2輪の記録更新目前に今年の優勝候補は転倒で帰らぬ人に
アメリカ・コロラド州にあるパイクスピークを舞台に、1916年から開催されている「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パイクスピーク)」、別名「雲へ向かうレース」の97回目の大会が現地時間6月30日(日)に開催された。
「日本一速い男」に「モンスター」異名で知られる偉大なレーシングドライバーたち
標高2862mのスタート地点から、富士山の山頂より高い標高4302mのゴール頂上まで、全長20km、コーナー数156のコースをいかに速く駆け上がるかを競うこのレース。標高の高さのため、ゴールに近づくにつれて酸素が薄くなり、ゴール付近での内燃機関のエンジンの出力は約30%低下するといわれている。
今回は、17の国から2輪4輪合わせ88名のエントリーを集めて開催された。その決勝レースは、早朝からの好天に恵まれたものの、ここ数年いつも悩まされていた午後からのヒョウや雷雨といった悪天候に今年も邪魔されてしまう。レース後半でコース短縮が宣言され、スタート地点から中間地点の「グレンコーブ」までの約8.8kmの競技区間に短縮。決勝に進んだ85台中、後半に出走する25台が頂上にたどり着くことはできなかったこととなる。
ペースカーであるアキュラNSXが山頂に向かい、レースはスタートした。まずは2輪部門が出走をする。その決勝に進んだ27台による2輪の最終出走は、過去このパイクスピークで4勝を挙げているカーリン・ダン選手(#5 2019年式ドゥカティStreetfighter V4 プロトタイプ)であった。2012年に2輪で初めて10分の壁を破る9分52秒819の記録を作り、今年も各練習セッションおよび予選でトップタイムをマーク。そしてこの決勝でもスタートから好調で、セクター1、2、3とレコード更新ベースで走ってきて、頂上のゴール直前でまさかの転倒。そのまま崖下に転落し、すぐに救助されたものの搬送中に死亡が確認された。
2輪トップは、レニー・スカイスブルック選手(#34 2018年式アプリリアTuono V4 1100/パイクスピーク・ヘビーウェイト・クラス)の、9分44秒963となった。
4輪日本人選手で山頂に到達した選手はひとりもおらず
ダン選手の事故のほか、いくつか転倒もあって、2輪部門で何度もレースは中断。続いて午前11時を過ぎ、ようやく58台による四輪のセッションがスタートした。
4輪では予選トップからの順で走行が始まる。予選トップであったアンリミテッド・ディビジョンのロビン・シュート選手(#49 2018年式 Wolf TSC-Honda)が9分12秒476、タイムアタック1クラスのラファエル・アスティア選手(#19 2017年式 ポルシェ911 GT3 Cup Turbo)が9分23秒721、パイクスピーク・オープンクラスのピーター・カニングハム選手(#42 2019年式 ACURA TLX GT)が9分24秒433との順で走行。結果シュート選手が最速となったわけだが、昨年フォルクスワーゲンの「I.D. Rパイクスピーク」が出した7分57秒148には遠く及ばなかったものの、「山の男」の称号を得た。
シュート選手は、過去フォーミュラ・マツダなどオープンホイールを経験してきたドライバー。マシンは昨年と同じだが、タービンを変更し、エアロも改良してこれに参戦した。「ミスファイアで完全なパワーを出し切れなかったけれど、マシンのセッティング自体は良かった。路面がとてもバンピーで大変だった」とコメントしてくれた。
今回4輪3名、2輪3名の日本人選手がこのパイクスピーク参戦をしているが、2輪の新井泰緒選手(#183 1979年式カワサキZ1000)は、今回参戦するバイクの中でもっとも古いマシンだが、11分18秒220のタイムで、エキシビション・パワースポーツクラス3位と大健闘。
パイクスピーク・ヘビーウェイト・クラスの井上哲悟選手(#54 2018年式カワサキZ900RS)もタイヤ選択をミスしたといいながらも10分36秒884のタイムでこちらもクラス3位入賞した。電動バイクで出走の岸本ヨシヒロ選手(#39 2019年式 TEAM MIRAI Mark Coverdale IdatenX HC)はスタート直後にコースアウトしリタイアとなってしまった。
そして4輪部門。ルーキーながら予選7番手のタイムをマークした吉原大二郎選手(#86 2013年式トヨタ86)は、ミドルセクションにあるデビルズ・プレイグラウンド直前のコーナーでマシントラブルにより、リタイア。過去2回、この86自体は決勝でゴールまでたどり着いていなかったが今回も完走はできなかった。
そして昨年、コース短縮の憂き目にあった小林昭雄選手(#249 2000年式ポルシェ911GT3)、奴田原文雄選手(#230 2019年式日産リーフ)は、予選タイムが振るわずそれぞれ41番目、46番目のスタートと、出走順が遅く今回も頂上のゴールまで走り切ることができなかった。
小林選手は、セクター1を2分22秒463、セクター2を3分9秒483と、昨年よりもタイムを落としての走行。一方奴田原選手は、セクション1を2分8秒233、続くセクション2を2分47秒694、昨年よりも約16秒上まわるタイムで走行を終えた。
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