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コラピントの活躍がアルゼンチンGPの復活に火。地元スポーツ担当大臣はすでに大統領に呼びかけも

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コラピントの活躍がアルゼンチンGPの復活に火。地元スポーツ担当大臣はすでに大統領に呼びかけも

 フランコ・コラピントのウイリアムズでのセンセーショナルなF1デビューにより、つねにモータースポーツへの熱狂があるアルゼンチンでは、グランプリレースへの熱意がかつてないレベルにまで高まっている。

 過去50年間の大半と同様に、国の経済は破綻しているにもかかわらず、今やアルゼンチンGPをふたたびカレンダーに組み入れようという政府による取り組みが始まっているほどだ。

グランプリのうわさ話:コラピントの活躍でアルゼンチンでF1ブームが再熱

 それはアルゼンチンの観光・環境・スポーツ担当大臣ダニエル・シオリによって発表された。シオリは地元通信社に対し、「アルゼンチンがふたたびF1レースを開催できるよう、あらゆる取り組みを調整するため、ハビエル・ミレイ大統領およびカリーナ・ミレイ大統領府長官と話し合った」と語った。

 2世代にわたるアルゼンチン人にとって、モータースポーツは成功した国の同義語だった。同国の偉大なファン・マヌエル・ファンジオは、1950年代に世界選手権を5回制覇。1972年から1982年にかけてはカルロス・ロイテマンがグランプリでたびたび優勝し、1981年にはあと一歩でタイトル獲得という活躍を見せた。

 しかし、1982年シーズンの2レース目で“El Lole”(ロイテマンの愛称)が突然引退して以来、アルゼンチンにはグランプリレースで競争力のあるドライバーがいなくなり、1995年から1997年にかけてグランプリが復活したにもかかわらず、アルゼンチンにおけるモータースポーツへの情熱は薄れてしまっていた。

 しかし、2024年シーズンの中盤にF1デビューを果たしたコラピントは、たった1カ月でその状況をすべて変えた。

 第一に、彼はすでにFIA F2で競争力を発揮しており、ウイリアムズがテストやFP1セッションで彼を走らせた何度かの機会において素晴らしい仕事をしていた。そしてもちろん、イタリアGP以降はローガン・サージェントに取って代わり、すぐにペースを発揮。

 2週間後のアゼルバイジャンGPではF1初ポイントを獲得した。これは、1982年の南アフリカGPでロイテマンが2位になって以来、アルゼンチン人ドライバーがグランプリレースで獲得した初のポイントだった。

 コラピント熱がアルゼンチンを席巻し、何百人ものファンが新しいヒーローを応援するためにはるばるバクーやシンガポールまで飛んだ。アルゼンチンの紙媒体も、20年以上F1で姿が見られなかったアルゼンチン出身の新星を取り上げるべくモンツァに押し寄せた。

 彼らは今後の3レースにも大勢やって来るだろう。ポピュリスト政権もすぐにこの流れに乗り、11月にはシオリ大臣がサンパウロに向かい、F1の代表者らと会談してアルゼンチンGP開催を目指すプロセスを開始すると発表している。

■アルゼンチンGP復活への障壁

 しかし、彼らの前にはふたつの大きなハードルがある。第一に、金銭的な問題だ。開催権料と運営費用として年間6000万ドル(約87億7300万円)から8000万ドル(約116億9800万円)を費やす余裕はこの国にはない。

 そして第二に、1950年代からグランプリの開催地となっていたアウトドローモ・オスカル・ガルベスがFIAの認証をすべて失っているということだ。グランプリ開催に必要なグレード1ライセンスを保有する45のサーキットに加わるには程遠い状態であり、これから新しいF1基準に適合させるためには、数千万ユーロ(約十数億円から数十億円)の投資が必要になるだろう。

 そして忘れてはならないのは、コラピントが来年F1に残る可能性は低いということだ。彼がドライブしているウイリアムズは、2025年にはカルロス・サインツが加入し、アレクサンダー・アルボンのチームメイトとなることが決まっている。コラピントが獲得できる空いたシートはない。

 したがって、彼が現在生み出している大きな関心の波は、彼が2025年シーズン全体を通してレースに出なければ沈静化する可能性がおおいにあり、このプロジェクトは初期の段階から抜け出せないかもしれない。

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