国産車ユーザーと輸入車ユーザーが交わす、こんな会話を聞いたことはないだろうか?「古い輸入車ってすぐに故障しない?」「いやいや、そうでもないよ。そりゃ先入観だよ」……
どちらが正しいのは真相は謎のまま……と思いきや、実はこの両者の間では「故障」の定義が異なっていたのだ!
古い輸入車に乗るユーザーにとって、どこからが故障でどこからが故障ではないのか?
文/伊達軍曹、写真/ベストカーWEB編集部、AdobeStock(トップ画像=dusanpetkovic1@AdobeStock)
■「故障」の定義で国産車ユーザーと輸入車ユーザーには乖離あり?
国産車ユーザーと輸入車ユーザーでは「故障」という言葉の定義に大きな違いがあった。これが「輸入車はすぐ故障する!」「そんなことはない!」の理由だ(smile@AdobeStock)
主に国産車に乗っている者は、しばしば「古い輸入車はすぐに故障するからやめといたほうがいい」と言う。それに対して古めの輸入車に乗っている者らは「いやいや、実際はそうでもないよ。それって単なる先入観だよ」という旨の反論をする。
上記の議論は、議論になっているようで、実はなっていない。なぜならば、故障という言葉についての「定義」が、両者の間で異なっているからだ。
国産車の、特に新車を購入したユーザーは、例えばパワーウィンドウの動きが少しおかしくなると「故障だ! 大変だ!」となるが、古めの輸入車に乗る者の感覚からすると、その程度では「故障」には該当しない。
こういった定義の問題を調整しないことには、両者の議論はただただ平行線をたどるばかりなのである。
ならば、古めの輸入車に乗っている者は「どこから先」を故障と定義し、またどこまでを「こんなのは故障のうちに入らない」と思っているのだろうか?
今は近所のスバルディーラーで2台続けて新車を買ってしまった筆者だが、5年前までは、ちょっと古い輸入車を狂ったように買い続けていた身である。そんな自身が過去に乗っていた輸入車の故障(?)実例をベースに、「故障」という言葉の定義を考えてみることにしよう。
■ルノー 5バカラのオルタネーター不良→判定は……故障!
1987年式ルノー 5バカラ
自身にとって最初の輸入車であった1987年式ルノー 5バカラはオルタネーターが腐っていて、それが原因でしばしばファンベルトが切れ、そのたびに走行不能となった。……「走行不能」ということは、これはもう「故障」ということでいいだろう。
ただ、当時の私は(今もまぁそうだが)クルマのメカについての知識が乏しく、「この問題はオルタネーターを新品に交換すれば解決する」ということをわかっていなかった。実際にその後、交換したことで快癒した。
その意味で「そんなのは故障じゃない、単なる消耗部品の消耗だ」という意見も、輸入車乗りからは出てくる可能性がある問題だ。
■初代ルノー メガーヌ クーペ16Vのメーター不動→判定は……故障!
1996年式メガーヌ クーペ16V
1999年頃に乗っていた1996年式メガーヌ クーペ16Vは、なぜかしょっちゅう速度計が動かなくなり、「自身の速度がわからないまま公道を走る」という状態を余儀なくされた。そしてメーターを交換しても、1年くらいでまた不動になった。
「部品交換をすればすむ問題である」という意味では「故障」ではないのかもしれないが、「交換から1年でまた壊れるのはどうなんだ!」「ていうか3年落ち車のメーターが壊れるとか、ナメてんのか!」とかなりムカついたため、私のなかでは「故障」という扱いになっている。
■初代ルノー メガーヌ クーペ16Vのレジスター不良→判定は……故障!
同じく1996年式メガーヌ クーペ16Vは、メーター故障と確か同期していたような記憶があるが、エアコンのレジスターもしばしば壊れ、風量の調節がまったくできない状態になった。
3年落ちでレジスターが逝くのは遺憾であり、寒かったり暑かったりで大変な思いをしてムカついたので、これも「故障」であるとしたい。初代ルノー メガーヌ クーペ16V、素晴らしいクルマではあったのだが……。
■メルセデスベンツ190E 2.3-16の後輪ハブから異音と振動→判定は……故障にあらず!
1987年式メルセデスベンツ 190E 2.3-16
走行距離が8万kmを超えたあたりだっただろうか。1987年式190E 2.3-16の後輪あたりから「ゴーッ」という異音が走行中に出るようになった。工場に見てもらうと、後輪のハブ本体だったかハブベアリングだったかが終わっているとの診断。
当該の部品を交換し、快癒した。まぁ「長い間使っていれば必ず消耗する部品が消耗しただけ」ということなので、これは「故障ではない」と判断するのが私の感覚だ。
■同じくメルセデスベンツ190E 2.3-16のボンネットから煙が→判定は……微妙だが故障にあらず!
赤信号が青に変わるのをボーッと待っていた時だったと記憶しているが、気がつくとボンネットから少量の煙が立ち上っている。「うわっ、ヤバッ!」と思ってエンジンを止め、エンジンルームを見てみると、何かの配線が軽く焼けている模様。
とはいえ、すぐさま大事には至らなそうな気配であったため、そのままおそるおそる工場へ運び、当該の部品類を交換してもらった。
……かぎりなく「故障」に近い事象だが、「でも古い配線が燃えるのは当たり前(?)だし、不動にはならなかったから!」という意味で、私のなかでは「あれは故障ではなかった」ということになっている。微妙だが。
■初代BMWミニ クーパー(BMW製のやつの初代)→判定は……そもそもどこも壊れず!
これは何もなかったですね。まぁ2年落ちくらいで買ったやつだから。
■ポルシェ 911 カレラ2 ティプトロニックのオイル漏れ→判定は……故障にあらず!
1990年式ポルシェ 911 カレラ2(964型)
走行10万kmで買って、12万kmくらいまで乗った空冷911(1990年式964型)。やはりエンジンオイルの漏れは発生していたが、決して大量に漏れるわけではなく、テキトーに補充しながら乗ればぜんぜんどうってことなかった。よって、私の中でアレは「故障ではなかった」ということになっている。
あとついでに言えば、空冷911はティプトロニックも頑丈ですよ。私のもぜんぜん壊れなかったし、取材を通じて「ティプトロが壊れた」という話は聞いたことがありません。いちおう中古車記者歴25年です。
■シトロエン 2CV→判定は……そもそもどこも壊れず!
まぁシンプルすぎるほどシンプルな構造のクルマですからね、壊れようがないです。もしくは「最初からすべてが(現代の基準からすると)壊れてる!」とも言えるのかもしれませんが。
■ランチア デルタHFインテグラーレ EvoII→判定は……あんまり壊れず!
ランチア デルタHFインテグラーレ EvoII
「宇宙で一番壊れるクルマ」とも言われるデルタ インテグラーレだが、私の場合はまったく壊れなかった。何かちょっとしたトラブルはあったような、うっすらとした記憶はあるが、よく覚えていない。とにかく予防的なメンテを徹底した結果、「宇宙で一番壊れるクルマ」はほとんど壊れなかったのだ。
■その他もろもろ
キリがないのでそのほかの「アルファロメオ GTV」や「初代メルセデスベンツSLK」「E36型とE46型のBMW 3シリーズ」等々については省略するが、以上の考察からわかったことは、おおむね以下のとおりであると言っていいだろう。
●「走行不能」になると、さすがに古い輸入車乗りも「故障」と判定する
●ムカつくと「故障」と判定する
●しかし、愛があると、「まぁ消耗部品が消耗しただけだな」と判断しがち
●3年落ち程度で部品が逝くと「故障」
●愛があると、多少のマイナートラブルは記憶から欠落するほど「どうでもいい」「大勢に影響はない」と感じる
以上は筆者というひとりの人間の印象に過ぎないが、古めの輸入車に乗っている人間の感覚は「おおむねこのくらいの感じ」であるとは思う。
この感覚を「うげっ、自分には無理! バカじゃねーの?」と感じるなら、古めの輸入車には近づかないほうがいいだろう。
だが、「まあそうかもね」となんとなく思えるのであれば……貴殿の次の愛車は、中古ガイシャの専門店で探してみるのも悪くないかもしれませんぜ!
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みんなのコメント
そんなもんだと受け流すしかないっす
一度も故障した事無いと言うオーナーの殆どは小まめにメンテしてる事が多い