セルジオ・ペレスの将来に懸念が生じるなか、レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、F1サマーブレイクの間に彼の今後について評価を行う予定であると発言した。
つまり、ペレスがシーズン後半もレッドブルで走り続けられるかどうかは、次の2戦、ハンガリーとベルギーでの成績にかかっている可能性がある。
F1コラム:レッドブルの優位喪失でのしかかる重圧。セナ的スタイルで失敗するフェルスタッペンと窮地に立つペレス
レッドブルは今年の6月にペレスとの契約延長を発表、彼が2026年末まで残留することを明らかにした。しかし、その契約には、解除条項が含まれているといわれる。ひとつは、ドライバーズ選手権でチームメイトのマックス・フェルスタッペンとの差が100ポイントを超えた場合、レッドブルがペレスとの契約を解除できるというパフォーマンス条項だ。
第12戦イギリスGP終了時点で、ペレスはフェルスタッペンに137ポイントもの差をつけられている。
さらに、ペレスの契約には、ドライバーズランキングにおいてフェルスタッペンから5ポジション以内に入るという条件が定められているとも伝えられている。イギリスGP終了時点でフェルスタッペンがランキング首位に立っているのに対し、ペレスは6位に沈んでいる。7位ジョージ・ラッセルと8位ルイス・ハミルトンは、ペレスからそれぞれ7点差と8点差に並んでおり、メルセデスの今の勢いを考えるとペレスを逆転してもおかしくない。
率直な発言をすることで知られるマルコは、F1の契約における解約条項は、特にトップドライバーの場合、珍しいことではないと語った。
『GrandPrix247』のインタビューにおいて、契約上、100ポイント以上の差をつけられた場合、ペレスの契約を終わらせることができるというのは本当かと聞かれ、マルコは「すべてのF1の契約には解約条項があり、そのほとんどはパフォーマンスに関連するもので、いわばトップドライバー向けのものだ」と答えた。
「前にも言ったように、我々はサマーブレイク中に評価を行い、その後で決定を下す予定だ」
ペレスが外される場合、誰が後任を務めるのかも、大きな関心の的となっている。有力候補のひとりは、リザーブドライバーのリアム・ローソンだ。
昨年アルファタウリ(現RB)でF1デビューを果たしたローソンは、先週、シルバーストンでレッドブルの現行マシンRB20によるテストを任された。ローソンはベルギーGPの後、再びF1テストを行う予定だと、マルコは明かしている。
一方、RBの角田裕毅は、今年キャリア最高のシーズンを送り、8度のグランプリ優勝経験を持つチームメイト、ダニエル・リカルドを上回る成績を残している。マルコも「角田裕毅は非常に良くやっている」と認める。
角田は昨年までよりも走行中に冷静さを保てるようになってきており、それがパフォーマンス向上に役立っているとみる者も多い。無線での発言が注目されがちだった角田に対して、注意をしたのかとの問いに対し、マルコは「もちろんだ」と答えた。
「裕毅とは何度も議論をした。彼をメンタルトレーナーのところに連れて行ったりもした。まず、(無線で)怒鳴るのはばかげたことだし、彼は遅くなっていった。私が一番心配したのはそのことだった。我々は彼に教えようとした。『エンジニアに“マシンがダメだ”と言ったとしよう。そう言われた人間に何ができるのか』というようにだ」
「(怒鳴るのではなくて)詳しい技術情報を提供しなければならない。集中して、問題が何であるかを正確に見つけ出さなければならないのだ」
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