■トラックの眩しいライト・・・違反だけど、なぜ横行する?
クルマを運転していると、たびたび前方にトラックが走っていることがあります。
トラックによっては、左右の後輪あたりに白色のまぶしいライトを点灯させながら走っていますが、実はこの行為は道路運送車両法違反に当たります。
では、一体なぜこのような行為が横行しているのでしょうか。
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ドライブの際、前方にトラックが走っている場面も多々あるでしょう。
トラックによっては左右の後輪付近に白色のライトを点灯させながら走行していますが、このライトが本当にまぶしく、後方のドライバーの視界を妨げる事態も発生しています。
SNS上においても「トラックの横にある後ろを照らすライトがめっちゃまぶしい」、「マジありえん」など後方を走るドライバーから苦言を呈する声や、「このライトは本当に必要なの?」といった疑問の声が多く聞かれました。
このライトは一般的に「路肩灯」または「タイヤ灯」と呼ばれるもので設置義務はありません。
しかし、内輪差が大きいトラックの巻き込み事故を防止するため、後方や後輪の位置を確認できるよう取り付けられていることがあります。
あまり知られていませんが、実は白色で非常に明るい路肩灯を点灯させたまま走ると道路運送車両法違反に当たります。では、なぜこの違反行為が横行しているのでしょうか。
そもそも運転の際には、「道路運送車両の保安基準」に適合したクルマを使用しなければいけません。
たとえば、ブレーキランプに赤色以外のものを取り付けていたり、タイヤやホイールが車体からはみ出していたりするようなクルマは保安基準に適合していないため、不正改造車や整備不良車とみなされる可能性があります。
この路肩灯についても同様であり、設置する際には決められた保安基準をクリアしなければいけません。
路肩灯に関しては保安基準の「その他の灯火」に該当しますが、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第218条(その他の灯火等の制限)においては以下のような規定があります。
「自動車には、後方を照射し又は後方に表示する灯光の色が白色である灯火を備えてはならない。(第3項、条文を一部抜粋)」
ナンバー灯やバックランプなどはこの規定から除かれますが、路肩灯に関しては白色のライトを点灯させたまま走行してはいけません。
そのため、白色のライトを取り付けている場合には、クルマを停止して作業をする際の使用に限られるといえるでしょう。
そのほか路肩灯に求められる条件として「点滅や光度が増減するものを備え付けないこと」、「そのクルマの直射光や反射光が他のクルマの運転操作を妨げないものであること」、そして「ライトの明るさが300カンデラ以下であること」などが定められています。
カンデラとは光の明るさの単位のことをいい、自動車に備え付けられている「走行用前照灯(いわゆるハイビーム)」の場合、前照灯の構造によって違いはあるものの、その明るさは1万2000カンデラから1万5000カンデラ以上と決まっています。
単純比較は難しいですが、300カンデラは比較的小さな光量であるといえます。
■なぜ走行中に眩しいライト点灯が横行する? 考えられる要因は?
前述のとおり、保安基準に適合しない路肩灯を点灯させながら走行することは道路運送車両法違反に該当しますが、トラックでこの行為が行われているのには様々な理由が考えられます。
まず、ドライバー自身やトラックの運送業者に法令を守る意識が欠けているか、道路運送車両法をよく理解していないといった原因が挙げられます。
道路運送車両の保安基準の内容は膨大であるものの、規定をひとつひとつ確認することが重要です。
さらに、トラックドライバーの高年齢化も関係している可能性があります。
トラック業界における人手不足が問題となる中、トラック業界では40歳から54歳までのドライバーが約45.2%を占めるのに対し、29歳以下の若年層は約9.1%と低いことが国土交通省の資料で明らかになっています。
高年齢化が進むことで夜間の視力が低下する人も増加し、非常に明るい路肩灯で後方を確認しながら運転せざるを得ない状態におちいっているドライバーがいることも想定されます。
加えて、明るいLEDライトが数千円台と比較的安価で購入できるようになったことも眩しいライトが広まった原因のひとつといえるでしょう。
※ ※ ※
トラックは、後方を照らす白色のライトを点灯したまま走行してはいけません。
後方を走るドライバーにとっては「目つぶし」ともいえる明るさであり、事故を誘発するおそれもあります。
ドライバーや運送業者には、白色の路肩灯を走行中には点灯できない仕組みに変える、あるいは停止した際の作業のみに使用するなど保安基準を今一度確認し、改善することが求められます。
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ダンプ、海コントレーラーに多い。