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【試乗】4代目パジェロはマイナーチェンジで、DI-Dディーゼルを搭載して登場した【10年ひと昔の新車】

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【試乗】4代目パジェロはマイナーチェンジで、DI-Dディーゼルを搭載して登場した【10年ひと昔の新車】

2008年10月、4代目パジェロがマイナーチェンジされて登場した。最大の話題は4年ぶりのディーゼル復活。当時世界でもっとも厳しいと言われた日本の新長期規制に適合したエンジンだった。ここではそのクリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルを中心に、河口湖近辺で行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年11月号より)

パジェロユーザーからの強い要望に応えて
栄枯盛衰というか、以前はえらい勢いで売れまくっていた商品が、ある時期を境に勢いを失ってしまう。クルマの場合で言えば、2ドアのクーペモデルであるホンダ プレリュード、日産シルビア、トヨタ セリカ、そして三菱パジェロなどが当てはまる。

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前3車は「デートカー」として1980年代半ばに人気モデルとなった。しかしその後、バブル景気の影響もあって若いユーザーの価値観が大きく変わり、狭いクーペより大きくて力強いクロスカントリータイプがデートカーとして支持されるようになった。

その中でも2代目パジェロは爆発的といっていいヒットとなり、月間8000台売れた時期もあった。しかし1990年代半ばになると急速に衰退してしまう。ただ、クーペのほとんどは消滅したが、パジェロは今も健在(現行モデルで4代目)である。熱心なパジェロファンが支持していることと、海外需要があるからだ。

パジェロは三菱のいわば看板モデル。なんとしてもこのブランドを守り抜かねばならないのだが、そこに立ちはだかったのが排出ガス規制。かつては販売量の80%近くがディーゼルエンジン搭載車だったパジェロも厳しい規制に対応できず、2004年からガソリンエンジン車のみのバリエーション展開となっていた。だが今回、新長期規制(平成17年度排出ガス規制・乗用車)適合のディーゼルエンジン搭載車を追加設定する運びとなった。三菱によれば旧来のパジェロユーザーからの強い要望に応えるためという。

「パジェロはディーゼルでなきゃ」という声はたしかに多いだろう。しかし新長期規制の次には、もっと厳しいポスト新長期規制が待ち構えている。今回登場したパジェロ用ディーゼルエンジン(DI-Dと呼称する)は、現在のところ残念ながらポスト新長期規制はクリアしていない。NOx(窒素酸化物) の排出量をもっと抑え込まないとならないのだ。あくまで現在販売できる新長期規制をクリアしているということであるのだが、これはラージSUVクラスでは初となる。

2代目のパジェロの現役率が高い
さて、このDI-Dディーゼルエンジンは、先代パジェロが搭載していた直4の3.2Lをベースとし、新たにコモンレール燃料噴射システム(最大180Mpaの噴射圧)を採用して、振動、騒音、排出ガスの大幅改善を図ったユニットだ。スペックは最高出力が170ps、最大トルクが37.8kgmとなっている。規制をクリアできなかった、かつて搭載されていたディーゼルと比較すると、出力、トルクはほぼ同レベル。クリーンになったがパワーダウンはしていないということだ。

試乗会は河口湖起点の富士山麓で行われた。トップグレードのスーパーエクシードに乗り込んで急勾配の長い直線路を走る。やはりディーゼルの恩恵でトルクの太さは感じるものの、正直なところいささかもの足りない感じだった。ボディ重量が2.3トンを超えるとなると、もっと分厚いトルクが欲しくなる。もっとも、今回のディーゼルエンジンは動力性能向上が主眼ではなく、クリーン化させた上で実用燃費を向上させることが目的なのだから欲張りすぎか。実走行に近いJC08燃費モードで標準車のエクシードは9.8km/L、スーパーエクシードで9.3km/Lとかなり優秀である。

音振は直4の大排気量エンジン(1気筒あたり800cc!)としてはよく押さえ込んだ方と思うが、やはり将来はさらにスムーズでクリーンなV6ディーゼルエンジンが望まれるところだ。最近海外で試乗したアウディQ5のV6TDIエンジンは、パワーやトルクもさることながら静粛性、燃費ともに素晴らしかった。これを凌駕すべく三菱のエンジニアはいっそう奮起してほしい。

パジェロのユーザーは現在11万人強いるという。内訳は初代1.4万人、2代目8万人、3代目1万人、4代目が1万人。それにしても2代目が70%とは驚いた。あの時代のパジェロがまだまだ現役で残っているのだ。ユーザーの皆さん、大事に乗ってあげてください。(文:Motor Magazine編集部/写真:村西一海)

三菱パジェロ・スーパーエクシード DI-D 主要諸元
●全長×全幅×全高:4900×1875×1870mm
●ホイールベース:2780mm
●車両重量:2290kg
●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
●排気量:3200cc
●最高出力:125kW(170ps)/3800rpm
●最大トルク:370Nm/2000rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格(税込):459万9000円(2008年当時)

[ アルバム : 4代目三菱パジェロ マイナーチェンジ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

1件
  • パジェロは、モデルチェンジする度に格好悪くなり、オマケに価格設定も高額化していった!
    初代パジェロが一番格好良かったです!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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