アッパーボディと呼ばれる自動車の外観を司る部位は、プラットフォームとも言われるアンダーボディと連携して車両の剛性や衝突時の安全性を左右する。さらに乗員配置や荷室容量、デザインといった商品性にも大きな影響がある。本日(15日)発売のモーターファン・イラストレーテッド最新号では、このボディの機能、開発/生産手法を解説した。
近年の自動車用ボディの特徴は、開発におけるシミュレーションの活用と高張力鋼板の使用比率が増加している点にある。CAE(Computer Aided Engineering)が本格的に導入される以前は、試作車を作って実機実験を行なわなければボディ強度などさまざまなデータを得ることができなかった。そのため車両の開発には4~5年はかかるのが一般的だったのである。
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しかし、CAEによるシミュレーションの性能予測精度が向上していくと実機による実験回数を抑えられるようになり、開発期間は短縮される傾向にある。さらにボディ本体の振動騒音性能や剛性なども事前に解析が可能となり、より効率的な開発が進められるようになった。
そしてもうひとつのポイントが高張力鋼板だ。この素材の特徴は、高強度な材質特性を生かして薄肉化し軽量化できる点にある。しかしここで注意しなくてはいけないのは、強度が高くなっても剛性が自動的に高まるわけではない、ということだ。強度と剛性は工学的にはまったく別の概念で、高張力鋼板を使い薄板化すると形状がそのままでは剛性は低下する。そこで近年では曲げ方向の入力をできるだけ入れないような形状の工夫やトラス構造の採用などで剛性低下を補う設計が主流となっている。
モーターファン・イラストレーテッド最新号(vol.168)は巻頭特集「よくわかるボディ」にて、基礎から知る車体づくりの原理原則、強度と剛性の違い、実際のアッパーボディ開発の流れ、過去のモデルでの剛性/強度向上対策の実例、そしてスバル新型レヴォーグ、マツダMAZDA3/CX-30、トヨタ・ヤリス、ホンダHonda eなど最新モデルのボディの知見を幅広く解説した。
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