新車当時そのままの姿を保ったLFA
2023年8月17日~19日、RMサザビーズがアメリカモントレーで開催したオークションにおいてレクサス「LFA」が出品された。今回はいくらで落札されたのか、同車について振り返りながらお伝えしよう。
レクサスLFAが1億円にランクル1000万円! 極めつけは300 SLが8億円で落札された驚愕の最新オークション5台
アメリカに出荷された27台のうちの1台
世の中には走るためではなくコレクションとしてクルマを購入できる、心と財布に余裕のある人、というのはいるものだ。今回RMサザビーズオークションに出品された2012年式のレクサスLFAは、まさにそういうクルマだった。
この個体はアメリカ・カリフォルニアのレクサス・オブ・ウエストミンスターというディーラーで新車販売された、北米仕様車である。シリアルナンバーは188。2010年12月から市販モデルの生産が開始され、2012年12月にそのすべての生産が終了したと発表されたのだが、そのうちアメリカへ出荷されたのは、ニュルブルクリンクパッケージを除くと27台といわれている。つまりこれは、27台中の1台ということになる。
空調管理されたガレージで保管されていた
そんな希少なモデルであるLFAを購入したオーナーは、走ることをまったく考えていなかったようだ。今回の出品にあたって各部のチェックを受けているが、まず走行距離は47マイル(約75.2km)でしかない。これはディーラーから自走でガレージに向かったとは、とても考えられない距離である。おそらくは納車時、トランスポーターでガレージまで運んだのであろう。そして現在までのおよそ11年間、コンディションチェックのために動かす以外は、保管されていたはずだ。
その保管も、空調管理されたガレージでおこなっていた。そのため、写真を見てもらえばわかると思うが、樹脂パーツには新品同様の艶があって劣化の“れ”の字もないし、ゴムパーツも昨日付けましたけど? といわんばかりの美しさを保っている。
インテリアのブラックやレッドのレザーにしても、ちょっとでも走っていればついてしまうような擦れや傷もなく、シートに至ってはビニールで保護されたままとなっている。まさにコレクションとしてのLFA、という状態である。
そうなると心配なのが、エンジンやトランスミッションなど、動かさなければ状態が悪化する可能性のある箇所。それについては、オークションマスターのノートには記載されていない。しかし、ここまで気を遣って保管をしてきたオーナーが、珠玉の1LR-GUE型V10エンジンの状態悪化を考えていないわけはない。アイシン製シングルクラッチ式セミオートマの状態も含めて、一定期間ごとにクルマを動かし、コンディションを保っていた結果が、47マイルという走行距離として現れているのだろう。
そんなシリアルナンバー188のLFA、エスティメートは70万USドル~90万USドル(約1億200万円~1億3120万円)となっていた。そりゃそうだ、という納得のエスティメートである。だが、落札価格はさらに高額な110万5000USドル(約1億6100万円)となった。オークションには参加していないので、実際どんな競り合いがあったのかはわからない。しかし、おそらくはどうしてもこの個体、新車当時そのままの姿を保ったLFAがほしい、という人が複数いて、熱く競り合ったのだろうと想像する。
LFAが発表されたとき、時間が経てばこうやって高騰するだろうな、ということはもちろん想像できていた。しかし購入するだけの財力や保管設備があったとしても、これだけ魅力的なクルマを目の前にして、乗らずに我慢するなんていうことは、筆者にはできない。いや、2台買うことができるのなら、1台は乗って楽しみもう1台を保管する、ということができたのかもしれない。
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みんなのコメント
車なんか走らせて楽しむものなのでは、、