あと7年あまりで、純ガソリン車の新車が世界中で買えなくなり、EV時代にまっしぐら! 50代以上のおじさんにとっての「あがり」のクルマを考えてみた!
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、マツダ、ホンダ、BMW
やっぱりロードスターは外せない? オーバー50代おじさんの「あがりのクルマ」3選
■最後のガソリン車の新車を選ぶならマツダロードスター990S
2021年12月16日に特別仕様車として追加された「ロードスター 990S」。最軽量の「S」グレードをベースにバネ下重量の低減と、シャシーとエンジンの専用セッティングを施した。価格は289万3000円
純ガソリン車の新車販売が禁止されるのは2030年~2035年だから、あと7年もすればEV全盛時代がやってくる。
こんな時代におじさんたちは、「あがり」のクルマはどのクルマを選ぶのだろうか? クルマ好きなら、純ガソリン車のスポーツカーやスペシャルティだろうか。
そこまでクルマ好きではない人は、ハイブリッド車に乗りつつ、いつEVに乗り換えようかと、タイミングを計っている、そんな状況じゃないだろうか。
そうこうしているうちに、ガソリン車が徐々になくなっていき、いつのまにかハイブリッド車だけのグレードだけのラインナップになり、軽からミニバン、SUVまでEVが揃う時代はすぐそこだ。
RAYS社製鍛造16インチアルミホイール(RAYS ZE40 RS)、フロントブレーキにBrembo社製大径ベンチレーテッドディスク&Brembo社製対向4ピストンキャリパー(ブラック塗装にブルー文字)を採用する
つまり、純ガソリン車は崖っぷちなのである。50代以上のおじさんにとっても、まさに崖っぷち。70歳以上まで運転する猛者を除いて、免許返納する時まで、時間はあまりない。
そこで、「あがり」のクルマとして、一番おススメしたいのはマツダロードスター990Sである。50代以上にもなると、子供も一人前となり、嫁さんと2人か、自分一人で運転する(こっちのほうが多い?)場合が多いと予想して、ロードスターを選んだ。
筆者の経験上、意のままに操ることができる人馬一体感のあるクルマが一番気持ちいいし、やはり軽さが何よりも重要だなとしみじみ感じる。
マツダロードスターのなかでも、990Sは、もともと990kgだったが、ブレンボ社製のブレーキキャリパーやRAYS製の軽量アルミホイールを装着することによってバネ下を軽減し、専用チューニングの足回りやECUなどに変更されている。価格は289万3000円。
1トン切りのボディに搭載されているのは132ps/15.5kgmの1.5L、直4NAとパワーがないと思われるかもしれないが、走り出しの瞬間から「軽い!」と感じるし、ワインディングを走ると、さらに、これこそがロードスターだよな、と納得。
ぜひ一度乗ってほしい、一瞬で虜になるはずだ。ただし、ここまでマツダが1トン切りにこだわって、人馬一体感を突き詰めたのだから、自分の体重も減らすようにしておきたいものだ……。
■ネオクラシックの中古車からは、やはり初代インテグラタイプRがイチ押し!
98年1月のマイナーチェンジで登場した98スペック
現在、ネオクラシックの日本車は、そのクルマの価値以上に高騰していると思う。特に、R32GT-R、R34GT-R、FD3S型RX-7はとてもじゃないが手が出せない。新車当時に、試乗、比較テスト、サーキットやワインディングなどかなり乗ったが、現在の価格に対する価値はあるのかなあというのが本音だ。
そんななか、一番おススメしたいのは、初代インテグラタイプR。キーを捻ってエンジンを掛け、アルミのシフトノブを介して1速に入れ、右足を強く踏むと前輪が空回りするほどの圧倒的な加速フィール。そうそうほかのクルマで味わえるものではない。
1060kgの初代インテRのボディはS2000に比べるとちょっとヤワなので、限界点が低く、そんなに飛ばさなくてもバクバクする。
手作業のポート研磨や専用のピストン&カムシャフトを備えるB18CスペックRは、低速から高速へカムが6000rpmほどで切り替わってからは、まるで別物のように一段とシャープさが増していき、レブリミットの8400rpmを超えても衰えない回転フィールはまさに至宝といっていいエンジンである。
初代インテRは年式によって3つのモデル、96スペックと98スペック、00スペックがある。96スペックRは1995年10月に登場した前期型で、その後、1998年1月のマイナーチェンジで195/55R15サイズの4穴114から215/45R16サイズの5穴114に変更されたのをはじめ、最終減速比が4.400から4.785にローギアード化され、エキゾーストマニホールドがスチールからステンレス製に。
さらにブレーキキャリパーの大型化&ローター径1インチ拡大、モノコックの剛性強化などが挙げられる。エクステリアもヘッドライトがハロゲンからHIDになったり、リアバンパーやテールレーンズの形状に若干の違いがあるなど細かいところにも違いがある。
なんの飾り気のないスパルタンなコクピット。モノコックの高剛性化、足回り、ECUの見直し、ファイナルギアレシオのローレシオ化などの変更が行われた。1999年12月には00スペックといわれる最終型が発売された
00スペックは基本的には98スペックと変わらないが、法規制に対応するため、型式がE-DC2からGF-DC2に変更され、細かいところではセンターコンソールにシリアルプレートが装着されたり、スポーツペダルや電動格納式ミラー、カーボンパネル、キーレスエントリーなど装備が充実している。
初代インテRの中古車価格帯は159万~889万円と、爆上がり中だ。889万円の個体は整備記録簿13枚付きの走行距離1.6万kmで飛び抜けて高い。個人的に狙いたいのは400万円代の5万km以下の極上車。300万円以下は10万km代が多くなってくる。
つい2、3年前は250万円前後で買えたのに……。では96スペックか、98スペック、00スペック、どれがいいのかだが、性能と価格のバランスを考えると、98スペックとなる。とはいえ、やはり20年以上前の中古車ということを考えると、“程度重視”で選びたい。
■中古外車からはE46型M3が「あがり」のクルマ
E46型M3はS54B32型3.2L、直6エンジンを搭載
輸入車のなかで今買うべき「あがり」のクルマは何か考えたが、相当悩んだ。候補に挙がったのは964型911(MT)、W124型ベンツEクラス、E46型M3、VWゴルフGTI(7)、VWトゥアレグW12、VWルポGTI……、まだまだたくさんあるのだが、好きで別れた恋人のように忘れられないクルマといえば、E46型M3が真っ先に思い浮かぶ。
E30型M3、E36型M3から続く、BMWの直6エンジンの系譜を見た場合、最終章にあたり、8000rpmまでビュンビュン回る、あのエンジンフィールはいまだに忘れられない。E36時代からすでに、どこまでも走りたくなる人馬一体感、シルキーなエンジンフィールは存在していたが、M46型M3に乗ってみたら、言葉が出ないほど“やられてしまった”。
286psの3L、321psの3.2L時代のE36型M3から343psへとパワーアップしたE46型M3は、ゲトラグ製6速MTのフィールのよさも相まって、本気で購入を考えたほどだった(結局高額なためローンも無理だと判断して断念)。
M3の操作フィールをまた味わいたい
あ~あ、あの気持ちのいい直6のエンジンフィールをMTでもう1回味わってみたいものだ。911しかり、現代のM3はどこか、人馬一体感というより、背伸びしすぎたというか、モビルスーツを着ているような、守られている感じがしてどうもしっくりこないのだ。筆者が枯れたおじさんなのかもしれないが……。
現在、E46型M3の中古車価格帯は255万~528万円だが、流通しているのはほぼセミATのSMGII。MTはなかなか見つからない。やっぱり、いいものはみんな知っているんだなと感心することしきりである。すぐに欲しいとなれば、E90型の2.5L、3Lの直6モデルが現実的かもしれないが……。
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みんなのコメント
その理由なら、別に今だからと買う必要は無い。