ボンドカーといえば、アストンマーティンと相場が決まっている。なかでもきわめつけは映画『ゴールドフィンガー』(1964年)に登場した「DB5」だろう。
2018年8月にアストンマーティンは、この歴史的スポーツカー、DB5を25台限定で再生産すると発表した。
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「できるかぎりオリジナルに忠実に。ただし改良すべきところは改良します」。プレスリリースではそう謳っている。
DB5は1963年に発表された。DB4GTのアップデート版だが、3連のSUカーブレターを装着した3995cc直列6気筒エンジン(282英馬力)をあらたに搭載していた。
さらに、新開発の5段マニュアル変速機やガーリング社のディスクブレーキなども採用。65年には電動ウィンドウや油圧ブレーキシステムなど、高価なGTにふさわしい装備も用意していたのである。
「ジェイムズ・ボンド映画とアストンマーティンに強い結びつきを感じてくれるファンは、いまでも大勢いると思います」
アストンマーティン・ラゴンダのアンディ・パーマーCEOは談話を発表している。
「なかでもゴールドフィンガーに出てくるDB5に乗れたら? 当時と同じ工場で作られたモデルを買えたら、それこそ究極の夢の実現でしょう」
今回、DB5のリプロダクションを手がけるのはアストンマーティン・ワークス。熟練したアストンマーティンの職人が内外装を仕上げていく。パートナーは映画制作のイオン・プロダクションだそうだ。
25台の新DB5は1964年型のスペックで作られる。外板色も映画と同じシルバーバーチのみだそうだ。加えて回転するナンバープレートなど映画のボンドカーに準じた装備も検討しているとか。銃火器類は無理だろうが(笑)。
業界ではジャガー・ランドローバーがかつての“名車”の継続生産に熱心だ。ジャガーEタイプ(1961年)をはじめ、マックイーンも愛したというXKSS(1957年)、それに初期型ランドローバーを手がけている。
ガソリンでクルマが走れなくなるかもしれない時代を前に、各メーカーが“遺産”に注目しているのは興味ぶかい傾向といえる。
予定している価格は275万英ポンド(+税)。1ポンド140円として約3億8500万円となる。デリバリー開始は2020年とアストンマーティン・ラゴンダではしている。
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