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マイナーチェンジ レクサスRX 450h Fスポーツ 優れた快適性 ライバルへ接近

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マイナーチェンジ レクサスRX 450h Fスポーツ 優れた快適性 ライバルへ接近

レクサス売上の20%を占めるRX

text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)

【画像】RXとライバル X5とXC90 全125枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


欧州市場では苦戦を強いられてきたレクサスRX。2018年は、大型ラグジュアリーSUVの最大のライバルとなるBMW X5やボルボXC90の販売台数と比較して、25%程度しか売れなかったのだ。

だが米国では様子が異なり、メルセデス・ベンツGLEの2倍以上の台数を販売している。レクサスにとってRXは重要なモデルであり、全世界の売上の20%を占めている。また大型SUVの中では、ハイブリッド化のパイオニア。2005年から選択肢として存在してきた。

ハイブリッド技術は、個性的なデザインとともに、RXの特徴の1つとなっていた。だが4世代目となったレクサスRXも、今年で誕生から4年が経過。ライバルモデルもハイブリッド化が進む中で、マイナーチェンジで競争力を高める時がやってきたようだ。

フロントとリアのバンパーのデザインが新しくなり、スポーティーなイメージを高めるためにマフラーカッターの配置も変更を受けている。フロントグリルもUXやESなどと雰囲気を合わせてきた。

操縦性を高めるために、シャシーまわりにも改善を与えた。サスペンションの設定を見直し、シャシーの接合部分に用いられる接着剤を増量して剛性をアップ。アンチロールバーもよりねじれにくいものとなった。インフォテインメント・システムはアップル・カープレイやアンドロイド・オートに対応している。

快適性はそのままに明確に操縦性は改善

ヘッドライトには、世界初となるブレードスキャン・アダプティブ・ハイビームを採用。高速回転するブレード状のミラーにLEDの光を反射させ、光軸を調整するというもの。アウディQ7などに搭載されているLEDのマトリックス・ヘッドライトにかわる技術。

その結果、より細かく遠くへの照射が可能となる。道路脇の歩行者の発見を容易にするとともに、対向車には眩しくないように、光の照射角度を細かく調節できるシステムだ。

レクサスが狙った通り、マイナーチェンジ前のRXと比較すると明確に操縦性は良くなっている。依然として走行性能で劣る重たいSUVに変わりはないが、コーナーリング時の身のこなしに繊細さが増したように感じる。

ステアリングフィールも自然でリニアなものとなり、郊外の道や市街地であっても、より運転する満足感は高められた。大型SUVに5種類ものドライビングモードは不要にも思えるが、「スポーツS」モードは、カーブの続く道でも運転を楽しむことができる丁度いい味付け。

だがBMW X5やボルボXC90と同等のダイナミクス性能を得ているわけではない。レクサスが重要視しているのは快適性。大型のラグジュアリーSUVほど、居心地の良さを味わうのに適したクルマはないとも思う。

Fスポーツの場合は標準装備となるアダプティブ・ダンパーと、新しいアクディブ・コーナリングアシストのおかげもあり、乗り心地は大きな魅力。コーナリング時のアンダーステアを抑制し、操舵感の印象も高めている。

都市部で相性の良いハイブリッドシステム

0-100km/h加速に要する時間は7.7秒と瞬発力は充分だが、CVTがその実力を濁している。ペースを速めて勢い良く走らせようにも、CVTからの唸り声が気持ちを阻害してしまう。

一方で、今回の試乗ルートでもEVモードで走行する場面が何度かあったが、ハイブリッドは都市部での走行との相性がとても良い。数km程度の移動なら、電気だけで走ることも難しくないはずだ。

レクサスはEVとしての走行距離はさらに長いと説明している。実際、テストコースの一部で検証した結果、66kmの区間のうちEVモードとして走った距離は32%。時間で見ると40%もの間、エンジンは掛かっていなかった。その際のクルマの平均速度は53km/hとなっている。

上質なインテリアのデザインは基本的に変わりはないものの、機能面で改められている。インフォテインメント・システムのタッチモニターはドライバーよりにレイアウトし直され、コントローラーは扱いやすいトラックパッドに変更された。

ダッシュボード中央にはCDプレイヤーが残るが、アップル・カープレイや音声認識機能など、ライバルモデルの水準に合わせたテクノロジーも搭載。BMWやボルボのシステムの方が直感的に操作できるし、見た目もいい。それでもRXのインテリアも、充分にオーナー候補者を惹きつけられる豪奢さは備えていると思う。

ライバルとの距離を縮めたRX

試乗車は5万5205ポンド(750万円)のRX 450h Fスポーツ。最も人気のグレードと予測され、オプションを選ばずとも装備は充実している。レーダークルーズコントロールやパーキングサポート・ブレーキなど、高度な安全技術や自律運転支援システムを搭載する。

試乗車の場合、後列にもシートヒーターが内蔵され、マークレビンソン製のオーディオや、車両の周囲映像を映し出すパノラミックビューモニターなども備わっていた。

ボルボXC90ツインエンジン、プラグインハイブリッドと比較すると、パワーで劣るRXの価格は魅力的ではある。だが英国の場合、二酸化炭素の排出量と課税割合を考えると、コストの差はそれほど大きくもない。

ドイツ・ブランドのライバルモデルが居並ぶ中で、はやりレクサスRXは個性的なスタイリングを好む層向けの、第3の選択肢ではある。しかし今回のマイナーチェンジで快適性や装備を改善し、ダイナミクス性能も引き上げてきた。これまで以上にライバルとの距離を縮めたことは間違いない。

レクサスRX 450h Fスポーツのスペック

価格:5万5205ポンド(750万円)
全長:4890mm
全幅:1895mm
全高:1685mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:7.7秒
燃費:12.5-12.6km/L
CO2排出量:172g/km
乾燥重量:2100kg
パワートレイン:V型6気筒3456cc+電気モーター2基
使用燃料:ガソリン
最高出力:312ps
最大トルク:-
ギアボックス:CVT

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