F1中国GPのスプリント予選でポールポジションを獲得したランド・ノリス(マクラーレン)は、雨によりトリッキーなコンディションとなったSQ3で2番手以下に1秒以上の大差をつけた。彼はこのアタックに、”オール・オア・ナッシング”のアプローチで臨んだという。
今回のスプリント予選では、SQ2の途中から雨が降り始め、SQ3では各ドライバーがコースにマシンを留めるのが精一杯となるほどグリップが低いコンディションとなった。
■F1中国GPスプリント予選で3番手アロンソ「グリップレベルとリスクのバランスを判断するのが難しかった」
ノリスも何度かコースオフしタイム抹消を受けたが、最終的に彼のポールポジションタイムとなった1分57秒940のラップも、一時その対象となった。
ノリスはこのタイムを出す前の周に最終コーナーであるターン16でコースオフしていたため、続く周もタイム抹消となったのだ。しかしコースオフがタイムロスとなっており、翌周のアドバンテージにつながっていないと判断されたことで、一度は消されたタイムが復活。ノリスがポールポジション獲得となった。
ノリスは、タイヤの温度が攻略のカギを握っていたため、危険なコンディションにも関わらず、攻め続けなければならなかったと説明した。
「トリッキーだった」とノリスはセッション後に振り返った。
「こういうセッションに臨むときはいつもナーバスになるものだけど、特にこの予選は雨が降ると分かっていた。ドライでの走りには満足している。ここまでの週末はずっといいペースだった」
「でも僕は速かったし、フェラーリに追いつき続けていたから、ずっとバックオフしなくちゃいけなかったんだ。最初の2周は全然うまくいかなかったけど、最後の1周はポールポジションにふさわしい走りができた。だからハッピーだよ。これがちゃんとした(決勝レースのグリッドを決める)予選じゃなくて残念だけど、十分だよ」
「最初の2ラップはどちらも中断してしまったので、最終ラップはオール・オア・ナッシングという感じだった。でも雨はどんどん強くなっていた。だから最後の2周のコンディションは、少なくとも2周目よりはずっと悪かった」
「何度かミスをしたり、アクアプレーニングが起きたりして、少しナーバスになっていた。でも楽しかったよ。心が躍る。最終的にトップで終われるなんて望んでいた通りだった」
ノリスは、スプリント開催の週末はフリー走行が最小限であることを考えると、土曜日のスプリントレースで何が起こるか「全く分からない」と語った。
週末を前に、中国GPはダメージを抑えるレースになるだろうと考えていたマクラーレン。だがノリスは、さらに雨が降ればより良いポジションにつけるだろうとしながらも、どんな天候にも対応できるようセットアップに磨きをかけてきたと語った。
「今朝はいくつかの宿題をこなした。いくらか連続周回を行ない、理解を深めようとしてきたけど、天候次第だ。明日はまた雨になる可能性がある」
「またこういう感じになれば、チャンスは結構あると思う。でも、レースは予選とはまったく違う」
「明日はみんなが追い上げてくるだろう。でもウエットでもドライでもペースはいいし、いいポジションにいると思う。少し驚きだけど、チームが良い仕事をしてくれて、クルマのフィーリングも良い。もちろん、僕も良い仕事をした。(一か八かのアプローチが)報われたんだ」
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