スーパースポーツカーと電動化モデルの存在が際立った2019年のジュネーブ・モーターショーだったが、コンパクトカーやSUVなど、そのほかのカテゴリーにも話題のニューモデルも数多く出展されていた。その中で一番の注目は、示し合わせたように2台揃ってお披露目されたフランス製コンパクトハッチバック、“ルノー・クリオ(日本名ルーテシア)”と“プジョー208”の新型だ。
ルノー
今週、話題になったクルマのニュース6選(2019.3.30)
“ルノー5(サンク)”を始祖に持つルノー・クリオは新型で5代目を数える。先代は欧州市場の年間販売台数で1位に輝くなど、大きな成功を収めた。そのためか、スタイリングの変更幅は小さく、先代のフェイスリフト版かと勘違いしてしまうほど先代のイメージを色濃く残している。ボディサイズは全長4050×全幅1798×全高1440mm、ホイールベースは2583mm。先代と比べると全長は約50mm長くなったものの、全幅は50mmほど拡大した。
キープコンセプトとなった外観とは異なり中身は大きく進化。“CMF-B”と呼ばれる日産と共同開発したコンパクトカー用の新しいプラットフォームをグループ内で初めて採用したほか、新たにハイブリッドのパワートレインを設定。ハイブリッドはルノーが独自に開発したもので、日産のeパワーとは別物となる。2つのモーターを1.6Lのガソリンエンジンに組み合わせたもので、市街地モードの燃費をこれまでの通常のガソリンエンジンに対して40%以上低減できるという。もちろん、通常のガソリン及びディーゼルエンジンも選べる。
2014年のジュネーブ・モーターショーで3ドアのFFから5ドアのRRへとドラスティックに生まれ変わった3代目“トゥインゴ”が初のマイナーチェンジ。ダイムラーとの協業によって生まれたコンパクトな5ドアスタイルはそのままに、前後まわりのデザインを中心にリフレッシュが図られた。従来モデルと比べるとスッキリとした印象を受ける。
プジョー
7年ぶりのフルモデルチェンジを行った“プジョー208”。プジョーは長年に亘り“車種番号+0+世代”という命名方式を採用していたが、2012年にそれを改め、車名を固定化する決定を下した。それにともない208もフルモデルチェンジを機に“209”に社名変更せず、208を継承している。キープコンセプトの新型ルノー・クリオに対し、新型208はスタイリングのイメージを一新した。新型“プジョー508”と同じ新しいデザイン言語で仕立てられた外観はスポーティかつ精悍でなかなかの出来映え。全長4055×全幅1745×全高1430mm、ホイールベース2540mmのボディサイズは先代と比べると全長が80mmほど長い。
そのほかはほぼ先代と同等だ。208もクリオ同様、プラットフォームを一新。2018年のパリ・モーターショーで発表されたDS3クロスバックと同じ“CMP”プラットフォームで、先代用のプラットフォームと比べると30kgの軽量化が図られている。また208も電動化モデルが導入された。ただし、こちらはハイブリッドではなくピュアEV。CMPプラットフォームは電動化にも対応しており、208の電気自動車もガソリンやディーゼルと同じCMPプラットフォームを用いている。50kWhのリチウムイオン電池は床下にすべて収まるため、室内の広さはほとんどガソリンなどと変わらない。フロントに搭載されたモーターは136ps/260Nmで航続距離は340km以上。新型208の欧州での販売開始は2019年秋の予定。
2019年3月に日本でも正式発表されたプジョーのコンパクトセダン“508”。そのスポーツモデルのコンセプトカーがジュネーブ・モーターショーに登場した。“コンセプト508プジョー・スポール・エンジニアード”。前後に2つのモーターを配したPHEVをベースに高出力化。200psの1.6L直列4気筒ターボと110psのモーターを前に置き、200psのモーターを後ろに配し、システム総合出力は400ps/500Nmを誇る。0-100km/h加速は4.3秒、最高速度は250km/h。2020年にほぼこのままのスタイルで市販化される予定。
アルファロメオ
アルファロメオはステルヴィオに続くSUVの第2弾となる“トナーレ・コンセプト”を披露。ボディサイズは発表されていないが、ステルヴィオよりもひと回り小さい。フォルクスワーゲン・ティグアンと同じCセグメントサイズだと思われる。赤いカラーリングが施されたボディはアルファロメオらしいスポーティかつ精悍なデザイン。メカニズムに関しても詳細はアナウンスされていないがアルファロメオ初のPHEVになるという。
2018年に世界で約244万台を販売し、8年連続で前年比を上回ったメルセデス・ベンツ。ジュネーブ・モーターショーでは2代目に全面変更された新型“CLAシューティングブレーク”をワールドプレミアした。流麗なフォルムを持つスタイリッシュなステーションワゴンというコンセプトは先代と変わらず。ボディサイズは全長4688×全幅1830×全高1442mm、ホイールベースは2729mm。全長とホイールベースがそれぞれ48mm、30mm長くなり、幅も53mm広がった。
メルセデス・ベンツ
ボディサイズの拡大は室内及び荷室スペースの拡大だけでなく、先代よりもさらに伸びやかなスタイリングにも貢献している。“MFA2”と呼ばれる新しいプラットフォームをはじめ、機能面は新型Aクラスに準拠。「ヘイ、メルセデス」でお馴染みの最新のインフォテインメントシステムも備わる。
マイナーチェンジでリフレッシュが図られた新型“メルセデス・ベンツGLC”もここジュネーブが初登場となる。2018年のパリ・モーターショーで発表された新型GLE風にリデザインされたフロントグリルの採用などスタイリングの刷新が図られたほか、新型Cクラスにも搭載されている48V電源を用いたハイブリッドシステムの追加、さらに進化した最新運転支援装置やCLA同様、新しいインフォテインメントシステムの採用などがトピック。
また2月に日本でもマイナーチェンジした新型が発表されたメルセデスAMG GTに追加モデル“GT Rロードスター”を設定。サーキットで高いパフォーマンスを発揮することに主眼を置いたGT Rにオープンボディを組み合わせた。585ps/6250rpm、700Nm/2100-5500rpmを発生する4.0L V型8気筒ツインターボ、ワイドボディ、4輪操舵システム、大きなリアウイングを含む可変エアロダイナミクス機構などはクーペの“GT R”のまま。速さと開放感を併せ持つ贅沢なオープンスポーツカーだ。
BMW
メルセデス・ベンツの宿敵BMWは残念ながら、今回のジュネーブ・モーターショーでは大物のニューモデルを輩出せず。追加モデルはいくつかあったものの、大きな変更が加えられていたのはBMWのフラッグシップサルーン“7シリーズ”のマイナーチェンジモデルくらい。最新の運転支援装置やインフォテイメントシステムの採用もトピックだが、気になるのはキドニーグリルが巨大化した新しいフロントマスク。BMWの狙い通り、フラッグシップらしい威厳は従来モデルよりもかなり増している。
BMWアルピナも7シリーズ・ベースのB7を新型ボディに変更。こちらにも大きくなったキドニーグリルが備わる。
取材・文/編集部 撮影/望月浩彦
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