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ランエボのラリーマシンとタメ張る速さ! ホンダエンジンを積んだバギー「アリエル・ノマド」に英国車の面白さを痛感

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ランエボのラリーマシンとタメ張る速さ! ホンダエンジンを積んだバギー「アリエル・ノマド」に英国車の面白さを痛感

 この記事をまとめると

■イギリスのバックヤードビルダー「アリエル」が手がけたオフローダー『ノマド』

走りを追求し尽くすとクルマはこうなる! タイプRの心臓をぶち込んだ公道を走れるフォーミュラ「アリエル・アトム」がスパルタンの極み

■鋼管フレームを使用して軽量ながらオフロードに欠かせない装備類がついている

■三菱ランエボIXのラリーカーとほぼ同等のパフォーマンスを発揮する

 アリエルのバギーも超痛快!

 アリエルはイギリス、サマセットにあるバックヤードビルダーで、以前はアトムという2シーターのオープンスポーツを紹介しました。シビックタイプRのエンジンをミッドに背負い、鋼管フレームと効率的なサスペンションを組み合わせ、軽量かつスパルタンに仕立てられたスポーツカー。公道はもちろん、サーキットこそ晴れの舞台で、イギリス国内ではワンメイクレースまで開催される人気者なのです。

 そんなアリエルが「オフロードを走ってもいいんじゃね」とばかりに、アトムをベースとした痛快なバギー「ノマド」をリリース。古き良きサンドバギーの雰囲気を残しながら、走りはラリーマシンをぶち抜くようなパフォーマンスに仕上がっているのです。

 そもそもアリエルはたった7人のスタッフでスタートし、ロータスやジネッタなどと同じく、パイプフレームを自ら組み上げ、魅力的なエンジンを載せるという昔ながらのバックヤードビルダーと呼んで差し支えないでしょう。

 1960年代と違うのは、最新のCADシステムを導入し、より軽量、かつ高剛性なフレームが作れるようになったことかと。アトムの場合は595kg、ロールケージを強化したノマドは670kgという車重ですから、いずれもスーパーセブンのような軽快感や俊敏性を持っているに違いありません。また、ミッドシップらしくバランスよく仕上げ、凝った足まわりを装備するあたりは現代的といえるはず。

 さて、アトムのフレームはドライバーの腰くらいまで、すなわちオープンカーにほど近いものでしたが、オフロード走行を想定したノマドは、ルーフまでまわり込んだロールケージが追加されています。しかも、アトムでは省かれていたフロントスクリーン(!)も泥や砂利の飛散を考慮してシンプルながらも追加されています(ワイパー付き)。当然、足まわりも地上高を上げるべくほとんど別物となっていることも見逃せません。

 前後ともダブルウイッシュボーンに、おそらくはアイバッハのスプリング、コニ、またはオーリンズのダンパー(このあたりはオプションで選択可能かと)と、妥協を許さないパーツ選びがなされています。車高や減衰の調整が可能で、実際にオフロード走行の動画ではトラクションの調整として細かくいじっているところも見受けられます。

 エンジンはホンダ製!

 そして、搭載エンジンは例によってホンダの直列4気筒DOHC VTEC(K24)をドライバーの背後に横置き。カタログでは最大出力235馬力/7200rpm 、最大トルク 300Nm /4300rpmと表記され、パワーウエイトレシオ2.85kg/PSとなりますから加速感は良好、というか強烈な印象に違いありません。

 ちなみに、最低地上高こそオフ車のそれですが、タイヤサイズは前後とも235/75R15とさほどのビッグフットではありません。ロックレースで岩場を走るというより、フラットな砂利道を全開で駆け抜けるイメージ、でしょうか。

 このノマドのパフォーマンスを検証しようと、アリエル社は現役のラリーマシン、三菱ランサーエボリューションIX グループN ラリーカーとの比較をした模様。ランサーにはリストリクターを付けて250馬力程度に抑え、イギリスのラフコースをプロドライバーに走らせたところ、ノマドはさして変わらないタイムを出したどころか、いくつかのセッティングを変更したことでランエボを抑えるタイムを記録したとのこと。

 ラリーカーとはいえ、ハコ車ですからもろ手を挙げて「素晴らしい」とはいえないものの、後輪駆動のコンベンショナルなノマドがタイムを出しているのは評価できるものでしょう。しかも、ノマドの価格は3万6000ポンド(約680万円)程度なので、ほぼランエボの半額(Gr.N仕様/英国内)ということを考えたら現実的に思えてきます。オーナーのなかには、ノマドに手製のルーフやラックを装備して、ロングランの旅に出るという猛者もいるようですから、楽しみ方は無限大。

 なるほど、バックヤードビルダーが盛んな国、ノマドのようなクルマが走れる国というのは羨ましい限りですね!

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