ポルシェ「911」は役モノが正解！ 997型「GT2 RS」と「GT3 RS」の気になる値段は？

■新型の登場で注目が集まる911の役モノ

　ポルシェが最新の992型「911」に、ハイパフォーマンス・モデルの「GT3」を追加設定してきたことで、世界のポルシェ・ファンの視線は再びGT3のような「役モノ」に向くようになった。

　とりわけ注目を集めているのは、先代の991型、そして先々代にあたる997型のハイパフォーマンス・モデルで、前作の996型で不評だったティアドロップ型のヘッドランプを再び丸型へと改めた997型の役モノは、コレクターズ・アイテムとしても、そして実際にサーキットを走るマシンとしても非常に人気が高い。

　そこでVAGUEでは、RMサザビーズ社が、2021年2月下旬にオンライン限定で開催した「OPEN ROAD FEBRUALY」オークションに出品した、997型の「GT2 RS」と「GT3 RS 3.8」の2台の役モノ911の落札結果をレポートしよう。

　両車とも駆動方式はRRだが、GT2 RSはターボ、GT3 RSは自然吸気エンジンを搭載したモデルである。

●2011 ポルシェ「911 GT2 RS」

　その997型911の役モノで頂点に位置するのは、2010年の後期型の997型911をベースに、500台のみが限定生産された「911 GT2 RS」だろう。

　ベースとなった「GT2」自体、リアの3.6リッター水平対向ツインターボエンジンを530psにまでパワーアップ。ウエイトは1440kgまで軽減されて、0－100km／h加速3.7秒、さらに最高速では329km／hを実現したモンスターマシンである。

　それにRSの称号が添えられた911 GT2 RSがどれほどのパフォーマンスを発揮したのかは、想像するだけでも大方の予想はつこうというものだ。

　911 GT2 RSの最大の話題は、やはりエンジンのさらなる強化とボディの軽量化にある。

　エンジンはGT2を90psも上回る620psにパワーアップされた。これは15%ものインタークーラーの効率アップと、それを前提としたターボの過給圧アップなどによって得られたものである。

　GT2用のユニットからさらに0.2バール高められた過給圧は1.6バールを誇る。

　軽量化に関しても、その徹底ぶりはボディからメカニズムにまで及ぶ。

　CFRP製のフロントフードや、ポリカーボネイト製のリアとリアサイドウインドウ。フライホイールはシングルマス化され、サスペンションまわりでもアルミニウムなどの軽量素材を使用。結果、車両重量はGT2との比較では70kgも軽い1370kgを達成したのである。

　当時GT2 RSは、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェで７分18秒というタイムを記録するが、GT2カテゴリーで参戦できるレースは、現在と同様にすでに存在していなかった。つまり、ロード仕様の997型911の限界を、ポルシェ自らが探った野心作だったのだ。

　出品車のGT2 RSは、オプションでPCMステレオシステム、スポーツクロノパッケージ、スポーツシート、カーボンファイバーセンターコンソール、リチウムイオンバッテリー等々を搭載したモデルである。

　エスティメートは40万－45万スイスフラン（邦貨換算約4700万－5300万円）だったが、最高入札は39万スイスフラン（邦貨換算約4570万円）となり、流札となった。

■ベストコンディションの役モノ911の落札価格は？

　一方の911GT3も997後期型がベースとなるGT3 RSである。

　年式は2010年となるが、その前年にポルシェは、搭載される水平対向6気筒エンジンの排気量を3.6リッターから3.8リッターに拡大。その効果は大きく、GT3の最高出力は435psにまで引き上げられ、さらにGT3 RSは450psまで最高出力をアップしている。

　もちろんその内外装には軽量な専用パーツが装備された。

●2011 ポルシェ「911 GT3 RS 3.8」

　ブラックを基調に、それとは対照的なガードレッドのグラフィックとホイール、グレーブラックのボディカラーはそれだけで当時3140ドルのオプションだった。

　車両にはほかにフロントアクスルリフトキット、サウンドパッケージプラス、カップホルダー、ダイナミックコーナリングライト、Bluetooth電話インターフェイス、ユニバーサルオーディオインターフェイス、インテリアカラーのフロアマット、軽量バッテリーなど、いくつかの望ましいオプションが装備されている。

　このクルマの唯一のポルシェエクスクルーシブオプションは、ロゴ付きのアルカンターラストレージリッドである。これは490ドルのオプションとされていた。

　現在までの走行距離はわずか3259マイル（約5214km）。走りを楽しむにはまさにこれからがベストな時期といってもよいだろう。

　この911 GT3 RSのエスティメートは、16万5000－18万5000ドル（邦貨換算約1800万－2000万円）。気になる落札価格は、18万1500ドル（邦貨換算約1970万円）であった。

　世界のファンは、常にベストコンディションの役モノ911には、目を光らせているということなのだろう。

Comments

その特化したスポーツ性かつプレミア性から、キャラの立った貴重なモデルなのは承知だが、それだけで短絡的に役モノが正解と断定するのは同車のその実績を紐解けば間違っている。もっとエモーショナルに言えば（あえてキレイに左記のコトバを嫌味で使っている）、”役モノが正解”ってムカつく。

そもそも近年出てきた”役モノ”って造語がカッコ悪い。

素のカレラってよく言うけど、もともとcarreraは高性能Ver.に与えられてた称号だから。

プレーンなグレードは別にあったし、時代が変わってもグレードの立ち位置がシフトしても各グレードに適した特性＆性能が与えられている。つまりGT2、GT3など以外がそれらありきでの廉価モデルでないことだ。

平成の日本車でいえば、スカイラインGT-RとGTS-t TYPE Mとの関連性と似てもいる。優劣でなく、それぞれの分野ポジションでの最適解を与えている。リセール性だけで正解って糞認識

　

どうせ持て余すなら、素のカレラが一番コスパが良いと思う