2022年の初めに新しいテクニカルレギュレーションが導入されて以来、ほとんどのF1チームにとってマシンの軽量化は「やるべきことリスト」のトップに位置している。
今から2年前、その年の最初のプレシーズンテストが行われたカタロニア・サーキットでは、いくつかの新車が最低重量を20kgも上回っていた。この問題は各チームにとって非常に重要であり、全10チームのうち9チームが最低重量を795kgから798kgに引き上げることを支持するしたほどだ。
フェラーリF1代表、シーズン中にテストがなければ挽回は難しいと認めるも「コスト制限下での再導入は不可能」
この投票結果はただ1チームだけ反対に回ったアルファロメオ・ザウバーを失望させることとなった。なぜなら、スイスチームはこの一連の規制に基づいて造られた最初のクルマを最低重量の範囲内に抑えることができた唯一のチームだったためだ。
昨季2023年でさえ、23戦中22勝という絶対的な強さを見せたレッドブルは『RB19』が最低重量より10kg以上重い状態でチャンピオンシップを開始した。しかしミルトン・キーンズのチームは、シーズン中に導入されたふたつの主要アップデート(とくに最初の改良)において軽量化にフォーカス。シーズン終盤には支配的なクルマのバランスを助けるためにバラストが使えるようになった。つまり、最終的には798kgをわずかに下回ることができたのだ。
一方、コンストラクター選手権でランキング3位に終わったフェラーリは、2023年シーズンのほとんどを最低重量を6kg上回るクルマで過ごした。チャンピオンチームがマシンの軽量化に取り組むなか、マラネロのチームはエアロとメカニカル開発に開発作業を集中させた。
スクーデリアの新しい技術首脳陣は、シャルル・ルクレールとカルロス・サインツがドライブした『SF-23』の基本的なコンセプトに欠陥があると考えており、ほとんどの問題を解決するために別の方向に向かっていたのだ。
さて、2024年に登場するフェラーリの新車『SF-24』については、軽量化にも取り組む時間とリソースがあった。マラネロの情報筋によると、クラッシュテストを最初の試験でパスした新しいクルマは、すでに798kgの最低重量を下回っているという。このことは、イタリアのチームも今季はクルマのセットアップをにおいて、バランスを助けるためにバラストを使用することができることを意味している。
フェラーリが冬の間に削減することに成功した余剰分の6kgは、平均ラップタイムに換算すると約0.2秒に相当すると考えられる。この分のペースが単純に向上することになれば、予選でも決勝でも大きな違いを生むだろう。
SF-23がようやくモナコ人ドライバーの好むように機能し始めた2023年シーズンの終わりに、ルクレールがどれほどの速さを見せていたかを考えれば、チームの予選パフォーマンスにとって大きな追い風となるだろう。
また、レースでは軽量化はラップタイムを向上させるだけでなく、タイヤマネジメントにも大きな影響を与えることになる。今の段階で断定はできないが、跳ね馬の赤いクルマは昨シーズンよりもピレリのラバーに優しくなるはずだ。
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