現地時間11月3日、2024年F1第21戦サンパウロGP(ブラジルGP)の決勝レースが行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季8勝目、自身通算62勝目を飾った。
2位にエステバン・オコン(アルピーヌ)、3位にピエール・ガスリー(アルピーヌ)が続いた。自己ベストの3番グリッドからスタートした角田裕毅(RB)は7位となった。
インテルラゴス・サーキットを舞台に開催された第21戦。決勝を前に雨は止んだが、依然として路面は濡れており、スタートタイヤは全車が浅溝のインターミディエイトタイヤ(グリーン)を装着した。
ただフォーメーションラップ中、ターン4でランス・ストロール(アストンマーティン)がスピンを喫し、ウォールにタッチしてしまう。さらに、コース復帰しようと試みたのか、ストロールは舗装路ではなくグラベル上にマシンを進めてそのままスタック。10番グリッドスタートのストロールだったが、ここでリタイアとなった。
これでエクストラフォーメーションラップが導入されることになりレース周回数は1周減算に。ただ、混乱は続いた。
フォーメーションラップを終えた各車がグリッドで静止するなか、ポールシッターのランド・ノリス(マクラーレン)が、ライトがグリーン(エクストラフォーメーションラップ開始)となる前にグリッドを離れてしまうという、スタート手順違反に関する混乱もあった。
この影響もあってか、フォーメーションラップ開始が現地時間12時47分にディレイ、ノリス、そしてノリスの動きに反応して後を追うように動いたラッセル、角田、ローソンがレース後に審議されることに。
改めてフォーメーションラップを迎えると小雨が降り始めた。そんななか、気温23度、路面温度25度、湿度79%というコンディションで69周の決勝レースはスタートを迎えた。
イン側の2番グリッドスタートのラッセルがターン1のホールショットを奪うと、ノリスが2番手で続く。3番グリッドスタートの角田は4番手スタートのエステバン・オコン(アルピーヌ)、5番グリッドスタートのリアム・ローソン(RB)と3ワイドとなるなか、3番手を守り切る。オコンが4番手、そして混戦の最中ルクレールがローソンをパスし5番手に浮上する。
また、17番グリッドスタートのフェルスタッペンは一気に10番手までポジションを上げたが、11番グリッドスタートのセルジオ・ペレス(レッドブル)はオープニングラップでスピンを喫し最後尾/18番手に後退と、対照的なスタートとなってしまう。
ラッセルとノリスはお互いにファステストを更新し合う走りでレースをリード。角田は7周目時点でノリスからは3秒差を開けられるも、4番手オコンに対して1.4秒差をキープする。
雨が止み、路面が乾きつつある中で角田は先行する2台のペースにはついていくことができず、13周目には4番手オコンが0.7秒差まで接近する。路面が乾くにつれて角田にとってはかなり厳しい状況となったが、14周目ごろより雨足が再び強まりを見せ、16周目にはオコンに1.8秒差をつけることに。
角田のタイヤはオーバーヒート気味だったのか、雨量が強まればラップタイムも回復。オコンの背後にはルクレール、フェルスタッペンが張り付く中、角田は3番手を守る。
そんななか、7番手走行中だったローソンがピアストリとの接触で9番手に後退する。これでピアストリには10秒のタイムペナルティが課されることになった。一方、角田は27周目にオコンにかわされ4番手に後退。その直前に、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)がターン1でスピンを喫しマシンを止め、バーチャル・セーフティカー(VSC)導入に。
路面の起伏により亀の子状態となっていたヒュルケンベルグはオフィシャルの手で再始動が叶ったが、のちに黒旗/失格が宣告された。
上位勢がステイするなか、ピアストリ以下後続集団が一斉ピットに滑り込みインターミディエイトに交換。トップのラッセル、2番手のノリス、そして角田はその翌周にピットインする。
雨足が強まるなか、多くの車両がインターミディエイトに履き替えるも、角田、ローソン、ペレスはウエットタイヤに交換。これでウエットを履いた角田はインターミディエイト勢とのギャップを急激に縮め、大チャンスを得る。
そのまま角田はラッセル、ノリスをかわすかと思われたが、雨が強まりコースコンディションは走行も困難な状況となり、30周目にセーフティカー(SC)導入に。
この時点でのトップ10オーダーはオコン(ステイ組)、フェルスタッペン(ステイ組)、ガスリー(ステイ組)、ノリス(インターへ交換)、ラッセル(インターへ交換)、角田(ウエットへ交換)、ルクレール(インターへ交換)、ピアストリ(インターへ交換)、アロンソ(インターへ交換)、ローソン(ウエットへ交換)となっていた。
そんななか、32周目にフランコ・コラピント(ウイリアムズ)がターン14でクラッシュ。これでレースは赤旗中断となった。赤旗中はタイヤ交換が認められるため、ピットインせずにステイしていた首位オコン、2番手フェルスタッペン、3番手ガスリーの3台は大きなチャンスを得ることに。
長時間の中断を経て、レースは再開。雨脚が弱まったこともあり、全車がインターミディエイトを装着。SC先導による1周の走行を経て、ローリングスタートにより34周目から再開されたが、リスタートで角田がオーバーラン。ルクレールとピアストリに先行を許し、8番手に後退する。
角田以外にもノリスをはじめ数台がコースオフを喫するシーンもあり、リスタート直後はインターミディエイトでは厳しい雨量だったが、雨は数周で収まると予測され、全車インターミディエイトで周回を続けた。
一方、トップでクリアラップを取れるオコンは快走を続け、残り30週となった39周目にはフェルスタッペンに2.7秒のギャップを築いていた。そんな39周目のターン8でサインツがタイヤバリアにクラッシュし、再びSC導入に。
43周目にリスタートを迎えると、フェルスタッペンがターン1でオコンのインに飛び込みトップに浮上する。また、4番手につけていたノリスはターン1でオーバーランを喫し、角田の前7番手まで後退する。
46周目、マクラーレンはチームオーダーを発動し、ノリスが6番手、ピアストリが7番手へとポジションを入れ替える。一方、トップに浮上したフェルスタッペンは視界もクリアななか、2番手オコンとのギャップを一気に広げ、47周目から3周連続でファステストを更新する。
そんななか、51周目のターン13でピアストリがオーバーラン。これで角田が52周目のターン1でオーバーテイクの機会を伺うが、ここでは先行ならず。そこからはピアストリのペースについていくことができず、60周目を迎えることには6秒までギャップが広がってしまった。
レース終盤は上位勢も均衡状態が続くなか、ローソン、ハミルトン、ペレスによる9番手争いが白熱。ファイナルラップまでテール・トゥ・ノーズの戦いが続いたが、ここはローソンが守り切った。
17番グリッドスタートのフェルスタッペンが69周目終わりのトップチェッカーを受け、今季8勝目、自身通算62勝目を飾った。2位にオコン、3位にガスリーが続いた。なお、ダブル表彰台獲得によりアルピーヌはコンストラクターズ選手権でハースとRBを上回り6位に浮上を果たしている。
4位ラッセル、5位ルクレール、6位ノリスが続いた。7位角田、ピアストリは7番手でチェッカーを受けたが、ローソンへの追突による10秒ペナルティを受けて8位に後退。9位ローソン、10位ハミルトンまでがポイント獲得となった。
次戦となる2024年F1第22戦ラスベガスGPは、アメリカ・ネバダ州の市街地コース、ラスベガス・ストリップ・サーキットで11月21~23日に開催される。
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