■スズキとトヨタ、初となる「BEVのOEM供給」実現へ!
2024年10月30日に、スズキとトヨタはパートナーシップをさらに発展させ、新たな協業プロジェクトとしてスズキが開発するSUVタイプのバッテリー電気自動車(BEV)をトヨタへOEM供給する方針を決定しました。
この新たなモデルは、インドのスズキ・モーター・グジャラート工場で2025年春から生産が開始される予定です。
【画像】「えぇぇぇぇッ…!」これがスズキの新型「SUV!?」です!(33枚)
スズキとトヨタはともに、静岡県西部(遠州地域)を発祥の地とし、当初は織機の製造を行っていた歴史を持っています。
両社は時代の変化に伴い自動車産業に進出し、さらなる成長を遂げてきました。
2016年にスズキの鈴木修会長(現在は相談役)とトヨタの豊田章男社長(現会長)との間で業務提携の可能性を模索する会談が行われて以降、両社は多方面で協力関係を築いてきました。
協業の範囲は、生産体制の強化やOEMによる相互供給、さらにEVの普及にまで広がっており、日本、インド、ヨーロッパ、アフリカ、中東といった世界各地で協業車両の展開を行っています。
今回の協業では、スズキとトヨタの協業をより深め、初のBEVによるOEM供給が実現します。
この新しいSUVは、グローバル市場において順次販売が予定され、急成長しているSUV市場においても、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するためのEVの選択肢が増えることとなります。
ボディは専用設計によってBEVとしての優れた走行性能と快適な車内空間を実現しており、充電効率を向上させつつ、日常での使用に十分な航続距離も確保しています。
また、BEVならではのキビキビとしたシャープなハンドリングを特徴とし、SUVとしての優れた走行性能と併せ、悪路も安定して走破できる4WDシステムが装備されているのも大きな魅力とのこと。
さらに、このSUVに採用されるバッテリーユニットとプラットフォームは、スズキ、トヨタ、ダイハツの3社がそれぞれの技術的な強みを活かして共同で開発したものだといいます。
このプラットフォームは高い安全性と効率を追求した設計となっており、各社の技術が結集することで、優れた性能と持続可能なモビリティの提供が実現しているとのことです。
スズキとトヨタは、今後も持続可能な社会の実現に向け、ユーザーにさらなる選択肢と移動の自由を提供し、共にカーボンニュートラルの達成に向けて努力を続ける決意を新たにしています。
この協業によって、EV市場のさらなる拡大が期待されており、2社の協力体制は今後も多方面での成長と革新を牽引するものとなるでしょう。
これらの方針決定について、スズキの鈴木俊宏社長は次のように述べています。
「今回、スズキ初のBEVをトヨタへグローバルにOEM供給いたします。
こうして両社の協業関係がさらに深化したことを大変うれしく思います。
これからもトヨタとは互いに切磋琢磨する競争者であり続けながら、マルチパスウェイでのカーボンニュートラル社会の実現など、社会課題の解決に向けて協業を深めてまいります」
また、トヨタの佐藤恒治社長は、次のようにコメントしています。
「今回、共同開発したBEVユニットとプラットフォームを活用して、EV分野で協業の新たな一歩を踏み出し、カーボンニュートラル社会に貢献する多様な選択肢を世界各地のお客様にお届けしてまいります。
今後とも、マルチパスウェイの考え方を軸に、お互いの強みを学び合い、競い合いながら、ともに汗を流してまいりたいと思います」
※ ※ ※
なおベース車に関して今回詳細は明かされていませんが、スズキは「ジャパンモビリティショー2023」にてSUVタイプのBEV「eVX」をお披露目しています。
その際にスズキの担当者は「2025年以降に、欧州やインド、日本でeVXをベースにした車両の開発を検討している」としており、今回のベースとなると見られます。
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