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先代ゴルフRの予算で狙える アストン・マーティンDB9 英国版中古車ガイド 美貌の維持は楽じゃない

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先代ゴルフRの予算で狙える アストン・マーティンDB9 英国版中古車ガイド 美貌の維持は楽じゃない

DB7から大幅に新しくなったグランドツアラー

V型12気筒エンジンを積んだアストン マーティンDB9が、先代のフォルクスワーゲン・ゴルフRと同程度の予算で狙える。2万2000ポンド(約398万円)で次のクルマをお考えなら、見逃せない事実ではないだろうか。

【画像】先代ゴルフRの予算で狙える アストン・マーティンDB9 DB11とDB12 クラシックなDB4とDB5も 全126枚

実際のところ、不安なく楽しめるDB9をお望みなら、その倍近くまで予算は増やしたい。それでも、7代目ゴルフRより遥かにパワフルで、シリンダーの数は3倍。0-97km/h加速は1.0秒以上速い。しかも、見とれてしまう美貌の持ち主だ。

4万ポンド(約724万円)を支払っても、納得できる内容ではないだろうか。維持費を別にすれば。

DB9の発売は2004年。モデルライフは長く、2016年に生産が終了した。最も新しいモデルなら、まだラインオフから7年しか経過していない。

グレートブリテン島のゲイドンに竣工した新工場で生産された、最初のアストン マーティンが、このDB9。先代のDB7から大幅に新しくなった、グランドツアラーといえた。ただし、当初はリコールが多発したけれど。

不具合の多かった電気系統がアップデートされたのは、2006年。同時にフロントシートも新しくなり、スポーツパッケージがオプションリストに追加されている。

2009年にもマイナーチェンジが加えられ、5.9L V12エンジンの最高出力は456psから476psへ上昇。乗り心地の良いビルシュタイン・ダンパーが組まれ、センターコンソールの実用性も増した。

幸せな気持ちにするスタイリングやエンジン

2011年にスポーツパッケージ・プラスが登場。2013年にも小改良を受け、最高出力は517psへ。ボディは軽量化され、剛性も高まり、3モード・アダプティブタンパーが与えられた。

モデルチェンジ間際の2015年にDB9 GTが登場。V12エンジンは547psまで強化され、新しいインフォテインメント・システムを獲得している。

トランスミッションは、基本的に年式を通じて共通。ZF社製のパドル付き6速オートマティックか、オートブリッピングを決めてくれる6速マニュアルを選択できた。

6速ATがお望みなら、2009年に改良版へ交代している。予算があるなら、その後期型を選びたい。6速MTは、大きなアストンを操っているという実感を高める。中古車の取引価格に変わりはないが、珍しさは段違いだ。

コンバーチブルは、ヴォランテと呼ばれる。シャシー剛性が強化され、サスペンションは僅かにソフト志向へ振られている。電動ソフトトップは、17秒で開閉できる。

英国の場合、クーペよりヴォランテの方が流通量は多い。価格は6000ポンド(約108万円)前後高くなる。

DB9にはオプションが多数設定され、ふんだんに実装された例も存在する。望ましいチョイスが、スポーツパッケージ。それでも信頼性を考慮し、整備記録や現在の状態を優先して選びたい。

ヴォランテだけでなくクーペでも、DB9の人間工学には妥協が多い。フロントシート側も、広々とは感じられない。それでも、グラマラスなスタイリングを眺める度に、マッシブなV12エンジンを目覚めさせる度に、幸せな気持ちになれるはず。

新車時代のAUTOCARの評価は

工場は新しい。製造ラインは最新。迷わず選んで良さそうだ。接着剤で結合されたアルミニウム製プラットフォームをベースとする、まったく新しいDB9。2004年に誕生した、モダンなアストン マーティンだ。(2013年6月17日)

オーナーの意見を聞いてみる

ポール・ジェンナー氏

「2006年式のDB9 クーペを、10年ほど所有しています。現在の走行距離は9万9700km。わたしが購入してから、4万km程走りました。アストン マーティンのディーラーでの整備記録が残っており、好調を保っています」

「ガソリン代を除いて、維持費は年間2000ポンド(約36万円)程度必要です。燃費は市街地で5.0km/L、高速で9.0km/Lといったところです」

「ブレーキディスクとパッドの交換は、3万km前後で必要になります。費用は2000ポンド(約36万円)ですね。タイヤは長持ちするので、そこまで心配はいらないでしょう」

購入時に気をつけたいポイント

ボディとシャシー

シャシーやボディシェルは、アルミニウム製部品を接着剤で結合して構成されている。軽量・強固だが、修理は高くつく。ドアハンドル周辺やパネルの端が腐食しやすい。フロントノーズは飛び石傷で剥げやすく、再塗装されている例も多い。

エンジン

基本的に堅牢。シリンダーライナーのシール周辺が腐食する場合がある。タイミングカバー・シールの状態もチェックポイント。警告灯が灯っている場合は、予めアストン マーティンのディーラーでコンピューター診断を受けたい。

エンジンオイルの消費は多めで、1600km毎に250cc程度燃える。定期的にバルブトレインのノイズを確かめ、オイル量をチェックしたい。過去の整備記録も確認する。

トランスミッション

オートマティックは信頼性が高いが、変速が滑らかかは確かめたい。ATフルード・クーラーからフルード漏れしていないか調べる。パーキングに入らなくなったり、ニュートラルへ勝手に戻るというリコールが英国では出ているので、対応済みかも確認する。

MTの場合、クラッチは3万km程度で駄目になる。

ステアリングとサスペンション、ブレーキ

ステアリング系では、フロントサブフレームへの取り付け不良など、3件のリコールが英国では出されている。サスペンション系では、リアサブフレーム・ブッシュとアンチロールバー・ブッシュの不良でリコールが出ている。

DB9の車重は1760kgと重めで、足まわりには負担がかかりやすい。ウィッシュボーン・ボルトが固着して、アライメント調整が難しくなることがある。

ハンドブレーキは、正しく解除されるか確かめる。気づかずに走ると、ブレーキパッドが焦げてしまう。

インテリア

シートヒーターが過熱するというリコールが出ている。パワーウィンドウが不調の場合は、フレームラバーが原因のことが多い。レザーや天井の内張りの状態を、しっかり観察したい。

知っておくべきこと

安心してDB9と付き合いたいなら、認定中古車が良いだろう。価格は安くないものの、12か月の保証が英国では付いてくる。もちろん、納車前に完璧な点検・整備を済ませてくれる。

10年前までの車両が認定中古車になれるため、今なら2013年式以降を探せる。執筆時点では、2014年式で5万6300kmのDB9が、6万4500ポンド(約1167万円)で売りに出ていた。

英国ではいくら払うべき?

2万ポンド(約362万円)~2万9999ポンド(約542万円)

2005年式までのDB9を、英国では探せる価格帯。当然ながら、値段が高くなるほど状態も良くなる。

3万ポンド(約543万円)~3万9999ポンド(約723万円)

2009年式以前の、状態の良い例を探せる。

4万ポンド(約724万円)~5万4999ポンド(約994万円)

2009年以降の、パワーアップしたDB9が出てくる。

5万5000ポンド(約995万円)以上

後期型のDB9をご希望なら、この価格帯まで奮発したい。

英国で掘り出し物を発見

アストン マーティンDB9 登録:2004年 走行距離:8万6900km 価格:2万1995ポンド(約398万円)

驚くほどお手頃価格なDB9。4オーナー車で、19枚の整備記録が残っている。異音はないという。可能なら、予め知識を持ったメカニックによる点検を受けたいところ。

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みんなのコメント

5件
  • 余程この車じゃないとダメと思わない限り手を出したらダメな部類。かつて中古のマセラティに手を出しあっという間に買った値段を上回る整備代かかった。フェラーリや空冷か役物ポルシェみたいにちゃんとリーセル出来たらいいんだけどね。安く買えるということは安くでしか売れない。 売ることを二の次第一には愛、そうじゃないと無理だよ。
  • 日本でいくらかかるかを書いてよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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