西暦2024年を舞台にしたSF黙示録ブラック・コメディ『少年と犬』。1975年製作の本作は日本では劇場未公開に終わっていましたが、劇中で“この世が終わる”2024年を控えたこのタイミングで急遽、日本劇場初公開が決定しました。
——西暦2024年、第4次世界対戦での核ミサイルの応酬により、地球上は荒廃。遺伝子変異により女性は生まれなくなっていました。生き残った者たちは地上と地下シェルターに二分され、地上は食欲と性欲を満たそうとする輩が奪い合いを繰り返し、荒れ放題。テレパシーで会話することが出来る犬ブラッドはいつも腹を空かし、少年ヴィックは女性を求め、さまよっていました。ある日、地下から来た少女クイラを見つけたヴィックはブラッドの忠告も聞かず、彼女を追って地下世界へ。そこは理想郷<ユートピア>なのか、はたまた……。
銀幕を飾ったカスタム・バイク 1992年公開の“ハーレーダビッドソン&マルボロマン”に登場したハーレーFXRカスタムとは
1976年サターン賞最優秀男優賞とヒューゴー賞最優秀映像部門賞を受賞した本作。原作は、2018年6月に84歳で死去したアメリカのSF作家、鬼才ハーラン・エリスンが1969年にネビュラ賞・中長編小説部門を受賞した同名小説。監督は、バイオレンス映画の巨匠サム・ペキンパー監督作品の常連俳優として知られるL・Q・ジョーンズ。世界観や設定、登場キャラクターなどが、『マッドマックス』シリーズに影響を与えたとも言われており、ゲーム「Fallout4」の元ネタのひとつにもなっているなど、現在まで特異な存在感を放ちながらも、日本では劇場未公開となっていた傑作です。
少年ヴィックを演じるのは、当時25歳のドン・ジョンソン。後に主演を務め一世を風靡することになるTVドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』(1984~1989年)では、ハーレーダビッドソンのFXSTソフテイルに乗る姿が印象的でした。もちろんミッキー・ロークと共演した『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』(1991年)もバイク好きは必見です。
『少年と犬』は2023年5月19日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開です。
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