坪井翔、GT300は今季未勝利に終わるも来季に向け前向き「勉強になった1年だった」｜スーパーGT

　今季のスーパーGT（GT300）では#25 HOPPY 86 MCから参戦した坪井翔。シーズン0勝に終わったものの、自身の今後につながる貴重な経験がたくさんできたと、来季に向け前向きな様子を見せた。

　2018シーズンは全日本F3選手権で19戦17勝という大記録を打ち立てる活躍を見せ、さらにスーパーGT第2戦ではWECとの日程重複で欠場した小林可夢偉の代役として#39 DENSO KOBELCO SARD LC500に乗り、ヘイキ・コバライネンとともに2位表彰台を獲得した。

　その後も、彼の主戦場であるGT300での活躍が期待された。シーズン後半には2度のポールポジションを獲得するも、残念ながら1勝も挙げられず。ドライバーズランキングは7位に終わった。

　つちやエンジニアリングでの1シーズンを振り返った坪井は、優勝できなかった悔しさはあるものの、自身の今後につながる経験ができたと語った。

「勝てなかったことに対しては悔しいですし、マザーシャシーが得意なサーキットで結果が残せませんでした。でも、今年つちやエンジニアリングでGT300を戦ったことは、すごく勉強になった1年でした。この経験がF3に活きた部分もありました」

「（昨年参戦した時とは違う）新しいパッケージの中で走って、いろいろなことを経験して、（土屋）武士さんにも色々なことを教えてもらいました。僕にとってはすごく大きなことで、貴重な財産になりました」

　その財産になったという経験が、開幕戦岡山。初めてスタートドライバーを任され、激しいトップ争いを展開。タイヤ無交換作戦で行く予定だったにも関わらず、無理に接近戦のバトルを続けたことが仇となり、結果的に3位でフィニッシュすることになった。

　レース後、自分が後半まで見据えたタイヤマネジメントができなかったことが勝利へのチャンスを遠ざけたことに気づいた坪井は悔し涙を流した。その経験がターニングポイントとなり、後のGT500での2位表彰台やF3での活躍につながったという。

「GTに関しては、間違いなく開幕戦がターニングポイントでしたね。あれがあったからこそ、その後の戦い方が変わりました。GT500で2位になれたのも、第3戦鈴鹿での後半で追い上げられたの、開幕戦の経験があったからです。その後はポールポジションも2回獲得できました」

「そういう意味では“1位”という結果には結びついていないですが、そこに行くまでのプロセスというか、今シーズンの中で得られたものというのは計り知れないです」

「この結果は絶対来年以降に活きてくると思います。結果が出なかったのは残念ですが、僕にとっては『ありがたい1年』でした。ポールポジションも2回獲得できて、一発の速さというのも魅せることができました。昨年はスタートドライバーをやったことがなかったですが、今年はそれを経験することができました。ここで得た経験は絶対どこに行っても通用すると思います」

　とはいえ、坪井は勝てなかったことに心残りはある様子だ。

「でも……勝ちたかったですね。もちろん、目指していたところはそこ（優勝）なので、勝てなかったという部分に対しては、まだまだ足りなかったところがあるなと思います」

　すでにスーパーフォーミュラのルーキーテスト参加が発表されている他、GT500ステップアップも濃厚と噂されている坪井。来季について具体的な参戦体制は明かさなかったが、今年経験したことを糧にして、来年も勝利を目指したいと語った。

「GT300はBoPもあって難しい部分はありましたが、それでも勝てたレースはあったと思うし、そこを結果に結びつけられなかったことに関しては、来年に向けての課題として意識していきたいです」

「今年得たものは来年しっかりと発揮したいです。それはどのカテゴリーに行っても変わらないことだと思います。でも、GTでは今年勝てなかったので、来年は最低でも1勝はしたいですね」