フェラーリは自社のル・マン・ハイパーカー『499P』にさらなるアップデートを導入することを検討しているが、WEC世界耐久選手権の2025年シーズン開幕前に追加の“Evoジョーカー”を使用する予定はないようだ。
このイタリアのブランドは、6月のル・マン24時間レースで連覇を達成したあと、翌7月にブラジルで開催された第5戦サンパウロまでの間に最初のジョーカーを使用し、ブレーキ冷却ダクトの再設計と空力のアップデートを行った。
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フェラーリの首脳陣は、コルセ・クリエンティのシーズン終了を祝うフィナーリ・モンディアーリに集まった記者に対し、フェラーリ499Pへの追加アップデートについて評価しているが、カタールで迎える来年のWECキャンペーン開始時には実施されない予定であると述べた。
耐久レース部門のグローバルヘッドであるアントネッロ・コレッタは「将来に向け、多くのアイデアがある」と述べたが、、さらなるアップデートに着手する前に、より高いレベルの理解を得る必要があると付け加えた。
「クルマに手を加える前に100パーセント知る必要がある」
「私たちはいま、4つのトークンを持っている。それらを賢く使い、シミュレーターでテストし注意深く微調整していく必要がある」
「すぐに新たな調整を加えることはないと思うが、シーズン中にはそれがあるかもしれない」
■最終戦の前にテストを実施
一方、フェラーリで耐久レースカーの責任者を務めるフェルディナンド・カンニッツォは、499Pの「継続的な開発」の一環として、イタリアのチームが最近カタロニア・サーキットで数日間のテストを完了したことを明らかにした。
フェラーリは今週末バーレーンで行われるシーズン最終戦において、ドライバー選手権とマニュファクチャラー選手権の両方でチャンピオンを獲得する可能性を残している。
「明らかに、我々は継続的に開発を進めており、ときどきマシンでテストしている部分もある」とカンニッツォは語った。「もちろん、バーレーン8時間レースの準備のためにセットアップ面で多くの作業を行った。富士や他のトラックで何を改善できたかを理解するためだ」
「そのため、レーストラックでテストをする機会があれば開発を継続し、現在のクルマをどのように活用できるかをよりよく理解するために、つねに幅広い作業を行っている」
「サスペンション、メカニックス、エンジン、パワーユニット、エアロ、ボディワークなど、クルマのあらゆる可能な領域が検討の対象になる」
「しかし、基本的にこれらすべてのアクションは、私たちのクルマで改善したいと思っている分野で、改善できることが明らかなギャップを減らすために行われている。だから、私たちのクルマに見つかった弱点を埋めたり取り除いたりするために、非常に具体的な介入があるんだ」
■最初のEVOジョーカー・アップデートの満足度
カンニッツォは、サンパウロ6時間レースに向けてフェラーリ499Pに導入されたEVOジョーカー・アップデートについて、「主な目標は確実に達成された」と語った。
「今ではブレーキ冷却にかなり満足している。冷却バランスが取れており、バーレーンでは間違いなく楽しめると思う。なぜなら、バーレーンはその観点から非常に厳しいトラックだと言えるからだ」
「目標は達成された。そして今、私たちはセットアップをより良くチューニングする方法を理解しようとしている。なぜなら、我々が行ったブレーキダクトの変更のために、クルマを少し変更してバランスを再調整する必要があったためだ」
前述のとおり、フェラーリ499Pはブラジル・ラウンドの前に行われたアップデートでエアロダイナミクスにも手を加えている。
「クルマの空力特性がわずかに変わった。大幅に変わったわけではない。少しだ」とカンニッツォ。
「だから、私たちはこのアップグレードにもっとも適したクルマのセットアップを理解しようとしているが、全体的にはかなり満足している」
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