JRC全日本ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は7月31日~8月2日、京都府の京丹後市を拠点に開催された第5戦『NISSINラリー丹後2020』に挑み、眞貝知志/安藤裕一組TGRヴィッツGRMNラリーがJN2クラス3位となった。
TGRはモータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的に、2015年から全日本ラリー選手権への参戦を開始。2020年シーズンも昨年から引き続きヴィッツGRMNラリーをJN2クラスに投入している。
4カ月ぶり再開の全日本ラリー、第5戦丹後は鎌田が奴田原との一騎打ちを制し2020年初優勝
新型コロナウイルスの蔓延によるイベントの延期や中止が相次ぐなかで行われたラリー丹波は前戦の新城ラリー以来、約4カ月ぶりのラリーとなった。また、同地でのラリーイベントとしては2年ぶりに全日本選手権格式での開催となっている。
その2年前の丹後でデビューしたTGRヴィッツGRMNラリーは、同じターマック(舗装路)ラリーである新城ラリーでの仕様を踏襲して今戦に臨むと初日はクラス3番手につける。しかし、マシンはSS2でのスピンによってリヤサスペンションにダメージを負っており、最終日に向けて修理が行われた。
迎えた最終日、眞貝/安藤組は計4つのSSをクラス3番手を維持して走り切り、デビューの地である丹後でJN2クラス3位を獲得した。なお、最終日のSS9に向かうリエゾン(移動)区間において、同ペアは路上に倒れた歩行者を発見。他の選手とも協力して救助活動を行っている。
「今回、優勝はできませんでしたが、クルマを準備して、実際に走らせて、修理に取り組んで……と、とても意義のあるラリーになりました」と語るのは豊岡悟志チーム監督。
「2日間戦い切って、あらためてラリーの楽しさ、難しさを思い出した1戦になった印象です。次の車両の準備も進めていますが、育成の場としてラリーは素晴らしい環境だと実感しています。主催者の皆さんには、大変な努力のうえで開催して頂きましたし、本当に感謝しています」
宮本昌司チーフメカニックはこのラリー中、ヴィッツGRMNラリーにはスピンでのサスペンション損傷以外にもトラブルがあったと説明した。
「新城ラリー以来、期間が空いてしまったこともあり、どのラリーを目標にメンテナンスをすべきか予定が立てにくい状況でした。それもあってマイナートラブルが出て、クルーにも少し迷惑をかけてしまいました」
ドライバーの眞貝は「今回のラリーはライバルがとても速く、現在のスピードでは余裕を持って戦うことが難しかったです。そのうえ、いくつかミスをしてしまったこともありクラス3位という結果になりました」とラリーを振り返る。
「チームにはサービスでしっかり直してもらい走れましたが、スピードという課題が残ってしまいました。舗装路でのTGRヴィッツGRMNラリーは曲がりやすくなって良く仕上がっていますし、気持ちよく走れていますが、もうひと伸びが必要かもしれません」
TOYOTA GAZOO RacingとTGRヴィッツGRMNラリーが挑む次戦はJRC第9戦『RALLY HOKKAIDO』。このラリーは9月12~13日にかけて北海道帯広市を拠点に開催されるグラベル(未舗装路)ラリーだ。
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