IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のシーズン開幕を告げる伝統の一戦、デイトナ24時間レースが行なわれ、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの7号車963を駆るデイン・キャメロン、フェリペ・ナッセ、マット・キャンベル、ジョセフ・ニューガーデン組が総合優勝を果たした。
ポルシェにとってはこれが19回目のデイトナ総合優勝。エンジンサプライヤーとしてはそこに4回がプラスされる。パートナーを組むペンスキーとしては、1969年以来の勝利となった。
■アロンソとノリス、ふたりのスターが共闘し輝いた……知る人ぞ知る2018年デイトナ24時間
相次ぐクラッシュで幕を開けたレースでは脱落者も相次ぐ中、GTPクラスの優勝争いはポルシェ7号車と、昨年のシリーズ王者ウェーレン・キャデラック・レーシング(アクション・エクスプレス)の31号車Vシリーズ.Rを駆るピポ・デラーニ、ジャック・エイトケン、トム・ブロンクヴィスト組との一騎打ちとなった。
早めのピットストップを行なっていたキャデラック31号車のブロンクヴィストは、GTDクラスのフェラーリやポルシェ7号車に乗るナッセを一気にオーバーテイク。残り72分というところでトップに立った。
このバトルで大きなロックアップをしてしまったナッセは無線で「大きな振動」を訴えて3.7秒差まで後退したが、ブロンクヴィストがヘアピン状のターン3”インターナショナル・ホースシュー”でマシンの挙動を乱してタイムを失い、トップ2が接近。レースが残り1時間となる中で、上位陣のドライバーも激しく攻め始めた。
ブロンクヴィストはその後、4位を走っていたポルシェ6号車を周回遅れとする際にさらにナッセの接近を許した。
両者のトップ対決が再びヒートアップしてきた矢先、ピットアウトしていたGTDクラスポールスタートの12号車ヴァッサー・サリバン・レーシングのレクサスRC F GT3が炎上。クラス2位が狙えたはずだったパーカー・トンプソン、アーロン・テリッツ、フランキー・モンテカルボ、宮田莉朋組の2024年デイトナ挑戦は残り50分で終了となった。このアクシデントでフルコースコーションとなった。
レースは残り30分で再スタート。ナッセのポルシェ7号車はキャデラック31号車より少ない給油量でピットを離れたことでブロンクヴィストの前でコースに戻った。
全車がレーシングスピードに戻ると、ナッセはマシンを左右に振ってブロンクヴィストにスリップストリームを与えないよう走り、トップをキープ。ブロンクヴィストはナッセの1秒後ろでチャンスを伺った。
2台は残り20分というところでGTDクラスの集団に差し掛かったが、ここでもナッセはブロンクヴィストからのプレッシャーに耐えた。24時間レースの残り5分という段階で、その差は0.5秒だった。
ブロンクヴィストは度々ターン1でナッセに迫るも抜ききれず。最終ラップでバックマーカーが現れたことで形勢がナッセにさらに傾き、そのまま7号車ポルシェがトップチェッカー。キャデラックの31号車は2.112秒差の2位でチェッカーを受けた。
GTPクラスの3位はウェイン・テイラー・レーシング with アンドレッティの40号車アキュラARX-06(ルイ・デレトラ、コルトン・ハータ、ジェンソン・バトン、ジョーダン・テイラー組)。レース開始から4時間が経過した時点でパワステのトラブルが発生して大きく後退したものの、フルコースコーションを利用してトップと同一ラップに戻ることができた。今年のデイトナでアキュラは、僚機10号車もトラブルに見舞われた。
なおLMP2クラスでは、18号車エラ・モータースポーツ、4号車クラウドストライク・レーシング by APR、52号車インターユーロポール by PR1マティアセン、74号車ライリー、8号車タワー・モータースポーツの5台によるクラス優勝争いが繰り広げられたが、ライアン・ダルジールとコナー・ジリッシュ、ドワイト・メリマンからバトンを引き継いだ18号車エラのクリスチャン・ラスムッセンが終盤にライバルを引き離して勝利を手にした。
またGTD Proクラスでは、ダニエル・セラ、ダビデ・リゴン、アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラドという強力布陣で挑んだ62号車リジ・コンペティツィオーネのフェラーリ296が優勝した。
プロ・アマカテゴリーとなるGTDクラスでは、57号車ウィンワード・レーシングのメルセデスAMG GT3(フィリップ・エリス、インディ・ドンジェ、ダニエル・モラド、ラッセル・ワード)が優勝。ケイ・コッツォリーノが終盤に猛追を見せた21号車AFコルセのフェラーリ296は2位表彰台を掴んだ。
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