フラッグシップスポーツカー『GT-R』をベースに長年スーパーGTへ参戦してきた日産が、近い内に新型『フェアレディZ』にGT500クラスのベースモデルを切り替えるのではないかという噂が広がっている。
8月18日(現地時間8月17日)、日産はアメリカ・ニューヨークにて、新型2シータースポーツのアメリカ市場向けモデル『Z』(日本名:フェアレディZ)を発表した。およそ1年前に、ベースとなるコンセプトカー『フェアレディZ プロト』を発表して以来、待ちに待った市販モデルの登場だ。
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既存の『370Z』とは異なりシンプルにZと銘打たれた新型は、最大出力405PS、最大トルク474Nmを発生させる3.0リッターツインターボV6エンジンを搭載。アメリカ市場ではいち早く2022年春に発売される予定で、日本市場向けの新型“フェアレディZ”の詳細は今冬に公開されるとのことだ。
日産は、2008年からスーパーGTのGT500クラスを、GT-R R35をベースとしたモデルで戦ってきた。しかし近々、トヨタ『GRスープラ』の対抗馬として開発した新型Zを、GT500マシンとして最高峰クラスへ投入するのではないかと言われてきた。
日産これまで、レギュレーション変更に合わせて幾度となくアップデートを行なってきたものの、昨年の「Class1」車両規則の全面導入以降、日産はGT500のライバルであるトヨタやホンダと比べ競争力を維持することに苦労してきた。
昨シーズン、日産のエースチームである23号車MOTUL AUTECH GT-Rを駆るロニー・クインタレッリと松田次生が鈴鹿で2勝を挙げているものの、他のレースで苦戦した結果、ドライバーズランキングでは6位に沈んだ。2021年シーズンは、3戦を終えわずか2ポイントしか獲得できていない状況だ。
新型コロナウイルスの感染拡大によって延期されていた今シーズンの第3戦(レース数では4戦目)鈴鹿を今週末に控え、日産勢でのランキングトップは13ポイント獲得の3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rの平手晃平/千代勝正組で7番手。日産勢の今季最高位は、この3号車が第2戦富士で記録した5位フィニッシュだ。
現行のGT500クラスの車両規定が2023年末まで継続されることから、日産は現行GT-Rをベースとしたマシンを今後2シーズンに渡って使用するはずだ。つまりその間は、ZをベースとしたGT500マシンは登場しないと思われる。
次世代のGT-Rは開発の初期段階にあるとされ、少なくともスーパーGTに新しい車両規則が導入される2024年までの登場は考えにくい。
日産が従来モデルの『350Z』を全日本GT選手権(JGTC)とスーパーGTに使用していたのは2004年から2007年の4シーズン。Z参戦初年度で、JGTCとしては最終年となった2004年には、23号車Xanavi Nismo Zを駆る本山哲/リチャード・ライアン組がタイトルを獲得している。現行のR35モデルのGT-Rは、市販モデルの登場から1年遅れの2008年にスーパーGTのGT500クラスに投入され、こちらも初年度にチャンピオンに輝いている。
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