現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > トヨタの「信頼性」が1番? ゴルフ/308/カローラ・スポーツ 3台比較試乗(2) 一長一短あるけれど

ここから本文です

トヨタの「信頼性」が1番? ゴルフ/308/カローラ・スポーツ 3台比較試乗(2) 一長一短あるけれど

掲載 7
トヨタの「信頼性」が1番? ゴルフ/308/カローラ・スポーツ 3台比較試乗(2) 一長一短あるけれど

3車3様のハイブリッド PHEVより便利

8.5代目になったフォルクスワーゲン・ゴルフのインテリアは、今回の3台の中間といったところ。プジョー308ほど刺激的なデザインではないが、素材感はトヨタ・カローラ・スポーツより上。居心地が良い。

【画像】万能選手的ファミリーカー ゴルフ/308/カローラ・スポーツ 競合クラスのクロスオーバーも 全157枚

シートは、座面のサポート性が低め。ステアリングホイールは、テレスコピック(前後方向)の調整域がもう少し欲しい。それでも、自然な運転姿勢へ落ち着ける。

車載機能の多くはタッチモニターで操作するが、すべてが簡単。エアコンの温度は、タッチセンサーでサクッと変えられる。ドアポケットなど、収納に困ることもない。

空間にもゆとりがある。3台では、前席側の足元と頭上が最も広く、後席も狭いと感じることはないだろう。荷室容量は381Lで、412Lある308の次点。より広い空間が必要なら、いずれもステーションワゴンを選択できるが。

ハイブリッド・パワートレインには、メーカー毎の特徴が出ている。カローラは、おなじみの「フル」ハイブリッド。308はフルに近いマイルド。ゴルフは電圧48Vのスターター・ジェネレーター(ISG)が組まれた、普通のマイルドだ。

いずれも、コンセントに繋いで充電する必要はない。集合住宅で暮らすユーザーには、間違いなくプラグイン・ハイブリッドより便利だろう。

マイルド・ハイブリッドのゴルフは、電気モーターだけでは走れない。しかし、アクセルペダルを戻した途端、エンジンは停止する。少し積極的すぎるかもしれないが、動作は滑らか。燃費も悪くはなく、今回の平均では18.0km/Lへ迫った。

HVは市街地で威力発揮 操縦性が大きな美点

308の電気モーターはより強力だが、高速道路の速度域までは対応が難しい様子。カローラ・スポーツも同様で、大容量の駆動用バッテリーとe-CVTの威力が表れるのは市街地。気張らず運転すれば、25.0km/L近い効率を得られる。

e-CVTは段付きの変速がないため、加速は極めてシームレス。素早くRへ切り替えられ、狭い場所での切り返しもテキパキできる。デュアルクラッチATの2台では叶えにくい、見逃されがちな強みだと思う。

308の強みは、1.2L 3気筒でも活発なこと。今回の中では、最もエネルギッシュかもしれない。ゴルフとカローラ・スポーツは1.5Lと1.8Lの4気筒だが、回転数の上昇と同時に、やや荒い唸りが大きくなる。対して308のサウンドは耳障りが良い。

ファミリーハッチバックだから、純粋なドライバーズカーとはいえなくても、この3台は操縦性が大きな美点。カーブが連続する区間で、楽しいと思える。同クラスのクロスオーバーやSUVと比較して、優れた敏捷性と乗り心地を、巧みに両立させている。

特にキラリと光るのが、カローラ・スポーツだ。ペダルやステアリングホイールは軽めだが、不安を感じるほどではなく、直感的に扱える。どの程度の力を込めれば良いのか、把握しやすい。

ステアリングの反応は繊細で、旋回時に負荷が増すと、重みも増えていく。アクセルペダルを緩めれば、ラインは内側へ戻る。ボディの傾きは抑制され、フラつくようなことはない。すべてが自然で調和している。

車内の人間工学が足を引っ張る308

残りの2台も素晴らしいが、それぞれに小さな弱みがある。308はステアリングホイールが小径で真円ではなく、どの程度回すべきか掴みにくい。手のひらへのフィードバックも小さい。

ゴルフは、ブレーキペダルの反応が敏感で安定しない印象。そのかわり、英国では720ポンド(約14万円)でアダプティブダンパーを組める。ソフトにすれば上質になり、ハードにすれば引き締まった身のこなしを得られる。

動的特性の幅は広い。それでも、意外かもしれないが、カローラ・スポーツより優れた印象とはいえないだろう。

一長一短はあるが、好ましい操縦性を備え、燃費は優秀で、快適性を褒められる点では共通している。しかも、英国価格は3万5000ポンド(約672万円)以下と、良心的だ。

明確な勝者は決めにくい。とはいえ、僅かな優劣は存在する。308は、車内の人間工学が足を引っ張る。操縦性の自然さでは、他の2台に及ばないだろう。英国価格も、この中ではお高めだ。

ゴルフは、高級感ある大人なインテリアデザインが好ましい。アダプティブダンパーと7速デュアルクラッチATの組み合わせなら、多様なシーンで運転を楽しめる。

自然な感じで馴染めるカローラ・スポーツ

果たして今回の比較で、ファミリーハッチバックとして最も運転しやすく、自然な感じで馴染めるのはカローラ・スポーツだろう。燃費は1番良いし、アダプティブ・クルーズコントロールの動作も優秀といえる。

英国価格は、最も安価なゴルフなら、最も安価なカローラ・スポーツより安い。だが、最も高価なゴルフは、最も高価なカローラ・スポーツより高い。

価格的には拮抗していても、トヨタには強力な武器がある。他を寄せ付けない信頼性だ。ゴルフは、アップデート後でもタッチモニターに不具合が生じた例を知っている。今回も、エンジンの始動で不安定な場面があった。

8.5代目のゴルフは、本来のフォルクスワーゲンの姿を取り戻したようなモデルだと思う。ショールームでは、どちらを選ぶべきか悩むはず。しかし、数年後に正しい選択だったと実感する割合が高いのは、カローラ・スポーツではないだろうか。

ゴルフ/308/カローラ・スポーツ 3台のスペック

トヨタ・カローラ(カローラ・スポーツ)1.8ハイブリッド GRスポーツ(英国仕様)

英国価格:3万4060ポンド(約654万円)
全長:4370mm
全幅:1790mm
全高:1435mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:9.1秒
燃費:21.3km/L
CO2排出量:105g/km
車両重量:1410kg
パワートレイン:直列4気筒1789cc 自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:140ps(システム総合)
最大トルク:−kg-m
ギアボックス:e-CVT(前輪駆動)

フォルクスワーゲン・ゴルフ eTSI 150 Rライン(英国仕様)

英国価格:3万1875ポンド(約612万円)
全長:4284mm
全幅:1789mm
全高:1456mm
最高速度:223km/h
0-100km/h加速:8.4秒
燃費:18.6km/L
CO2排出量:122g/km
車両重量:1376kg
パワートレイン:直列4気筒1498cc ターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:150ps/5000-6000rpm
最大トルク:25.3kg-m/1500-3500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

プジョー308 ハイブリッド136 GT(英国仕様)

英国価格:3万4095ポンド(約655万円)
全長:4367mm
全幅:1852mm
全高:1441mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:9.3秒
燃費:17.2km/L
CO2排出量:111g/km
車両重量:1375kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:136ps/5500rpm
最大トルク:23.4/1600rpm
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

東武「スカイツリー駅~曳舟」来年3月に「完全高架化」へ! 地獄の“開かずの踏切”ついに消滅 浅草~東向島が全区間高架に
東武「スカイツリー駅~曳舟」来年3月に「完全高架化」へ! 地獄の“開かずの踏切”ついに消滅 浅草~東向島が全区間高架に
くるまのニュース
ポルシェのスポーツEV『タイカン』、世界のサーキットで新記録達成…ピレリの専用タイヤが貢献
ポルシェのスポーツEV『タイカン』、世界のサーキットで新記録達成…ピレリの専用タイヤが貢献
レスポンス
NISMO FESTIVALで往年の名車走る! 惜しまれつつ引退を表明のロニー・クインタレッリ選手も感動の一日に
NISMO FESTIVALで往年の名車走る! 惜しまれつつ引退を表明のロニー・クインタレッリ選手も感動の一日に
くるまのニュース
マイバッハ初のオープン2シーター「SLモノグラムシリーズ」が日本上陸
マイバッハ初のオープン2シーター「SLモノグラムシリーズ」が日本上陸
OPENERS
トヨタ『ジェネオ-E』リコール…ヘッドガードの部品が脱落するおそれ
トヨタ『ジェネオ-E』リコール…ヘッドガードの部品が脱落するおそれ
レスポンス
都会で大活躍する一台! 「ルノー5 E-Tech」、「ロンドンEVショー」で「カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞
都会で大活躍する一台! 「ルノー5 E-Tech」、「ロンドンEVショー」で「カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞
LE VOLANT CARSMEET WEB
メルセデス・ベンツ、Eクラスに「AMG E53ハイブリッド 4マチック+」追加 価格は1698万円から
メルセデス・ベンツ、Eクラスに「AMG E53ハイブリッド 4マチック+」追加 価格は1698万円から
日刊自動車新聞
日産「新型エルグランド!?」がスゴイ! まさか“エクストレイル顔”の「SUVミニバン」! 斬新デザインが超カッコイイ「グラシア」とは
日産「新型エルグランド!?」がスゴイ! まさか“エクストレイル顔”の「SUVミニバン」! 斬新デザインが超カッコイイ「グラシア」とは
くるまのニュース
FIA会長”独裁体制”がさらに強化か。規則変更で会長と議長の権限強化へ……倫理・財務面でやりたい放題可能に?
FIA会長”独裁体制”がさらに強化か。規則変更で会長と議長の権限強化へ……倫理・財務面でやりたい放題可能に?
motorsport.com 日本版
2025年3月モビリティリゾートもてぎホテルに新ファミリールームがオープン!
2025年3月モビリティリゾートもてぎホテルに新ファミリールームがオープン!
バイクブロス
S耐ロードスターにも採用、出光興産、世界初の植物由来レーシングオイル発表
S耐ロードスターにも採用、出光興産、世界初の植物由来レーシングオイル発表
レスポンス
ドゥカティ、新型『ストリートファイターV4/V4 S』を発表。日本向けは標準で2シーター仕様か
ドゥカティ、新型『ストリートファイターV4/V4 S』を発表。日本向けは標準で2シーター仕様か
AUTOSPORT web
日産が作ったスポーツ・ドキュメンタリー!  「Dare to Defy」、「Amazonプライム・ビデオ」で配信開始
日産が作ったスポーツ・ドキュメンタリー! 「Dare to Defy」、「Amazonプライム・ビデオ」で配信開始
LE VOLANT CARSMEET WEB
アッ! サーキットで転倒!!バイク用エアバッグシステム「hit-air製MLV-C」にマジで救われた話
アッ! サーキットで転倒!!バイク用エアバッグシステム「hit-air製MLV-C」にマジで救われた話
モーサイ
GRヤリスもレクサスLFAも、センチュリーもここから?トヨタ・元町工場には「思いやり」が詰まっていた。
GRヤリスもレクサスLFAも、センチュリーもここから?トヨタ・元町工場には「思いやり」が詰まっていた。
Webモーターマガジン
新しいアウディQ3、日本上陸──GQ新着カー
新しいアウディQ3、日本上陸──GQ新着カー
GQ JAPAN
上大岡~葉山直結!? 悲願のすごい南北道路「横浜逗子線」計画が進行中 異例の「2階建てバイパス」も誕生!? 工事どこまで進んだのか
上大岡~葉山直結!? 悲願のすごい南北道路「横浜逗子線」計画が進行中 異例の「2階建てバイパス」も誕生!? 工事どこまで進んだのか
くるまのニュース
鈴鹿のスーパーフォーミュラ公式/ルーキーテストに高星明誠と野中誠太の参加が決定
鈴鹿のスーパーフォーミュラ公式/ルーキーテストに高星明誠と野中誠太の参加が決定
AUTOSPORT web

みんなのコメント

7件
  • ********
    「信頼性」って今のトヨタに1番無縁な言葉
  • mar********
    これは何を比べてるんだ?
    普通に試乗して比較するなら、Golf/308/カローラの順になる。耐久性を比較するならカローラ/ Golf/308 だろう。
    壊れるかも知れないって発想がある時点でトヨタ以外を選択してはいけない。あとリセールバリューとか買う前から売る事を意識するウマシカは車を買わないで投資でも必死にすべき。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

202.9251.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.9450.0万円

中古車を検索
カローラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

202.9251.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.9450.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村