アグレッシブなスタイリング
text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
【画像】目撃された911 GT3のプロトタイプ【現行モデルやスピードスターと写真で比較】 全136枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
新型ポルシェ911 GT3のプロトタイプが、市販モデルに近い仕様で確認された。
992世代のGT3は、来年初頭の正式デビューに向けてテストが行われてきたが、今回目撃されたプロトタイプではスタイリングを細かく確認できる。カモフラージュされているのはテールライトのみで、リアバンパーにはリアディフューザーが備わっている。
その他にも、大型の固定式リアウイング、フロントスプリッター、センターロックホイールなど、GT3のスタイリング上の特徴がはっきりと見て取れる。ボンネットには2つのエアインテークが備わり、グリルは現行992世代のどのモデルよりもワイドだ。
以前にはニュルブルクリンクでのスピードテストを行っている様子も目撃されており、そのエンジンサウンドから次期GT3にはマニアに愛される自然吸気「ボクサー」エンジンの搭載が期待されている。
確かなことはわからないが、ガソリン・パティキュレート・フィルターやその他の排出ガス低減技術が追加されたにもかかわらず、992 GT3のボリューム感とトーンは失われていないように聞こえる。
また、トレードマークのウイングを取り除いたモデルも確認されており、人気の高いツーリングモデルが復活することを示唆している。
自然吸気エンジンへのこだわり
詳細はまだ明らかにされていないが、ポルシェのGTモデルは自然吸気エンジンこだわっているため、911スピードスターの4.0Lフラット6エンジンが将来のGTモデルにも引き継がれることがわかっている。
GTモデルの責任者であるアンドレアス・プロイニンガーは次のように語った。
「わたし達はこのエンジンで未来に投資してきました。今後のプロジェクトについてコメントすることはできませんが、このエンジンをどこかで再利用しないのは愚かなことです」
「GTカーにおけるわたし達の理念は、自然吸気を維持すること。未来に残したいと思っているからこそ、エモーションやパフォーマンスを失うことなく、よりよいものにするための多大な努力をしてきたのです」
991世代911の代名詞ともいえるスピードスターは、21万1599ポンド(2888万円)という価格で、現行GT3と同じパワートレインを使用しているが、多くのアップデートが施されている。
この大容量直噴フラット6を環境規制に適合させるため、ポルシェは2つの大型ガソリン・パティキュレート・フィルターを装着した。
さらに、溶接ではなく、薄いスチールやニッケル、はんだ付け技術を採用しているため、排気システムの重量は以前より10kgも軽くなっている。パワーも500psから510psに増加し、8400rpmまで回る。
クリーンなだけでなく、新フィルターにより排気背圧が上昇したエンジンでこれを達成することは、並大抵のことではない。
燃料噴射システムの作動圧力は従来の200気圧から250気圧に変更され、6つのシリンダーにはそれぞれ専用のスロットルボディが装備された。新しいスロットルボディの効果により、よりシャープなスロットルレスポンスを実現しているという。
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