新型コルベット 新車効果はこれから
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】コルベット 先代(C7)と新型(C8)、どう変わった?【比べる】 全48枚
フェラーリ、いや、マクラーレン!?
まさかのリアミドシップ化という、衝撃的な進化と遂げたC8(8代目)シボレー・コルベット。
2019年7月にアメリカでのワールドプレミア、さらに日本では東京オートサロン2020でジャパンプレミアとなり、世界各地のシボレーディーラーには問い合わせが相次いだ。
GM本社によれば、生産開始は2019年後半とされているため、2020年に入りアメリカではデリバリーが始まっている。
2020年第1四半期(1~3月)、アメリカでのコルベット販売台数は3820台(GM調べ)である。
ただ、シボレーのウェブサイトには、C7(7代目)各モデルがラインナップされており、C8ではまだ公開されていないZR1やZ06の継続販売分も含まれると見込まれる。
加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大は、生産と物流に大きく影響しているため生産量が伸びない。
当然、日本を含めた輸出が遅れる可能性がある。
さて、C8コルベットの顧客層について、業界関係者の間からこんな声が聞こえてくる。
「C8がスポーツカーからスーパーカーに転じたことで、これまでGT-Rを意識してコルベットを購入した層は、今度どう動くのか?」
伝統的V8アメリカンスポーツカーと、日本が世界に誇るハイパワー四駆スポーツカー。
アメリカで今後、2モデルの関係性に大きな変化が生まれるのか?
コルベット対GT-R 部分的にYES
アメリカで、コルベットとGT-Rはライバルなのか?
現行モデルでいうと、「部分的にYES」である。どういう意味かは、両モデルの価格を見れば一目瞭然だ。
アメリカのMSRP(希望小売価格)で見ると、GT-R(R35)は11万3540ドル(約1215万円)。
一方、C8のベースモデルは5万8900ドル(603万円)と倍近い開きがある。
C7は、ベースモデルが5万5900ドル(約598万円)、グランドスポーツが6万5900ドル(約705万円)、Z06が8万900ドル(約866万円)、そしてZR1が12万3000ドル(約1316万円)という根付けた。
つまり、GT-RはZR1と同格なのだ。
近年中に登場するであろう、C8のZR1も、ベースモデルでC7とC8の価格を見れば、12万ドル台で登場する可能性が高い。
2007年に現行GT-R(R35)が登場した時の価格は7~8万ドル級(日本では777万円)。これならC7グランスポーツ並で、アメリカでも日本と同様に、一般的なサラリーマンがちょっと頑張れば、なんとか手が届く感じだった。
それが、一気に12万ドル台となると、ちょっと気が引ける。アメリカの田舎町なら、敷地100坪の5LDK新築が建つ。
当初、アメリカ人たちが抱いた、コルベット対抗のGT-Rという図式は、R35が過去13年間で進化し高価格化したことで、崩れてしまったのだと思う。
そもそも、アメリカ人の多くは、GT-Rという存在を知らなかったのだから、しかたがない。
どういうことか?
GT-Rどころかスカイライン知らず
アメリカにGT-Rが上陸したのは、日本に1年遅れて2008年に導入されたR35が最初だ。
それ以前のR34、R33、R32、さらにケンメリ、ハコスカのGT-Rはアメリカでは正規輸入されていない。
それどころか、アメリカ人は「スカイライン」を知らない。
スカイラインが北米ラインナップになかったため、R35導入に連動しレーシングフィールドでのGT-Rの歴史を紹介しても、アメリカ人にはピンと来ない。
耐久レースなどでの輝かしい歴史を誇るコルベットのようなイメージを、GT-Rに対して抱きにくい環境にある。
アメリカ人がスカイラインに接したのは、インフィニティ「G35」が最初だ。
皮肉なことに、日本では不人気だったV35スカイラインが、アメリカでは大人気となった。
インフィニティG35にクーペが登場し、さらにG37へと進化したことが、GT-Rのアメリカへの呼び水となったといえる。
2007年頃から、日産はアメリカ人ジャーナリストを日本に招聘し、GT-Rの歴史を改めて理解してもらった上で、テストコースで思い切った試乗の機会を提供した。
その体験記が、ロングリードと呼ばれる自動車雑誌大手や、当時まだ黎明期にあった自動車向けウェブサイトを通じてアメリカのクルマ好きと富裕層に拡散していった。
別の視点もある。近年になりGT-Rに関する別の動きがあり、これがコルベットに影響を与えるかもしれない……。
25年ルール 旧GT-RがC8対抗に?
GT-Rに関する別の動き。それは、「25年ルール」だ。
自動車メディアではこれまで数多く取り上げられている、アメリカとカナダでのアンティークカーに対する輸入緩和制度だ。
正式名は、連邦法「輸入車セイフティコンプライアンス法」という。アメリカでは、製造から25年経って、一度も正規輸入されなかったモデルに対して、衝突安全性と環境対応(排ガス規制)に対する試験が免除される。州によっても対応に差がある。
これによって、R32とR33のGT-Rが日本からアメリカに大量に輸出された。
買い手は、30代~40代の男性。20年ほど前、映画「ワイルドスピード(邦題)」で描かれたアメリカでのジャパニーズチューニングに魅了された彼らがいま、当時の夢を買っているのだ。
R32、R33 GT-Rのアメリカでの価格は、程度によって差があり、また業者の中間マージンによっても差がある。メンテナンスコストもかかる。
そうなると、価格的にはC8コルベットのベース車と同格になる。C8にとっては、想定外のライバル出現だ。
この他、三菱GTO(3000GT)や、今後はR34もC8にとって手ごわいライバルになるかもしれない。
今後のアメリカのスポーツカー市場、新旧入り乱れ、面白い展開になりそうだ。
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みんなのコメント
GTOよりむしろかっこいい気がするがステルス