フランス恋愛映画にて存在感を披露したミウラ
ともに19世紀末に誕生した、「自動車」と「映画」はとても親和性が高い。
もともと産業革命以後の最新テクノロジーから生まれた「文明」として誕生しつつも、いつしか「文化」へと昇華し、全世界に熱心な愛好家を得るに至ったのは自動車と映画くらいのもの。また、これまで銀幕には数多くのクルマたちが登場してきたことも、誰もが知ることであろう。とりわけ、まさしく名車というべきクルマたちが名演を披露してきた事例も、決して少なくはない。
そこでこの特集企画では、名画に登場した名車たちをピックアップし、そのエピソードを探ってみることにした。第2回となる今回は、あるフランス映画に出演した元祖スーパーカーについてお話ししたい。
元祖スーパーカー「ランボルギーニ ミウラ P400」がトミカで登場! 1/64スケールながらフロント・リアカウルの開閉まで再現。
1970年代初頭の欧米、ことにフランスやイタリアでは「年上の美女にハイティーンの少年が恋をする……」というプロットの恋愛映画が、まさに一大ムーブメントのごとく多数製作された。ほろ苦くも爽やかな失恋物語から、イタリアの「青い体験」シリーズに代表される、ちょっとセクシーなコメディに至るまで様々な作品が製作され、世界中の少年たちをときめかせたことをご記憶の向きも多いだろう。
今回取り上げさせていただいた、1968年のフランス映画『La Leçon Particulière:個人教授』は、まさにそのブームのその火つけ役になった一本と言えよう。そして、この映画で重要な役割を果たすとともに、銀幕に強烈なインパクトをもたらしたのが、ランボルギーニ・ミウラであった。
ルノー・ヴェルレー扮する18歳のオリヴィエは、パリの名門校に通うエリート高校生。ある日パリの街中にて、鮮やかな黄色のランボルギーニ・ミウラが立ち往生しているところに遭遇することになる。ミウラを運転していたのは、ナタリー・ドロン演ずる若くて魅力的な女性フレデリク。異次元的なミウラと美しい女性の組み合わせに好奇心を覚えたオリヴィエは、渋滞の真っただ中でエンストしているミウラの運転席に乗り込み、プラグをカブらせていたV12エンジンを一発で始動することに成功。アマチュアラリーストである従兄から教わったというオリヴィエの運転技術を信用したフレデリクは、ミウラと自分を家まで送り届けてもらうことにする。
はじめは好奇心から知り合ったフレデリクだが、彼女の魅力に次第に惹かれていったオリヴィエは、古典英語に精通した彼女から「個人教授」をしてもらうという理由をつけて、しばしば会うことになる。しかしフレデリクは、世界的なイタリア人レーシングドライバー、ロベール・オッセン演ずるエンリコ・フォンタナの恋人だった。世界中のレースを転戦するフォンタナに対し、寂しさを感じつつあったフレデリクは、次第にオリヴィエの気持ちに応えようとするのだが、ある事件を契機に、フォンタナのフレデリクに対する一途な想いを知ってしまったオリヴィエは自ら身を引くことになった……。
背伸びしても敵わない壁のような存在
恋愛モノのストーリーとしては、当時でも既に使い古されたような物語ではあるが、恋愛映画のエキスパートとして活躍していたミシェル・ボワロン監督は、ヴェルレーの青臭い魅力を巧みに生かし、報われぬ恋に悩む少年の成長を、悲しくも軽妙に描いている。
アラン・ドロンの元夫人としても知られるナタリー・ドロンの、ちょっと中性的な美しさ。フランスのギャングムービー“フィルム・ノワール”には欠かせない存在だったヴィラン(悪役)スター、ロベール・オッセンの渋い存在感。さらに、この時代のフランス映画では常連とも言うべき作曲家、フランシス・レイの手掛けた哀愁漂うBGMも相まって、ある種のスタイリッシュさも感じさせる佳作となっているのである。
そしてこの作品において、あたかも代名詞のごとく語られているのが、フォンタナの愛車として登場するランボルギーニ・ミウラである。シックなパリの街で、鮮やかな存在感をぶつけてくるミウラは、オリヴィエ少年にとってのフォンタナが、いくら背伸びしても敵わない壁のような存在であることを言外に示すシンボルとして描かれていたのだ。
出演したミウラ、その後の行方
蛇足ながら、この映画に出演したランボルギーニ・ミウラは最初期モデルのP400で、映画の制作・公開と同じ1968年に作られたといわれている。
この個体は映画の出演後もヨーロッパで複数のオーナーのもとを渡り歩いたのち、今世紀以降は自身の自動車ミュージアムを設立しようとしていた、さるフランス人コレクターによって所蔵されていたことが判明している。
また、クラシックカー/コレクターズカーのオークションハウスとしては業界最大手であるRMサザビーズ社が、2020年6月に開催したオークションに出品されたことでも話題を呼んだ。
オークション出品当時は不動状態で、修復には数千万円レベルのコストを要するようなコンディションにありながらも、71万5000ユーロ(当時の邦貨換算で約8700万円)という高価格で落札されたのは、映画「個人教授」に出演したことが、ランボルギーニ・ミウラにとっても象徴的な出来事であったことを示す、一つの証のようにも感じられるのである。
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