アジア市場で人気を博しているのが150ccクラスのスポーツモデル。扱いやすいコンパクトな車体と軽快なフットワークが生む楽しい走り、手ごろな価格と、魅力的なモデルが各メーカーから登場している。今回ご紹介するCBR150Rもそんな1台だ!
キレのいいフットワークと使い勝手に優れたスポーツ
2002年のデビュー以来、生産国のタイでスポーツ指向のライダーから支持されてきたCBR150Rだが、東南アジア圏の市場変化に伴ってインドネシア生産となり、17年型から外装を一新。
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CBR250RR/1000RRの流れを汲むデザインになった。
コミューターとして使われることも多かった従来型とは「まったく違う」と言わんばかりだ。
走り出してすぐに感じるのが前後サスペンションのバランスが最適化されたこと。
前モデルはタンデムでの安定性を保つためかリアのスプリングが硬めで、ライダーの操作に素早く反応する反面、ギャップ通過時の突き上げの大きさと、深いバンク角での唐突なリアタイヤの滑り出しが気になった。
対して新型は、フロントとのバランスが取れて、ブレーキングからフルバンクまでの車体姿勢変化がしっとり自然な動きになり、フルバンク中の安定性も向上。
ライダーとの一体感が高いポジションと併せ、スポーツモデルらしいハンドリングに仕上がっている。
ボア×ストロークは57.3mm×57.8mmのスクエアタイプ。
全回転域でフラットなパワー特性が与えられているのでズボラな操作でもグズらない。
7000~1万回転を保てば125ccよりも明らかに力強く、スロットルワークに忠実に反応するから、車体バランスの良さを活かして小気味よく走れる。
市街地走行を意識してか、フロントブレーキの初期制動が甘めなので、食い込み感の高いリプレイスパッドに交換し、スポーツ指向のタイヤに履き替えればサーキットライディングも存分に堪能できるだろう。
150ccという排気量は250cc車と同じ軽二輪に区分されるので高速道路も走れる。
6速・100km/hでは約7500回転だから「回っている感」があることは否めないが、ピークトルクの発生回転域だけに追い越し加速でのシフトダウンは不要。
テストコースでの最高速はメーター読み140km/h程度だったので高速道路クルージングでも余裕ありとまでは言えないが、都市高速の速度域なら合格点だし、手足がしびれるような振動も耳障りなノイズもないので、カタログスペックから想像するよりも快適。
優しい乗り心地と併せ、長距離走行も苦にならない。
ABSモデルの価格は約48万円で、国内仕様CB125Rの約3万円高。
秘めたスポーツ性と、高速道路走行OKによる使い勝手を考えればかなり割安だと思う。
SPECIFICATION
全長×全幅×全高1983×694×1077mm
ホイールベース/車両重量1309mm/137kg
最低地上高/シート高NA/787mm
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
総排気量149cc
ボア×ストローク/圧縮比57.3×57.8mm/11.3
最高出力/最大トルクNA/NA
燃料供給方式/燃料タンク容量PGM-FI/12L
キャスター角/トレール量NA
変速機形式6速リターン
ブレーキ形式 前・後ディスク・ディスク
タイヤサイズ 前・後100/80-17・130/70-17
RIDING POSITION
身長:176cm 体重:62kg
絞り角の大きなハンドルを低くセットしてあるので上体の前傾度はSSモデル的だが、シート前寄りに座ればリラックスしたポジションも取れる。
シート高は787mmと低く、乗車時の沈み込みと併せて足着き性はすこぶる良好。
ステラの「私も乗ってみました」
車体が軽くてコンパクトなCBR150Rは、本当に「ひらひら」という言葉がピッタリの軽快な走り。
エンジンをどう回せば楽しく走れるかというコツをつかみやすく、よく聞く「使い切れるパワー」というのがどういうものなのか少しわかったような気がしました。
ライポジは誰にでも扱いやすいナチュラルなもので、タンデムはライダーにしがみつく姿勢になりますが、視界は非常によく、景色を思い切り楽しめます。
DETAILS
シャープな釣り目の2眼ヘッドライトはLED。
CBR250RRをさらに精悍にしたようなデザインで、マシンのキャラクターにマッチしている。
DOHCシングルユニットは力強いフラットな特性。
扱いやすく、ストリートでは心強い味方になってくれるパワーユニットだ。
このクラスとしては非常に豪華なリンク式リアショックを採用。
マフラーは容量の大きな多角形断面のサイレンサーが特徴。
フロントフォークは正立、ブレーキははペータルディスクを採用。
タイヤは100サイズでスリムな分、軽快なハンドリングにも寄与。
[ アルバムはオリジナルサイトでご覧ください ]
PHOTO:森 浩輔 TEXT:太田安治、木川田ステラ、本誌編集部
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