■見慣れない標記の看板
最近、高速道路料金所に「ETCサポート」と記載されているレーンが設置されています。このレーンはなんのためにあるのでしょうか。
【画像】えっ…!? これが「もうすぐ使えなくなるETC車載器」の特徴です
最近、高速料金所でETCレーンのほかに「ETC/サポート」や「サポート」と書かれているレーンを見かけることが多くなりました。
もともと青と緑の表示で「ETC/一般」と表記されていたのが、青と白の「ETC/サポート」の表示に順次変更されているというのです。
この「ETC/サポート」のレーンはどういう時に使うかというと、「ETC専用の料金所」で、「ETCで対応できなくなった」場合です。
たとえば、ETC車載器のないクルマや、ETCカードの挿入漏れなどで料金が払えない場合などが該当します。ほかにも「障がい者割引」を利用する場合や「仮ナンバー」の場合にも、このETCサポートのレーンで対応することとなります。
近年「ETC専用の料金所」は増えていますが、ETC車載器未設置の車両がうっかり進入してしまったり、ETCカードの挿入漏れや期限切れで支払いができなかったり、トラブルは発生し続けています。
このため、各高速道路会社はこうしたレーンを設置して、ETC車載器がないトラブルに対応しているのです。
ところで、普通にETCが使えるクルマも、このレーンを使ってもいいのでしょうか。
実は「ETC/サポート」と記載されているレーンであれば、ETCカードで従来通り通過するだけの対応もできます。
■ETCサポートレーンが増えている背景は
ETCサポートレーンは、2020年頃から導入が開始され、全国で増えています。
NEXCO西日本では2024年春に、23箇所の料金所がETC専用料金所に変更され、NEXCO東日本や首都高速道路でもETC専用の料金所が増えました。
各高速道路会社がETC専用料金所を増やしているのには、国土交通省が発表したロードマップが背景にあります。
国土交通省は、2020年に『「持続可能な国土幹線道路システムの構築に向けた取り組み」中間とりまとめ』のなかで、ETC専用化に向けたロードマップを策定しました。
ETC専用レーンの導入の目的としては、ETCを導入することでさまざまな料金体系への対応と混雑緩和、管理コストの削減、人員確保が困難ななかでの料金所機能の維持などがあります。
当時の背景として、コロナ禍による料金支払い時の感染症リスクの軽減も要因となっているようです。
ロードマップでは、首都高速をはじめ、NEXCO中日本・東日本・西日本など全国の高速道路において、2030年までに全線ETC専用化が計画されています。
2024年5月現在、NEXCO中日本管内では95.8%がETC利用者となっており、ETC専用化をしてもそれほど困る人がいないのも、導入が急速に進められる要因です。
さらにETC車載器購入助成や、クレジットカードを持っていない人もETCを利用できる「ETCパーソナルカード」のテポジットの下限の見直しにより、ETC利用者の拡大を推進しています。
このため、ETC車載器がない、またはETCカードを持っていないという方はすでに少数となりました。
さらに、ETCの利用は深夜割引や平日朝夕割引などの特典も受けられるメリットがあります。
国や各高速道路会社が進めているETC専用レーンの拡大は、私たち利用者にとってもお得になる施策といえるでしょう。
■「ETCが使えない人」がうっかり「ETC専用レーン」に入ってしまったら?
「ETC専用レーン」はETC車載器がないクルマや、ETCカード未挿入や期限切れの状態ではバーが上がりません。
このとき、あせって急ブレーキをかけたり後退したりすると、後続車との事故につながりますので、絶対にやめましょう。
料金所のバーは押せば曲がるようになっているので、そのまま通行して高速道路を降りる際にETCサポートのレーンを使えば支払いができます。入口にETCサポートレーンがある場合も同様です。
ETCサポートレーンではインターホンを使って係員と話せますので、事情を説明しましょう。
インターホンには撮影ボックスが設置されており、ここで免許証の撮影ができる仕組みです。
料金精算機が設置されている場合はその場で支払いができますが、精算機がない場合は後日送付される振込票にて高速料金を支払いましょう。
もちろん高速道路に乗る前に、ETCカードが挿入されているかきちんと確認するとともに、更新されたETCカードが届いたらすぐに差し替えることが大切です。
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