イカツい顔立ちとエアロフォルムが、ワゴンボディに絶妙にマッチ。「RS」モデルの源流とも言えるスーパーワゴン「RS6アバント」が、新たな力と万能性を手に入れて、生まれ変わった。(Motor Magazine 2020年2月号より)
高いパフォーマンスと実用性が両立
アウディのハイパフォーマンスシリーズ「RS」は今年で25周年を迎える。ワゴンボディの「アバント」はまさにそのルーツだ。1964年にポルシェとの共同開発で生まれた最初のRS2は、ワゴンボディの「アバント」だった。
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そんなアウディスポーツのアイコンとも言えるRS6アバントが、フルモデルチェンジ。なんといってもその実用性の高さは魅力だ。トランク容量は通常で565L、最大で1680Lにも及ぶ。
新しいRS6はその特徴を生かしながら、確実にアップグレードを果たした。まずはエクステリアデザイン。スポーツ性が格段に高まっている。独特の表情を作っているのが逆台形のヘッドライトユニットで、斜めにレイアウトされたレーザーLEDユニットがハイテクな印象を与えている。
またフロントのシングルフレームグリル内のハニカム構造は立体的な造形で、両脇の巨大なエアインテークとともに高性能ぶりをアピール。ボディはスポーツシャシとスポーツタイヤをカバーするために、ベースモデルのA6アバントよりも8cm広がっている。
リアエンドはルーフ後端に大型スポイラーが装備されているが、このおかげでダウンフォースはA7並みなのだとか。また艶消しシルバーのディフューザー両脇からはブラック塗装の楕円形の大径RS専用スポーツマフラーが覗く。
パフォーマンスは0→100km/hが3.6秒、そして250km/hでリミッターが作動する。しかしパッケージの購入によって280km/h、もしくは305km/hまで2段階に解放される。
高性能セラミックブレーキシステムはフロントに10個、リアに4個のピストンを持つキャリパーが組み合わせられ、ハイスピードにマッチした制動能力を発揮する。またRS6には標準で、エアサスペンションが用意されている。このシステムでは旧モデルと比べると、バネ(クッション)レートが高められており、そのおかげで高速域ではスタンダードよりも車高が低くなり並外れた最高速度でも安定した走行を可能にしている。
また120km/h以下になると車高が低下し、日常性とスポーツ性の両立を約束する。さらに低速時あるいは積載量が増えた場合には通常よりもアップさせることも可能だ。
類まれなスポーツ性能と日常性のグッドバランス
一方、よりスポーティでピュアなシャシセッティングを望むドライバーにはスチール製のコンベンショナルなサスペンションも用意。3段階のダンパーセッティングが可能なスポーツプラス仕様では、ロールを抑えるために対角状にレイアウトされるダンパーのダンピングを制御するDRCを装備する。
さらに、燃費向上に貢献するベルト駆動のスタータージェネレーターから成る48Vオンボードパワーサプライをベースにした、マイルドハイブリッドシステムも装備された。そのシステムでは車速50km/hから160km/hの間でスロットルオフするとエネルギーを回生してリチウムイオン電池に充電、最長で40秒間はエンジンが停止する。
加えて600psのスーパーワゴンは負荷の少ない定速低回転走行では4気筒が働きを止める。もちろん必要に応じてドライバーがスロットルペダルを踏み込めばV8エンジンは即時目覚め、再び豪快な加速を開始する。
この類まれなスポーツ性能と日常性を合わせ持ち環境性能にも配慮したRS6が、いかに人気が高いかということは、これまで累計で2万6000台もが世界市場に出荷された実績が物語っている。
アウディスポーツ社のオリビエ・ホフマン社長はこの成功実績をもとに、これまでに販売していなかったアメリカ市場への輸出を考えているという。日本での発売は来年夏までには右ハンドル仕様が割り当てられる。価格や正確な時期は、現時点では未発表である。(文:木村好宏)
■アウディRS6アバント4.0 TFSI クワトロ主要諸元
●全長×全幅×全高=4995×1951×1487mm
●ホイールベース=2930mm
●車両重量=2075kg
●エンジン= V8DOHC ツインターボ
●排気量=3996cc
●最高出力=600ps/6000-6250rpm
●最大トルク=800Nm/2050-4500rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速AT
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みんなのコメント
ベンツとBMはどうしてもオラオラ感があるんだよな。