MotoGPに参戦しているKTMは最近経営状態が悪化している。彼らをメインスポンサーでもあるレッドブルが救済するという情報もあるが、KTM側はこれを否定している。
KTMは今年上半期の売り上げが27%も減少するなど販売不振にあえいでおり、さらに下半期も予想通りの成長が見込めないことが10月末に明らかとなるなど、会社は厳しい経営環境に直面している。
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上半期にはオーストリアのオーバーエスターライヒ州の拠点で309人の従業員を削減。8月にはさらに200人の雇用が削減された。
KTMはつなぎ融資も受けた上で、さらに人員削減の判断を下しており、最大で300人の削減が見込まれている。さらに工場でも2025年1月と2月は生産が停止され、生産ラインも半減……従業員には有給での自宅待機が発生する予定だ。
危機的状況にあるKTMは2025年の存続に向けて資金調達に動いているが、そこでエナジードリンクメーカーとして有名なレッドブルが救済に動くのではないかという情報をオーストリアのSalzburger Nachrichten紙が報じた。
実際レッドブルの共同創設者である故ディートリッヒ・マテシッツのあとを継いだマーク・マテシッツと、KTMのステファン・ピエラCEOは互いを良く知る仲であり、最近も共同でオーストリアの消防サービス会社の株式を取得している。
しかしながら、KTM側はこうした報道内容を否定。レッドブルによる救済は無いと主張し、更に影響が心配されているKTMのMotoGPプログラムにも心配は無いと強調した。
「新聞による報道に関してだが、マーク・マテシッツがピエラー・モビリティ(KTMの親会社)とKTMへ加わることへの話し合いが行なわれていないことは明確だ」
会社側はそうコメントしている。またKTMのモータースポーツディレクターであるピット・ベイラーはSalzburger Nachrichtenに対し、MotoGPプログラムへの影響について次のように語った。
「我々は参戦している全てのシリーズに残る」
「我々がどうするにせよ、100%を尽くす」
「しかし今は完全にオレンジ(KTM本体)に集中している。いくつかのシリーズでは現在、3つのブランドが露出してきていた」
「ルーキーズカップを始めとするジュニアプログラムも、危険に晒されたりはしていない。我々のパートナーとスポンサーは、困難な時期にあっても我々をサポートしてくれている」
ベイラーはさらにこう続けている。
「モータースポーツと我が社の過去20年以上にわたる成功は、強く結びついている」
「我々(モータースポーツ)は会社の最高のマーケティングツールなんだ。会社として20年以上、我々は直線的な成長を描いてきた」
「我々はレースに勝ち、そしてモーターサイクルを売る。それが成功の秘訣だ」
「我々は“Ready to Race”のメンタリティであって、モータースポーツ自体を目的にはしていない。我々は今とても難しい局面にあるが、モータースポーツ部門として、会社を安定させるための我々の役割を果たしていくつもりだ」
「我々はこのファミリーの一員であり、今は団結することが必要だ。このスポーツで戦うことを学んできた。会社のために全力を尽くし、共にこの困難を乗り越えていく」
なおKTMは2024年シーズンでMotoGP最高峰クラス参戦7年目。今シーズンは表彰台は獲得しているものの優勝は無く、最後の勝利は2022年タイGPまで遡らなくてはならない。
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