はじめに
最近のマセラティは、この手のメーカーがあるべき姿としてみれば矛盾したメッセージを発してきた。フェラーリ・エンツォがベースのハイパーカーである、2004年登場のMC12の記憶もいまだ鮮烈だが、その後は高級車ブランドとしての側面も拡大してきた。
かつてはBMW M5に対するイタリアの回答ともいえたクアトロポルテは、いまやメルセデス・ベンツSクラスに対抗するような高級サルーンとなってしまった。また、1990年代にはクーペ、さらに遡れば1960年代にスタイリッシュなGTカーだったギブリの名は、メルセデスやBMW、アウディを視野に入れた中型セダンに与えられ、ありふれたディーゼルエンジンすら搭載された。しかも、ブランド初のSUVであるレヴァンテまでも投入している。
これらのクルマは、マセラティのグローバルなビジネスを変革しようという大胆なプランの構成要素だ。生産台数の目標には遠く及ばなかったものの、かつてに比べれば、日常で目にする機会は明らかに多くなった。しかし、過去数十年に比べれば、もっと普通で、ほどほどの高級車ブランドとなってしまったともいえる。レザーやクロームを多用して高級感は増したが、エキサイティングな技術面の差別化は減っているのだ。
とはいえ、最近ではスポーティさの評判もわずかながら上げつつあるマセラティが、走りへの関心が強いドライバーを再びターゲットに据えようとしているのは明らかだ。英国でいえば、スーパースポーツのMC20を年内にも投入することがその一環であり、今回テストする物件もまた同じ流れにあるものだ。
クアトロポルテ・トロフェオは、最高速度320km/hを超えるセダン2台のうちのひとつで、スーパーSUVのレヴァンテ・トロフェオに続くハイパフォーマンスモデルだ。エンジンはフェラーリ由来のV8で、おそらくマセラティの最新モデルの中でも随一の走りを期待できる。その実力やいかに。
意匠と技術 ★★★★★☆☆☆☆☆
1963年、初代クアトロポルテ4200にV8を搭載したマセラティは、パフォーマンスサルーン市場のパイオニアを自負している。現行モデルは、2013年にフェラーリ由来の精巧な3.8LツインターボV8を積むクアトロポルテGTSを投入。このエンジンはチューニングされて、2018年にレヴァンテ・トロフェオへ搭載され、これが今回のクアトロポルテ・トロフェオにも使用されている。最高出力は580ps、最大トルクは2250~5250rpmで74.4kg-mを発生する。
このエンジンのシリンダーブロックは、フェラーリのF154系だが、マセラティ独自設計となるクロスプレーンのクランクシャフトと専用カムシャフト、高タンブル設計のシリンダーヘッドを装備。ウェットサンプの潤滑系、パラレルツインスクロールターボチャージャー、インタークーラー2基掛けの吸気システムもマセラティ専用だ。
もしも偉大なスーパーサルーンの基礎がすばらしいパフォーマンスのエンジンにあるのなら、このV8ユニットが前提にあるこのクルマには、間違いなく成功を期待できるところだ。
しかし、それ以外はどうだろうか。そのルックスは、いかにもドーピングされたような、エアロパーツでガチガチに固められた速い4ドアという仕立てではない。これはマセラティが、真に洗練されたイタリア車がそうであるように、アグレッシブさとエレガンスをあわせ持つヴィジュアルこそがこのクルマのキモだと考えたからだろう。
とはいえ、テスター陣の感想は、あまりにも安全策に走りすぎたのではないだろうか、というものだった。このトロフェオは、リアスポイラーやボンネットのルーバーといった、スーパーサルーンのスタイリングにありがちな付属物を追加せず、21インチの鍛造ホイールを履いていながらも本気のスポーツモデルらしい踏ん張りが感じられない。間違えて中間グレードを借りてきたのではないかと思ったテスターもいたくらいだ。
多種金属混成のシャシーは標準モデルと同じで、その前半部に積まれるZF製8速ATもまた同様だ。ブレーキはディスクもキャリパーも拡大され、レートを高めたコイルスプリングとプログラムを変更したスカイフックダンパーを採用する。このダンパーの制御用ソフトウェアは、一般的なアダプティブダンパーより広範囲のデータを処理するものだ。タイヤは、専用設計タイプのピレリPゼロを履く。
走行モードには、コルサモードが追加された。これを選択すると、エンジンやトランスミッション、ステアリング、そしてスタビリティコントロールのセッティングが、ハイパフォーマンスを引き出すドライビングに最適化される。
その重量や旋回挙動、慣性を制御するようなデバイス、たとえば四輪操舵やアクティブエアサスペンション、アクティブスタビライザーなどは用意されない。言い換えるなら、ライバルメーカーが大きく、重く、ホイールベースの長いクルマを、実際より小さく俊敏に感じさせるためのトリックを、マセラティは用いなかったということだ。スタビリティや安心感をもたらす4WDも採用しなかったが、その代わりに純粋な後輪駆動の走りを味わえる。
内装 ★★★★☆☆☆☆☆☆
このクルマは前席でも後席でも、ほとんど誰もが身体を伸ばして快適にすごせそうだ。背が高いと後席ヘッドルームが十分ではないかもしれないが、その点は多くのSクラス級サルーンとそれほど変わらない。
トランクルームは広大で、フルサイズの高級サルーンでは備わらないこともある後席の分割可倒機構も持つ。完全にフラットになって荷室を拡大できるわけではないが、長尺物を積むのに便利だ。
しかしながら、ステアリングホイールの前に座ると、このクルマに期待するスタイリッシュで絢爛豪華なマテリアルが迫ってくるような感覚を覚えることは決してない。
ある部分では、インテリアに贅沢さやリッチさが感じられる。なめらかで柔らかいレザーが広範囲に用いられ、ダッシュボードやセンタートンネルを飾るクリア仕上げのカーボントリムはじつに魅力的だ。
しかしそれ以外の部分では、13万ポンド(約1820万円)近いクルマのキャビンに予期するようなクオリティが欠如しているのが目立つ。センターコントロールやセンターパネルのスイッチや補助的操作デバイスは、プレーンでチープな印象。ステアリングホイール上のそれも同様だ。
クロームに輝くダッシュボード上部の送風口に手を伸ばすと、その作りが安っぽくて壊れやすそうに感じるだろう。テスト車では、運転席のフットウェルにもフィッティングがちゃんとしていないところが見られた。シートクッション周辺のプラスティックのモールディングも、粗くてややエッジの尖ったところがあった。
ハイエンドの高級イタリア車に望むような、スペシャル感のある見栄えや感触に欠けるこのクアトロポルテだが、そのほかにも明らかに品質面の問題を抱えている。
ドライビングポジションの歪みこそが、このクルマ最大の欠陥だ。センタートンネルがフロントのバルクヘッドに届くまで伸びているが、ステアリングコラムはその先のメカニズムに蹴られて、あるべき位置に据え付けられていない。
これはもちろん右ハンドル化の弊害なのだろうが、エルゴノミクス的なレイアウトがマセラティのプライオリティ的に低いのだろうと思わざるを得ない。ドライバーズシートに対して、ペダルは理想的な配置より50mmは右へオフセットしているのに、ステアリングホイールは逆に左へ25mmズレている。
ここまではっきりと肉体的な無理を強いられる新車に、2021年にもなって出遭うとは思いもしなかった。こんなことは滅多にないが、よりにもよってこれほど高額なクルマでそれを見つけてしまっては、大目に見るというわけにはいかない。
走り ★★★★★★★★☆☆
このクルマ最大の価値は、曲線的で波打ったボンネットの下に鎮座するツインターボV8にある。ドライビングにおけるメインイベントであり、走りのキャラクターを圧倒的に支配する存在だ。そして、見せる顔はひとつではない。
走り出しは驚くほど控えめで、ゆったり流していればとても静かに回る。いっぽうで8速ギアボックスは、リバースへ入れる際の打撃音に悩まされることがあり、軽いスロットル負荷をかけると、ヒュンヒュンという回転ノイズが駆動系の後部から多少ながら響いてくる。クアトロポルテがもっとも洗練された部類のスーパーサルーンとは思えない所以だ。
走行モードはデフォルトのセッティング以外に、スポーツとコルサ、そしてICEが選択できる。最後のそれは凍結路などではなく、インクリーズド・コントロール・アンド・エフィシエンシーの略。すなわち抑えを効かせて経済性を高めるモードだ。
スポーツを選ぶと、いかにもV8エンジンらしい、朗々たる深みのあるサウンドが響く。コルサでは音量がさらに一段引き上げられるが、メルセデスAMGやジャガーSVRのようなレベルの威嚇的なものではない。
力強く、トルクが膨れ上がるような出力特性は、クアトロポルテのようなサイズと位置付けのクルマにピッタリだ。中間ギアに固定して、中回転域からスロットルペダルを深く踏み込むと、それに反応して前へ飛び出していく様は、古いドラム缶に溜まった雨水があふれ出すような感覚である。
最初はややゆっくりめのソフトな加速感だが、その後は勢いが増していき、最終的にはクルマが進んでスピードを出したがって、もはや止めようがないような状態になるのだ。
最新のターボユニットにはスロットルレスポンスの鋭いものもあるが、このエンジンはそうではない。しかし、十分に従順で、回りたがり、6000rpmを超えてもとても軽やかに回転が上がっていく。
対照的にギアボックスは、パドルシフトでのスムースさに欠け、変速が遅い。また、このクルマのパフォーマンスを、磨き上げるどころか鈍らせているようにすら感じられる。低回転域や、マニュアルモードでの最大負荷時に5速以上をホールドすることができず、固定ギアでの加速データを完全に揃えることができなかった。
動かすべき重量が大きく、駆動輪がリアのみで、ピレリのタイヤが過剰なスペックではないため、いまどきのスーパーサルーンとしてみれば特筆するほどの発進加速ではない。しかし、いったん足掛かりを見つければ、もはやもたついたままではいない。
同じ日に同じコンディションで性能テストを実施したロータス・エキシージは、重量が半分ほどで、97km/hまでとゼロヨンでは速かった。だが、161km/hとゼロセンはクアトロポルテが優に凌いだ。
使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
インフォテインメント
クアトロポルテはレヴァンテやギブリと同様、2021年モデルでマセラティ・インテリジェント・アシスタントと呼ばれる、アップデート版のタッチディスプレイ式インフォテインメントシステムを採用した。
これはなかなかに鮮明な10.1インチ画面と、かなり使いやすいAndroidベースのOSを使用している。ディスプレイ下部のショートカットキーを使えば、メニュー間を楽にスキップでき、さらにセンターコンソールには小さいながらダイヤル式の入力デバイスが備わる。
残念なのは、システムが右ハンドル用に仕立て直されていないことだ。ステアリングホイールのヒーターなど、ドライバーが必要とする機能は画面の左上に表示されるのだが、これは明らかに左ハンドル用のレイアウトそのままである。
外観的にも気になるところがある。周囲のトリムとの一体感が足りないのだ。後付け感があって、見た目がちょっとばかり安っぽく感じてしまう。
ただし、機能面はよくできており、ナビゲーションの入力はかなり簡単で、マップはくっきりと表示される。テスト車に装備されていたオプションのバウワース&ウィルキンス製サラウンドオーディオはパワフルで、音質はクリアだ。スマートフォンのミラーリングはワイヤレスで、AppleにもAndroidにも対応する。
燈火類
標準装備のマトリックスLEDヘッドライトには、自動のコーナリングライトと高専ブランキング機能が備わる。ロービームの光軸はやや高いが、照射範囲は良好。ハイビームはパワフルに遠くまで照らす。
ステアリングとペダル
右ハンドル仕様のペダル配置はかなりお粗末で、かなり右側へオフセットしている。逆にステアリングホイールは、明らかに左寄りだ。脚が短いドライバーは不具合を感じるだろう。
操舵/安定性 ★★★★★☆☆☆☆☆
クアトロポルテ・トロフェオのハンドリングは、どこをとっても大きく思い高級サルーンのそれだ。しかもパワーが有り余り、フルに使い切る必要がないくらいのグリップと安定感を備えている。そして、それがとくに気に障ることはない。というのも、ハイパフォーマンスな高級サルーンを名乗るなら、まずは前提として高級なサルーンである必要があるからだ。
このマセラティは、乗り心地の従順さを重視し、運動性はやや上品志向となっている。そのことがいつでも、少なくとも全般的な快適性とイージードライブさを、このクルマにもたらしている。
路面がスムースであれば、楽にスピードを出せて、それを維持できる。ところが、サスペンションが中ぐらいか長い波長の入力を受けると、上下方向のボディ挙動がかなり大きくなる。
走行モードをハードなほうに振れば、速度域の高いA級道路やB級道路では限界近くまで上下動を抑えるのだが、スプリングレートや車高までは調整できない。最終的には、ハイパフォーマンスな4ドアに期待するようなスピードを出すと、落ち着きを保てなくなる。
コーナリング中のロールは明確に出るが、不安になるほど大きくはない。適度なギア比のステアリングにも、じつにマッチしているように感じられる。ただし、シャシーのレスポンスが、これくらいロングなホイールベースのクルマとしては予想どおりダルい。
つまり、高速コーナーを抜ける際に、安定するまでに時間がかかり、しばしばコーナリング中でもターンインを続けているように感じることさえある。アペックスを越えても、前輪を調整し続けているような状態だ。
コーナリングのバランスそのものは悪くないのだが、接地面に横荷重がかかるタイミングの前後差が増したぶんだけ、後輪駆動らしいスロットルでのアジャスト性が使えなくなっている。さらに大きなボディサイズとやや粘つくようなステアリングフィールもあって、出来のいいライバルほどには運転に熱中させてくれない。
このクアトロポルテに、際立った俊敏さやタイトさ、バランスを感じることは決してない。エンジンはともかく、そのほかの部分には、競合モデルを大きく上回る走らせ甲斐を見出すことができなかった。
快適性/静粛性 ★★★★☆☆☆☆☆☆
このクアトロポルテが、来年にも世代交代するモデル末期にあることは、インテリアの設えや装備から感じ取れるが、路上での挙動にもその古さが見て取れる。
シャシーの完全性は、ベントレーやメルセデス、BMWの最新の大型車がみせるほどではない。スムースな舗装を穏やかに走るなら、乗り心地は上々でリラックスでき、市街地でもおおむね快適だ。しかし、路面の荒れや凹凸、マンホールや敷石を踏み越えるときには、やや鈍い音を立てて車体が震える。
公道上ではそんな路面に遭遇しないほうが難しい。そうなると、シートやキャビンのあちこちから音が響き、サスペンションへの入力がやや鋭すぎたり複雑だったりすると反響音も聞こえてくる。ルームミラーに目をやると、ゆるやかながら個別に振動する後席のヘッドレストが映っている。どれをとっても、最新の高級車ならば起こりえない現象だ。
クアトロポルテのように長いクルマは、剛性を高めるのが難しくなりがちだ。しかし、同じようにロングボディを持つライバルと比較した場合でも、ねじり剛性に不足を感じるところがある。サスペンションの突き上げがホイールハウスを越えて、キャビンへも音や衝撃として伝わってしまうのだから、それは明らかだ。
あまり気にしていなくても、荒れた路面からのノイズは耳に入ってしまう。113km/hで計測した室内騒音は69dBAで、昨年テストした、音環境的に不利なワゴンボディを持つアルピナB3ツーリングをも1dBA上回った。
購入と維持 ★★★★☆☆☆☆☆☆
クアトロポルテ・トロフェオの価格は12万8100ポンド(約1793万円)。法外ではないかと驚くかもしれないが、われわれがこのクラスのトップ5に挙げたライバルたちと並べてみれば、ちょうど真ん中くらいに当たる。
もしこのクルマがあるべき水準に達していれば、エキゾティックでリッチな、速くて運動性の面でも魅了される、ソソるイタリアンサルーンになれたはずだ。ところが、マセラティが造り上げたそれは、とにかくどの点でも十分な魅力を発揮できず、価格を正当化できるに至っていない。
そのパフォーマンスとサイズだけをみれば、かなりいい線を行っている。しかし、欠陥のある操縦系のレイアウトや残念なキャビンのクオリティを考えると、はっきり言って価格が3分の1でも高いと思ってしまいそうだ。
残価予想は値落ち率こそ大きいものの、主なライバルと比較するとそれほどひどいとは言えない。大型で速いサルーンはたいてい、リセールバリューが低くなりがちだ。日常使いでの経済性は、テスト結果をみるに7.8~10km/Lといったところで、ほぼ予想どおり。とくによくも悪くもなかった。
スペック
レイアウト
クアトロポルテはアルミとスティールの混成シャシーのフロントにエンジンを縦置きし、後輪を駆動する。8速ATは、エンジン直後に搭載する一般的なレイアウトだ。
サスペンションはスティールのコイルとアダプティブダンパーを組み合わせる。テスト車の前後重量配分は、実測で52:48だった。
エンジン
駆動方式:フロント縦置き後輪駆動
形式:V型8気筒3799ccツインターボチャージャー、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ86.5×80.8mm
圧縮比:9.4:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:580ps/6750rpm
最大トルク:74.4kg-m/2250-5250rpm
エンジン許容回転数:7250rpm
馬力荷重比:290ps/t
トルク荷重比:37.2kg-m/t
エンジン比出力:153ps/L
ボディ/シャシー
全長:5262mm
ホイールベース:3171mm
オーバーハング(前):968mm
オーバーハング(後):1123mm
全幅(ミラー含む):2100mm
全幅(両ドア開き):3660mm
全高:1481mm
全高(トランクリッド開き):1770mm
足元長さ(前席):最大1070mm
足元長さ(後席):830mm
座面~天井(前席):最大990mm
座面~天井(後席):940mm
積載容量:530L
構造:アルミ/スティールモノコック
車両重量:2000kg(公称値)/2020kg(実測値)
抗力係数:0.31
ホイール前/後:8.5Jx21/10.5Jx21
タイヤ前/後:245/35 ZR21 96Y/285/30 ZR21 100Y
ピレリPゼロMCT
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)
変速機
形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:4.71/10.1
2速:3.14/15.1
3速:2.11/22.5
4速:1.67/28.3
5速:1.28/37.0
6速:1.00/47.5
7速:0.84/56.5
8速:0.67/70.8
最終減速比:2.80:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:7.2km/L
ツーリング:10.1km/L
動力性能計測時:2.7km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):4.9~5.0km/L
中速(郊外):7.5km/L
高速(高速道路):9.3~9.4km/L
超高速:9.7~9.9km/L
混合:8.0~8.2km/L
燃料タンク容量:80L
現実的な航続距離:575km
CO2排出量:276~282g/km
サスペンション
前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.65回転
最小回転直径:11.8m
ブレーキ
前:380mm通気冷却式ディスク
後:345mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、EBD、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電動、センターコンソール右側にスイッチ設置
静粛性
アイドリング:40dBA
全開時(3速):77dBA
48km/h走行時:62dBA
80km/h走行時:64dBA
113km/h走行時:69dBA
安全装備
ABS/MSP/EBD/ASR/MSR
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%
発進加速
テスト条件:湿潤路面/気温14℃
0-30マイル/時(48km/h):2.0秒
0-40(64):2.8秒
0-50(80):3.5秒
0-60(97):4.2秒
0-70(113):5.3秒
0-80(129):6.3秒
0-90(145):7.5秒
0-100(161):9.0秒
0-110(177):10.8秒
0-120(193):12.7秒
0-130(209):15.1秒
0-140(225):17.8秒
0-150(241):20.8秒
0-160(257):24.9秒
0-402m発進加速:12.5秒(到達速度:192.6km/h)
0-1000m発進加速:22.2秒(到達速度:247.4km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
メルセデスAMG GT63 4ドアクーペ 4マチック+(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温14℃
0-30マイル/時(48km/h):1.4秒
0-40(64):1.9秒
0-50(80):2.5秒
0-60(97):3.3秒
0-70(113):4.1秒
0-80(129):5.2秒
0-90(145):6.3秒
0-100(161):7.7秒
0-110(177):9.1秒
0-120(193):10.9秒
0-130(209):12.9秒
0-140(225):15.2秒
0-150(241):18.4秒
0-160(257):22.2秒
0-402m発進加速:11.5秒(到達速度:198.9km/h)
0-1000m発進加速:20.9秒(到達速度:252.5km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):1.8秒(2速)/3.0秒(3速)
30-50(48-80):1.5秒(2速)/2.2秒(3速)/2.9秒(4速)/4.8秒(5速)
40-60(64-97):1.5秒(2速)/2.0秒(3速)/2.6秒(4速)/3.7秒(5速)
50-70(80-113):2.1秒(3速)/2.6秒(4速)/3.5秒(5速)
60-80(97-129):2.1秒(3速)/2.6秒(4速)/3.4秒(5速)
70-90(113-145):2.3秒(3速)/2.7秒(4速)/3.6秒(5速)
80-100(129-161):2.8秒(4速)/3.7秒(5速)
90-110(145-177):3.0秒(4速)/3.9秒(5速)
100-120(161-193):3.4秒(4速)/4.0秒(5速)
110-130(177-209):4.3秒(5速)
120-140(193-225):4.8秒(5速)
130-150(209-241):5.7秒(5速)
※6~8速でのフルスロットルは、自動的にキックダウンしてしまうため計測不可
制動距離
テスト条件:湿潤路面/気温14℃
30-0マイル/時(48km/h):8.7m
50-0マイル/時(64km/h):23.9m
70-0マイル/時(80km/h):45.2m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.73秒
ライバルの制動距離メルセデスAMG GT63 4ドアクーペ 4マチック+(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温14℃
30-0マイル/時(48km/h):8.7m
50-0マイル/時(64km/h):23.3m
70-0マイル/時(80km/h):45.3m
各ギアの最高速
1速:72.4km/h(7250rpm)
2速:109.4km/h(7250rpm)
3速:162.5km/h(7250rpm)
4速:206.0km/h(7250rpm)
5速:268.8km/h(7250rpm)
6速:326.7km/h(6891rpm)
7速:326.7km/h(5789rpm)
8速(公称値):326.7km/h(4617rpm)
8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1592rpm/1820rpm
結論 ★★★★☆☆☆☆☆☆
クアトロポルテ・トロフェオには、好ましいところもある。しかし、明らかな欠如や短所があることを考えると、ドイツや英国の非常に魅力的なライバルたちと真っ向勝負になるものではなく、おすすめしがたい。
絶対的なパフォーマンスと優れたエンジン、そしてサルーンらしい居住性に関しては、競合モデルに負けていない。ただしそれ以外の点では、クラス水準からかなり劣っている。
乗り心地はかなり快適だが、洗練性には疑問を覚える。パフォーマンスサルーンに期待するようなハンドリングの俊敏さやらしさ、運転への没入感はほとんどない。まったくないと言ってもいい。キャビンのクオリティや車載テクノロジー、操縦系のエルゴノミクスについては、1000万円を優に超える高級車に求めるレベルには程遠い。
このトロフェオは、モデル末期にあるクアトロポルテのオーダー数を一時的に引き上げるかもしれない。だが、マセラティブランドの評価を再び引き上げ、ポルシェやメルセデスAMG、アルピナやBMWの購買層を取り込めるようなものではなかった。
もちろん、われわれとしては今後のMC20のテストがマセラティにおける本命で、今回のトロフェオは前菜にすぎないのだが、それでももっとよくできていることを期待していた。寄り道せずに、いきなり本命を連れてくればよかったかもしれない。
担当テスターのアドバイス
リチャード・レーンフルサイズ高級車のマーケットは、この10年かそこらでなんらかの技術革新を見せてきた。それに早い段階からすっかり取り残されてしまったのがマセラティだ。次期クワトロポルテが生き残るには、現行モデルよりかなり先進性を高めたクルマになることが求められる。
マット・ソーンダース20年ほど前のマセラティは、じつに魅力的なブランドだった、と個人的には思う。ジャガーのワイルドさをちょっと増して、ラテン的にしたような印象だった。それが今や、欧州のユーザーの好みに合うところを見出しにくいものになってしまった。MC20がその状況を変えてくれることに期待するばかりだ。クアトロポルテ・トロフェオは、それができなかったのだから。
オプション追加のアドバイス
3190ポンド(約44.7万円)のドライバーアシスタンスパッケージ・プラスと、1585ポンド(約22.2万円)のバウワース&ウィルキンス製サラウンドオーディオはほしいところ。また、ショーファードリブンで使うなら、2045ポンド(約28.6万円)の4ゾーンエアコンも追加したい。
改善してほしいポイント
・サスペンションとステアリングに最新テクノロジーを用いて、走りのバーサタイル性を高めてほしい。
・マテリアルのリッチさと細部にこだわったキャビンの質感が足りない。
・右ハンドル化でオフセットがひどくなったドライビングポジションを修正してもらいたい。
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みんなのコメント
連中、外車には痘痕もエクボで、絶賛ヨイショばっかしだから。