スズキといえば大きくてもソリオやスイフト程度で、やっぱりコンパクトなイメージが強い。でもかつて7人乗りのグランドエスクードなるパジェロやプラドにも引けを取らないサイズのモノも。このグランドエスクードとはいったい何だったのか!?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
打倒ランクルパジェロだったのか!? スズキにしちゃデカすぎた!! 一瞬いたグランドエスクードとはなんだったのか
■3列エスクードがいたぞ!! スズキにしちゃ全長巨大すぎた
デビュー当時は大人しめの顔つきだったが、マイチェンで激変!! 今でこそフツーのサイズだが20年前のスズキ車と考えれば巨大
エスクードといえば、1988年に初代モデルが登場し、現在もスズキのラインナップを彩るクロスオーバーSUVだ。
初代モデルにおいては当時、SUVといえば大柄なボディの本格的なモデルばかりであった。
そこにライト感覚で乗れるモデルとして、現在におけるコンパクトクロスオーバーSUVの元祖とも言われている。
そんなエスクードの派生車種として2000年4月に登場したのがグランドエスクードだ。
車名にもある通りグランドなモデルとなっており、V6 2.7Lのスズキとしてはかなりの大排気量エンジンと、全幅1,780ミリというワイドなボディを持っていた。
ホイールベースはエスクードの3ドアモデルと比較すると600ミリも長い2,800ミリ!!
3列7人分のシートが備わっていたのもスズキらしからぬポイントと言えるだろう。
■実は北米市場向けに生まれたモデルだった
マイチェンでスズキエンブレムも元に戻したが、顔が超特徴的に
そんなスズキらしからぬポイントが多かったグランドエスクード、実は北米市場向けに企画されたモデルであった。
日本でデビューする2年前の1998年に「XL7」という車名で北米デビューをしていたのである。
日本では大柄に見えるボディや大排気量に感じるエンジンも、北米の中ではコンパクトSUVの範疇というのだからお国の違いを感じざるを得ないところだろう。
そんなグランドエスクードは2003年6月にマイナーチェンジを実施しフロントマスクを一新。
このときアクの強いフロントマスクとなったのも北米市場の声を色濃く反映したものだったようだ。
結局日本国内では年間の販売台数が1000台にも満たないような惨憺たる結果となってしまった。
グランドエスクードは、ベースのエスクードのフルモデルチェンジと共に消滅してしまった。
だが、後継車種の3代目エスクードにはグランドエスクードに搭載されていたV6 2.7Lエンジンを搭載するグレードも存在。
3列シートこそ備わらなかったがグランドエスクードの後継車種であるという声もある。
■末裔が今も東南アジアに!?
一方、北米市場ではそれなりの販売台数をマークしたXL7は、2006年から2代目モデルが登場。
ただこちらは当時提携関係にあったゼネラルモーターズのプラットフォームをする関係でカナダ製となり、エンジンのみ日本から輸出して搭載するという形をとっていた。
ただスズキは2012年11月に北米市場からの撤退を発表しており、現在XL7の名前を冠するモデルはインドネシア市場向けの7人乗りクロスオーバーSUVに引き継がれている。
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