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フェラーリばかりのオークション開催 手頃なモンディアルから極上デイトナまで

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フェラーリばかりのオークション開催 手頃なモンディアルから極上デイトナまで

34台の跳ね馬

photo:Silverstone Auctions英国ウォリックシャー州のダラス・バーストン・ポロ・クラブで9月21日、シルバーストーン・オークションズ社によるフェラーリだけのオークションが開催された。

【画像】フェラーリ・オークション 全118枚

このオークションには1970年代のスーパーカーから最近の限定モデルまで、34台の様々な跳ね馬が出品された。その中からわれわれの興味を惹いた5台をオークション結果とともにご紹介しよう。

エルトン・ジョンのデイトナ

1. 1972年製 フェラーリ365GTB/4 “デイトナ”

デイトナといえば、1070年代のフェラーリを代表するモデルだ(実際に発表されたのは1968年だが)。何百万もの人々を魅了し、数え切れないほどのベッドルームの壁にそのポスターが貼られた。

名車275GTB/4の後継として開発された365GTB/4は、米国の有名な24時間レースでフェラーリが1位から3位まで独占したことを讃え、通称「デイトナ」の名前で呼ばれる。その最大のライバルであるランボルギーニ・ミウラはいち早くミドシップ・レイアウトを採用していたが、フェラーリはフロント・エンジン/後輪駆動の方式に固執した。

それでも公称325psを発生する4.4L V12エンジンは、ピニンファリーナによる美しいボディを最高速度280km/hまで引っ張った。当時世界最速のロードカーであり、最も美しいクルマの1台でもあった。

1406台しか生産されなかったデイトナ(そのうち122台がスパイダー)はどの車両も貴重だが、今回のオークションに出品された右ハンドルの個体はさらに稀少だ。しかも特筆すべきは、有名ミュージシャンのエルトン・ジョンがかつて所有していたクルマであるということだ。

英国を代表するポップスターは、大ヒットを記録した7枚目のアルバム「黄昏のレンガ路」で稼いだ大金を投じ、1973年にこのクルマを購入。それから2年間ほど所有していた。

それから何人かオーナーが替わったものの、今でも美しい姿と素晴らしいコンディションを維持している。オークションでは落札に至らなかったが、現在47万5000ポンド(約6400万円)という価格で売りに出されている。

ジャミロクワイの365GTC/4

2. 1972年製 フェラーリ365GTC/4

365GTC/4はベースとなったデイトナと、エンジンやシャシー、サスペンションを共有する2+2シーターのクーペだが、稀少性はこちらの方が高い。1971年から72年の間に生産された台数は、わずか505台に過ぎないからだ。

また、多くの変更を施すことで、ある意味ではデイトナより良いクルマとして設計された。より低回転域のトルクを重視したエンジンは扱いやすく、乗り心地もソフトに仕立てられている。

先にご紹介したデイトナと同様、この365GTC/4もある有名人がドライブを楽しんだクルマだ。羨望を集める自動車コレクターとしても有名なジャミロクワイのシンガー、ジェイ・ケイが過去3年間ほど所有していたのだ。

この左ハンドルの車両は新車当時、米国で販売された1台だ。2014年に英国に渡り、コンクール・コンディションにレストアされた。2016年のロンドン・クラシックカー・ショーで展示されたこともある。

このクルマを気に入ったジョン・ケイはショー終了後、37万5000ポンド(約5000万円)で購入したという。それから3年が経ち、今回のオークションではジョン・ケイの購入額を大幅に下回る21万9375ポンド(約2950万円)で落札された。

お買い得なモンディアルT

3. 1990年製 フェラーリ・モンディアルT

多くの人が欲しがるに違いない2台の高価なフェラーリの後でご紹介するのは、ずっと安価な、というか、あまり人気が高いとは言えないモデル。それがこのモンディアルTである。

しかし、だからといってモンディアルを蔑ろにするのは間違いだ。それどころか、素晴らしいV8エンジンを搭載する成熟した大人向けのグランドツーリングカーであると、われわれは考えている。

ジュニア・スーパーカーとも言えるルックスに、2+2シーターを備えるミドシップ・クーペという見事なパッケージングも興味深い。そんなクルマに現在付けられている価格を見れば、実にお買い得というほかない。

今回のオークションに出品されたモンディアルTは、さらにオープンエアのドライビングが楽しめるカブリオレで、しかもわずか26台しか生産されなかったマニュアル・ギアボックスの右ハンドル。極上の英国仕様車だ。過去20年にわたり、1人のオーナーが大事にしてきた個体だという。落札価格は事前予想どおりの3万2625ポンド(約440万円)だった。

コンクール受賞歴のある328GTS

4. 1989年製 フェラーリ328GTS

もう1台の「普通に乗れる」フェラーリ、328は高い信頼性と性能を兼ね備えたモデルで、一般人にも比較的手が届きやすい価格で売買されている(とはいえ、維持するためにはそれなりの資金が必要だが)。

しかも非常に美しい。ピニンファリーナよるデザインは、先代の308より洗練されたウェッジ・シェイプとなり、フェラーリの伝統にさらに相応しい姿へと進化した。GTSは、取り外し可能なルーフを持つそのスパイダー・バージョンだ。

さらに今回のオークションに出品された個体は、雑誌「オート・イタリア」や「フェラーリ・クラブ」の表紙を飾ったこともあるという。2016年にはフェラーリ・オーナーズ・クラブ・コンクールで「ベスト・イン・クラス」賞を獲得している。

走行距離は3万1584マイル(約5万830km)に過ぎないので、次のオーナーも長く楽しめるに違いない。オークションでは落札に至らず、現在も7万4750ポンド(約1000万円)で販売されている。

極上の青いデイトナ

5. 1972年製 フェラーリ365GTB/4 “デイトナ”

今回のオークションで最も高値が予想されたのは、もう1台の1972年製デイトナだった。こちらは有名ミュージシャンが所有していた経歴はないが、しかし代わりに元レーシング・ドライバーのトミー・ディクソンが乗っていた1台だ。ディクソンは1970年代に伝説的レーシング・チームのエキュリー・エコスで、サー・ジャッキー・スチュワートやロイ・サルバドーリらとともに、ワークスドライバーとして活躍した。

特に目を引くのは、ゴージャスな「ブルー・ディーノ・メタリック」と呼ばれる外装色だろう。このカラーは、2015年1月に全剥離してレストアした際に、オリジナルと同じ色で塗装されたものだという。

2016年にはフェラーリ・クラシケの認定を受け、オリジナル度の高さと車両の経歴が保証されている。走行距離はわずか5万3000マイル。専門家のジョン・ポグソンによる「最高の1台。わたしがこれまで運転したデイトナの中で、最も素晴らしい経験をさせてくれた」とのお墨付きだ。

オークションでは売り手の納得する金額まで入札が上がらず、今も54万6250ポンド(約7350万円)という価格で売りに出されている。

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