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【クルマの通知表】キュートなスタイリングで大好評! コンパクトで広い、トヨタ・シエンタのフレンドリーワールド

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【クルマの通知表】キュートなスタイリングで大好評! コンパクトで広い、トヨタ・シエンタのフレンドリーワールド

3代目も販売絶好調。ボディは使いやすい5ナンバー規格

 シエンタは3列シート・ミニバンの中で最もコンパクトな存在だ。歴代どれもが、取り回しのよさと利便性、そして個性的なデザインで人気を博してきた。
 2003年に登場した丸目の初代は、モデル末期まで好調な売れ行きをキープ。法規対応などにより2010年に生産終了となったものの、販売を求める声が大きく、約9カ月後に再生産という異例の措置が取られた。
  2015年にモデルチェンジした2代目は、トレッキングシューズをイメージしたキュートなデザインを採用。ハイブリッドが新設定され、高い販売比率を占めるようになる。

どちらも販売絶好調! シエンタとフリード、2台の魅力と完成度を比較【本誌取材ノート】

 現行3代目も評判は上々、販売は絶好調である。スタイリングはちょっぴり欧州車感覚。見た目のアクセントにもなっている黒いラインは、ボディを傷から守るプロテクターとしても機能する優れもの。もちろんリアドアは左右ともにスライド式である。

 ボディサイズは5ナンバー規格に収まる全長×全幅×全高4260×1695×1695mm。「このサイズがいい」というユーザーは少なくなく、その声に応えて全長と全幅は旧型と共通、全高だけ20mm高くなり、室内高は余裕を増した。
 新型は車体形状の絞り込みを小さくした。その効果で着座すると、とくに2列目のヘッドクリアランスと、頭の横方向の余裕が増していることがわかる。

 乗降性もいい。サイドシルがMクラスミニバンより低いうえに、スライドドアの開口部の天地高が増して、一段と乗り降りしやすくなった。3列目シートも乗り込んでしまえば想像するよりも広くて使いやすい。

 インテリアはソファのような生地のシートをはじめ、質感がすいぶんとアップした。いたるところに収納スペースが配されているのも魅力だ。インパネは初代がセンターメーター、2代目はハンドルの上にメーターを配置する独特の作りだったが、3代目は一般的なレイアウトに変更。水平基調の造形と各部の工夫で見切りがよくなり、車両感覚がつかみやすくなった。
 フロントピラーの付け根部分はやや太い。交差点では横断する歩行者と、ちょうど重なる可能性もある。注意が必要だろう。

あくまでナチュラルな走り味。燃費とハンドリングも優秀

 走りは、いい意味で自己主張が弱い。全般的にスムーズで静かだ。使っていて気になる点はなく、実にそつがない。売れ筋のハイブリッドは、最新のトヨタのハイブリッド車らしく瞬発力があり力強い。発進時に無意識にアクセルを踏み込むと、体がシートに押し付けられるほど。走行モードでエコを選んでもモーターの強みで出足はまずまず力強く、ストレスは感じない。

 駆動バッテリーは、従来型を搭載する。アクアが採用したバイポーラ型ではない。開発陣に聞くと、「従来型のほうが、コストやサイズ面でシエンタに適するから」だという。燃費は優秀。今回のテストモードではカタログ値の28.2km/リッターを上回る29.8km/リッターをサラリとマークした。実用燃費は素晴らしい。

 走行中の車内の会話明瞭度が、コンパクトクラスとは思えないほど高いことにも驚いた。後席の乗員とストレスなく会話ができる。新型は各部の遮音を徹底し、ルーフ回りに減衰特性を備えた構造用接着剤を配して効果的に雑音を吸収する対策を実施したそうだ。

 プラットフォームは前半をTNGA化するとともに、後半は従来ユニットを大幅に改良してバッテリー搭載位置の最適化を図った。足回りはまとまりがよく、乗り心地と操縦安定性がほどよくバランスされていた。

 スッキリとしたステアリングフィールは好印象。走りの一体感を生み出し、重心の高そうな感覚も受けない。ハンドルの切れ角は大きく、小回りが利く。ドライブしていると、ミニバンというより、ヤリスなどのコンパクトカーと同じような感覚で乗れる。それでいて車内は圧倒的に広いのだ。このあたりは、シエンタを積極的に選ぶ理由になりそうだ。

 乗り心地もおおむね快適。新型は全車のタイヤを15インチに統一。より硬さを感じない乗り味となった。後席ではややコツコツとした印象もあるが、それほど気にならない。素直で安定したハンドリングとあいまって、パッセンジャー全員が心地よさを味わえるセッティングになっている。

 インフォテイメント系や運転支援系装備も、このクラスでこれ以上はないほど充実している。とにかくそつがない。シエンタはストレスを感じさせない、愛すべき万能コンパクトミニバンである。

通知表/トヨタ・シエンタ・ハイブリッドZ(7名乗り/FF) 価格/291万円

総合評価/74点

Final Comment

すべてにわたる高い完成度が印象的。
便利でスタイリッシュで広い、愛すべき存在

 このサイズのモデルで、これほど完成度の高いクルマは他にない。本当に万能でよく出来ている。車内の作りはよく、利便性が高い。そして安っぽさも感じない。車重が重く車高が高いから、もたついてぐらつくと思っていたが、実に気持ちよく自然に走る。しかも実走燃費が良好で驚いた。ヤリス系BROS車とは、クルマの作り込みがひと味違う。先進装備が満載されているのも大きな魅力。新型は誰からも愛されるキャラクターの持ち主に変身している。実力は極めて高い。

トヨタ・シエンタ主要諸元

グレード=ハイブリッドZ(7名乗り)
価格=THS 291万円
全長×全幅×全高=4260×1695×1695mm
ホイールベース=2750mm
トレッド=フロント:1490/リア:1480mm
最低地上高=140mm
車重=1370kg
エンジン=1490cc直3DOHC12V(レギュラー仕様)
最高出力=67kW(91ps)/5500rpm
最大トルク=120Nm(12.2kgm)/3800~4800rpm
モーター最高出力=59kW(80ps)
モーター最大トルク=141Nm(14.4kgm)
WLTCモード燃費=28.2km/リッター(燃料タンク容量40リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:27.1/29.8/27.6 km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=185/65R15+スチール
駆動方式=FF
乗車定員=7名
最小回転半径=5.0m

主要装備:プリクラッシュセーフティ/レーントレーシングアシスト+レーンディパーチャーアラート/レーダークルーズコントロール(停止保持機能付き)/アダプティブハイビーム/ロードサインアシスト/ドライバー異常時対応システム/プロアクティブドライビングアシスト/発進遅れ告知機能/ブラインドスポットモニター/オプティトロンメーター/ハンズフリーデュアルパワースライドドア/スマートエントリー/後席用サンシェード/消臭・撥水撥油機能付きファブリックシート/オートAC/ばね上制振制御/8㌅ディスプレイオーディオ
装着メーカーop:185/65R15タイヤ+アルミ5万5000円/トヨタチームメイト・アドバンストパーク+パーキングサポートブレーキ(周囲静止物&後方歩行者)+パノラミックビューモニター9万3500円/10.5インチディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)8万9100円/天井サーキュレーター+ナノイーX2万7500円/アクセサリーコンセント(AC100V/1500W)4万4000円/コンフォートパッケージ(UVカットグリーンガラス+シート&ステアリングヒーター+本革巻きステアリングなど)7万9200円/ドライブレコーダー+ETC2.0ユニット3万1900円
ボディカラー:アーバンカーキ
※価格はすべて消費税込み

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