現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【スーパーカー年代記 080】独創的4WDシステムを持つ「FF」はフェラーリ初の4人乗りシューティングブレーク

ここから本文です

【スーパーカー年代記 080】独創的4WDシステムを持つ「FF」はフェラーリ初の4人乗りシューティングブレーク

掲載 更新 6
【スーパーカー年代記 080】独創的4WDシステムを持つ「FF」はフェラーリ初の4人乗りシューティングブレーク

クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第80回は「フェラーリ FF」だ。

フェラーリ FF(2011-2016年)
2011年初頭、フェラーリが発表したニューモデルの名は「FF」であった。ついにフェラーリも前輪駆動車を作り始めたか!と誤解した人もいたようだが、さにあらず。FFと書いて「フェラーリ フォー(Ferrari Four)」と読む。フォーは4人乗りと、フェラーリ史上初の4輪駆動(4WD)を意味する。一般公開は、同年のジュネーブ モーターショーでお披露目された。

【くるま問答】交通取締りで警察官がする質問「過去1年以内に違反をしたことは?」の意図とは!

スタイリングを担当したのは、それまでのフェラーリ車同様にピニンファリーナだ。だが、歴代の流麗なクーペやそれをベースにしたスパイダーなどとは異なり、やはりフェラーリ初となるシューティングブレークのワゴンボディを採用したのだった。ボディサイドのドアこそ2枚(片側1枚ずつ)だが、ロングルーフにリアをスパッと切り落としたスタイルで大きなテールゲートも備える。

リアシートはセンターコンソールでセパレートされた2人乗りだが、おとなが長時間乗っても問題ないスペースを確保していた。ラゲッジスペースは450Lという、スポーツカーとしては十分な容量を誇り、しかも分割可倒式のリアシートバックを全倒すれば800Lまで拡大され、中央部のみを倒せばスキーやゴルフバッグといった長尺物の積載も可能だった。

もちろん、フェラーリが送り出すモデルであるから、シューティングブレークといえども、その名にふさわしい動力性能や運動性能は備えていた。フロントにミッドシップ搭載されるパワーユニットは新開発のV型12気筒DOHCで、6262ccの排気量から最高出力は660ps、最大トルクは683Nmを発生。このパワースペックは、当時の市販フェラーリとしては最強のもの。後輪への駆動は通常のFRと同じ方式だが、フロントアクスル上にもPTU(パワー トランスファー ユニット:動力伝達装置)を備え、適宜エンジンパワーを前輪にも伝達するという、独創的な4WD方式を採用している。

この4WDシステムはセンターデフがないため、一般的な4WDシステムより50%も軽量化することができ、しかも低重心で適正な前後重量配分(前47:後53)も実現した。公称のパフォーマンスは、最高速度は335km/h、0→100km/h加速は3.7秒、0→200km/h加速は11秒。それでいながらEU複合燃費では6.5km/Lという、6.3Lの12気筒エンジンとしては十分な高燃費も達成していた。

デュアルゾーン エアコンやリアシート用のインフォテインメント システムなども用意され、おとな4人での小旅行を可能にしながら、サーキット走行も楽しめるフェラーリ FFは、新たなラインアップとしての地位を確立し、GTC4 ルッソへと進化する。

フェラーリ FF 主要諸元
●全長×全幅×全高:4907×1953×1379mm
●ホイールベース:2949mm
●重量:1790kg
●エンジン種類:65度V12 DOHC
●排気量:6262cc
●最高出力:660ps/8000rpm
●最大トルク:683Nm/6000rpm
●燃料タンク容量:91L
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●トランスミッション:7速AMT
●タイヤサイズ:前245/35ZR20、後295/35ZR20
●当時の価格:3290万円

[ アルバム : フェラーリ FF はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
くるまのニュース
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
レスポンス
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
くるまのニュース
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
バイクのニュース
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
レスポンス
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
motorsport.com 日本版
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
くるまのニュース
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
バイクのニュース
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
ベストカーWeb
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
WEB CARTOP
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
日刊自動車新聞
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
AutoBild Japan
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
くるまのニュース
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
VAGUE
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
motorsport.com 日本版
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
くるまのニュース
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
レスポンス

みんなのコメント

6件
  • FFもGTC4LUSSOも、最高に贅沢で高貴なたたずまいだ
  • 個人的にはこのFFのサウンドが好きだった。
    あの重厚かつフェラーリのV12サウンドが独特だった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3200.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1738.02480.0万円

中古車を検索
FFの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3200.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1738.02480.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村