F1チームはヨーロッパラウンドを戦う際、サーキットのパドックに”モーターホーム”と呼ばれる巨大なホスピタリティ施設を建設している。キッチンや食事スペース、オフィスなどを備え、移動式の簡易的なモノではあるものの、まるでサーキットの常設施設のような規模となっている。
そのモーターホームはリニューアルやチーム売却の際、時折売りに出されることがある。
■CO2排出削減のため……”宮殿”のようなF1モーターホームとのお別れは近い?
YouTubeで活動するマット・エイミーズは、競売に出されたフォースインディアの2018年のモーターホームを紹介している。2018年7月に破産したチームは2018年のサマーブレイク明けから、マシンや人員などを引き継ぐ形でレーシングポイントとして再出発しており、モーターホームから”フォースインディア”のロゴは外されている。
元々のコストは480万ドル(約6億2,800万円)だが、53万8,000ドル(約7,000万円)とバーゲンプライスで売りに出されている。ただ、モーターホームがあるのはドイツ・ニーダーザクセン州のヒルデスハイム。輸送にはクレーンとトラック部隊が必要になるとのことだ。
説明によると、このモーターホームは「エレガントでフル装備」とのことで、寝室やトイレ、シャワー、オフィスなどを構えている。最上階のラウンジにはパドックを見渡せた大きなデッキもある。また、机や椅子、マッサージテーブルなど、チームが使用した装備も全て揃っている。
またスクリーンやポスター、サーキットに関するトレーニング資料、エステバン・オコン(現アルピーヌ)が残していったレース用アンダーウェアなど、F1マシンの特典はないが貴重なオマケも付いてくる。
それでも、このモーターホームを購入した場合の使い道は無限大だ。自分たちでレースチームを作ったり、イベント会場に持ち込んでパーティーを開いたり……タイニーホームや輸送用コンテナで作られた家よりも、ユニークな住まいの出発点としては最適かもしれない。
現在の地価や不動産価格を考えると、すでに居住可能な掘っ立て小屋に約7,000万円は決して高くはない。
レーシングポイントは2019年から新たなモーターホームへ移り住み、2021年からはアストンマーチンとして装い新たにF1へ挑戦している。これまでは中団グループの雄としてグリッドに並んでいたチームだったが、2023年シーズンは開幕2戦で表彰台を獲得しており、今後の活躍に期待が持てるチームへと発展している。
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