのではないか」と話題になりました。
外観は、車両前方から中央にかけて上下左右に広がりを持たせ、後部にかけて絞り込んだダイヤモンド型キャビンを採用。車両の四隅に配置した大径タイヤやワイド&ローなスタンスにより、迫力のあるミニバンのスタイリングを実現しています。
車内は「Wearing Comforts(快適な空間に包まれる)」をテーマとし、クルマを単に「移動するための乗り物」と捉えずに、それ以外の価値も提供する将来のモビリティとして具現化。
自由な姿勢に調整できるシートは、シートレイアウトも自在にアレンジすることが可能で、エージェント機能やタッチディスプレイを配置することで、乗員はさまざまな情報へアクセスできます。
運転席はスイッチ類を極力排除し先進的なデザインとしたほか、インパネ全体を覆うような超巨大ディスプレイを配置。飛行機の操縦桿のような異型ハンドルを装備し、ハンドル中央にもディスプレイが配された近未来的な空間が広がります。
3450mmというロングホイールベースを活かし、乗員6人がゆったりとくつろげる室内を確保しながら、車内を「個の空間」としても「個×個のコミュニケーション空間」としても使用することが可能となっています。
また、前席のヒンジドアと後席のスライドドアの間をピラーレスとすることで、乗り降り性能も良好です。
近未来的な内外装に目を奪われるファイン コンフォート ライドですが、トヨタは水素で走るFCV(燃料電池自動車)という点をアピール。
エコでクリーンな水素を使って走ることによる環境性能の良さや、ファイン コンフォート ライドが生み出す電力を外部に供給することもできます。
また、プレミアムサルーンにふさわしい高い静粛性とスムーズな走行性能もファイン コンフォート ライドの特徴のひとつ。3分程度で水素の充填ができ、約1000km(JC08モード)の航続距離を可能にするなど、FCVのさらなる可能性を追求したコンセプトカーでした。
※ ※ ※
エスティマは、2019年に惜しまれつつ生産終了となっており、2023年時点で新型モデルは登場していません。
コンセプトカーのファイン コンフォート ライドがいずれ市販化されることになるのか、期待したいところです。
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